Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

「Red Strike」E1 Crossing Swords Solo-Play AAR

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購入したばかりの「Red Strike」のカウンターを切り離したので早速、練習シナリオ1「Crossing Swords」をソロってみることに。単純に陸戦システムを覚えるだけのシナリオなので、何にもないだだっ広い架空の平原で、ソ連第8親衛軍(戦車師団×1、自動車化狙撃師団×2、戦車連隊×1、水陸両用大隊×1、空挺大隊×1)が、アメリカ第3機甲師団、第8機械化歩兵師団に攻撃をかけるという設定。補給ポイントは、ソ連軍が12、アメリカ軍が40ポイントになっている。

先手のイニシアチブ・プレイヤーのソ連軍は、全ユニットを前線モードに指定し、対するアメリカ軍は、一部のユニットを予備モードに指定。そして第1ターン、第1アクションステージ、第1イニシアチブセグメント、先手のソ連軍が移動開始。とりあえず3個師団プラスアルファの部隊でZOC戦線のスクラムを組みつつ、アメリカ軍に接敵した。ちなみに○で囲まれた0401ヘクスを第5ターンまでにソ連軍が取れるかどうか、アメリカ軍が守り切れるかどうかがシナリオ勝利条件である。

代わって後手アメリカ軍の第1リアクションセグメント。ここで移動できるのは予備モードのユニットだけなので、後方に控えていた予備部隊を前方部隊とスタックさせ、ソ連軍の攻撃を待ち構える。

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そして第1戦闘フェイズ。ソ連軍は3カ所で攻撃を宣言し、それぞれ各師団ユニットに2補給ポイントを消費して臨機突撃(HA)隊形(戦闘力2倍、砲兵ダイス修正+2)とした。4補給ポイントを使えばさらに強力な計画突撃(DA)隊形(戦闘力3倍、砲兵ダイス修正+3)にも出来るが、補給ポイントが12しか無いので、とりあえず半分だけ消費することにした。また、各ユニット毎に補給ポイントが必要となるため、弱体な連隊ユニットにもそれを消費するのは勿体ないので、そちらはポイント消費0の接触行動(AC)(戦闘力は額面通り、砲兵+1)とした。

対するアメリカ軍は、補給ポイントが潤沢なので、防御する6ユニットすべてに4補給ポイントを消費して計画防御(DD)(戦闘比有利に2シフト、退却を打撃に変更)とした。まあ、それでも40ポイントのうち、この最初のターンで半分以上使い切ってしまうことになったが。

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結果、地図盤上部の第39親衛自動車化狙撃師団は、第119戦車連隊を犠牲にして(1打撃を受けて裏面に)、アメリカ第3機甲師団の2個旅団スタックに3打撃を与えて勝利。戦意高揚状態となり、以後の戦闘では有利な1戦力比シフトが得られるようになった。

中央の第79戦車師団は、アメリカ第8機械化歩兵師団スタックを攻め、機甲騎兵大隊と1打撃ずつの痛み分け。いやいや、同じ1ステップ損失とは言え、ソ連軍は半個師団の15戦力も低下したのに、機甲騎兵大隊は2戦力しか低下してないって割に合わなすぎるだろう。ある意味、機甲騎兵大隊としては、ソ連軍に出血を強いて遅滞行動に成功したと。

そしてこのゲーム、陸上ユニットの損失を後から補充して元に戻すようなルールは無い。つまり、損耗したユニットはただ弱りながら失われていくと。まあ、キャンペーンゲームでも1ヶ月間の戦闘を扱うだけなので、そのような短い戦役で、さまざまな兵装から構成される戦闘部隊を復元するのは不可能、という解釈なのだろう。またソ連軍のドクトリン的には、第一梯団が消耗したら第二梯団を突っ込ませろと。

そして第27親衛自動車化狙撃師団は、アメリカ軍スタックに損害を与えられず、自身は2打撃を被り(裏面にしたうえ、1戦力減)、敗退した。逆にアメリカ軍スタックには、戦意高揚マーカーが置かれている……というところで第1アクションステージは終了。

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さて第2アクションステージ。先手ソ連軍の第1イニシアチブセグメント。ソ連軍は、3カ所攻撃はいかん、やはり戦力は集中しなきゃいかんよ君ぃ、ということで、いったん後退した第27親衛自動車化狙撃師団を中央へスイング。残った補給6ポイントで3個師団を臨機突撃隊形にした。一応アメリカ軍も、防御する4個ユニットすべてに4補給ポイントを注ぎ込んで計画防御隊形に。これにて両軍とも、補給ポイントを使い切ったことになる。

結果、2カ所の攻撃は、どちらも1打撃ずつの痛み分け。3/7機甲騎兵大隊は、さらなる打撃を引き受け、一緒にスタックしている機甲旅団を無傷のまま守る形で除去された。ルール14.1.1を読むと複数打撃を被った場合は、スタック中のユニットに均等に打撃を割り振れと書いてあるが、1打撃のみの場合は、すでに打撃を被っているユニットに損害を集中させてもいいように読めるし、それでも良いのだろう。それって弱体なユニットに損耗を引き受けさせて、強力なユニットは温存できるので、ちょっとゲーム的にズルいようにも思えるが、スタックしている部隊が第一線、第二線として展開していると考えれば、まず第一線部隊から消耗し尽くしていく、と解釈すれば納得できるかなと。

そして第39親衛自動車化狙撃師団は、1打撃を引き受けたものの、戦意高揚マーカーを除去して犠牲にする形でそれを帳消しにした。なにしろ、いったん打撃を被ったらもう元には戻らないのだから、師団が裏面になる=戦力半減するのは痛い。でもまた戦闘に勝てば戦意高揚状態になるのだから、そちらを優先した方が良いかなと。

この後、第3アクションステージとなるが、先手アメリカ軍には移動していないユニットがもう無いため移動は無く、後手ソ連軍にも予備モードのユニットが無いため、双方ともに移動は無し。先手アメリカ軍も攻撃は宣言しなかったので、ここでターン終了となり、ソロプレイもこの1ターンだけとした。

とりあえず「素の地上戦闘」だけをやってみたが、個人的な感触は良かった。補給ポイントを割り振って戦闘力を上げるかどうかという判断も、もっと大局的、長期的になれば、どこで補給ポイントを注ぎ込んで大攻勢をかけるかも考慮されるので面白みが増すかなと。また、ひたすら損耗していく部隊のマネジメントも、もう少し慣れが必要になりそうだ。1打撃を被ると簡単に戦力が半減する割には、その先はちまちまとした戦力の削り合いになるので、意外とユニットは除去されにくいのかも。まあ、そこも航空支援なり、長距離ミサイルなり、別の手段で打撃を与えるのかな……というあたりで、また次の練習シナリオへ行ってみよう。