引き続き、仮想・第三次欧州大戦ゲーム「Red Strike 1989」の練習シナリオ2「Able Archer」をソロプレイ。こちらも架空の地図盤上で、長距離ミサイルの射撃手順などを習い覚えるだけのシナリオである。
画像中央のソ連第458ロケット旅団は、SS-21(射程4ヘクス、小型弾頭)を装備。命中率は72%だが、地上部隊に対して(移動目標なので)命中率が22%落ち、50%で命中となる。通常弾頭の長距離ミサイルは命中して1打撃を与えても陸上ユニットを裏返すことはできず、ただ単に1打撃のみとなる。ロケット旅団は3回までミサイルを発射でき、発射し終わったら除去される(選択ルールで再補給もあり)。
右側の第112ロケット旅団は、SS-1C(射程10ヘクス、中型弾頭)を装備。命中率は43%だが、やはり地上部隊に対しては22%落ちるため、命中率21%となる。こちらも通常弾頭であれば1打撃のみ。市街地や港湾に対しては命中率76%なので、ミサイルの種類によって、どのような目標に撃ち込んだらいいのか、よく確認した方がいい。
いずれにしろ通常弾頭では陸上ユニットに1打撃しか与えられず、裏返すこともできないので、あまり効果的とも言えない。長距離ミサイルユニット自身は1打撃で除去されてしまうので、お互いの長距離ミサイル部隊同士で潰し合いになるかも。
ならば戦術核弾頭ならどうなるか。命中すれば、SS-21は小型弾頭なので4打撃、SS-1Cは7打撃を与えられる(大型弾頭なら10打撃)。これなら小型核弾頭で大隊規模ユニットを、中型核弾頭で旅団/連隊規模ユニットを除去できるかもしれないが、まあ、その程度。まるまる1個師団を完全に吹き飛ばすのは難しい。また核攻撃が許可されるには、イベントカードを引いて使用するか、10面体ダイスを2個振って「1のゾロ目」が出たらOKという、なかなか低い可能性なのでゲーム上で見られることはあまり無いかもしれない。とは言え、その威力もあらかじめ知っておくと、あまり大きな期待はしなくて済むんじゃないかな。願わくば、ゲーム上とは言え、このような兵器を使うことが無いように……
「核兵器は私が管理する必要があります」
「なぜだ?」書記長が語気鋭くきいた。
「実用性の問題です。攻撃目標は分刻みで現れたり消えたりします。NATOの横陣に原子爆弾で穴を開けたいとおっしゃるなら、あなた方の許可を得ている時間はありません」
「何発必要だ?」と国防相がきいた。
「それは、突破作戦の時間と場所次第です。人口密集地ではなく、個々の点目標に、小型戦術核を使用することができます。5ないし10キロトンの範囲のものが、最高でも30発あればいいでしょう。それを砲兵隊の非誘導ロケット弾で発射します」
(「レッドストーム作戦発動」より)