Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

【参考文献】ジョン・ルイス・ギャディス「大戦略論 戦争と外交のコモンセンス」

文庫された「大戦略論 戦争と外交のコモンセンス」を購入。書籍版は2018年に出ていて、パラパラ立ち読みしたのだけれど、今ひとつ買う気になれなかったので、このタイミングで入手。と言うのも内容的に、戦略理論書ではなく、歴史上の人物たちを通じて戦略的意志決定について語っている読み物なので、ちょっと自分が求めているものとは違うかなと。いや実際読んでみれば、戦争に限らず、人間が生きていく上での戦略も含まれていて、それはそれで面白い。とは言え、人生戦略については自分の本業にも関わってくる分野なので、著名人の戦略性が、個々人に適用できるとは限らないぞと。

一応、ひとつのこと(大戦略)を知っている「ハリネズミ」と、無数のこと(摩擦と選択肢)を知っている「キツネ」という例えを用いて、相反する2つの考えを持ちながら、そのバランスを取る、というのは自分の本業的にも納得。まあ、そういう判断能力は、ウォーゲーマーにしろ、ボードゲーマーにしろ、ある程度は身につけているはず。ただしゲーム程度ならともかく、人生を正しく歩む知性を育むには、長い時間をかけて本来の自分らしい決断能力を取り戻す必要があるんだけどね。

【参考文献】デリク・タラク「ウィンゲート空挺団 ビルマ奪回作戦」

先日、大阪に出張に行った際も、ついでに梅田、なんば周辺の古書店を巡ってきた。そして見つけたのが「ウィンゲート空挺団」。たしか以前読んだような、持っていたような……そのあたりの記憶も曖昧なまま購入。と言っても、特に安かったわけではなく、普通にプレミア価格で3000円ほどした。まあ、ある意味、大阪土産だと思って。

ウィンゲート空挺団が登場するゲームとしては「OCS:Burma」「TSWW:Singapole !」があるが、いずれまたTSWWでビルマ戦シナリオはやってみたいなと思っている。

ちなみになんばのマニア向け古書店には、タクテクスやシミュレイターのバックナンバーも揃っていたが、タクテクス22号(1985年)に掲載されていた、空戦研究サークル「HORNETS'80」の「Air War グレードアップマニュアル」という同人誌もあり、おっ!と思ったものの、ペラい冊子なのに5000円という値がつけられていたので、そっと棚に戻してきた。まあ、お土産にしても高いなと……(^_^;)

【参考文献】H.G.コンザリク「極限に生きる」

先月、名古屋に出張に行った際、鶴舞上前津大須あたりの古書店を巡ってきた。マニア向けの古書店もあり、軍事系の書籍が多いお店もあったけれど、なかなかコレ!という一冊には出会えず、最後の一軒と思って入ったお店でコンザリクの「極限に生きる」を800円で発見。学生時代に読んではいたものの、手元には残していなかったので、あらためて入手することにした。

著者コンザリクは「第6軍の心臓」「スタリングラードの医師」というWWII東部戦線モノの小説を出しているが、こちらも同じく、ドイツ軍の懲罰大隊を扱った作品。まあ、あくまでも小説とは言え、雰囲気を感じるには良いかなと。

自分が知っている範囲で、懲罰大隊がルール化されているウォーゲームというと「TSWW:Barbarossa」ぐらいか。能力としては攻撃不能、防御のみのユニットで、戦闘損失を被る場合はまず最初に除去される。そして除去されても1ヶ月後に無償で復活するという、ゾンビみたいな存在になっている。まあ、そこまでのルールを用意する必要があるかどうかは微妙だが、TSWWは『省略なんて知らねーよ』的に、何でも要素を全部載せするシリーズなので……(^_^;)

Game Journal #44「竜虎三国志」

f:id:crystal0207:20220119110223j:image

2012年に発売されたゲームジャーナル44号「竜虎三国志」をネット中古で購入。すでに絶版だが、たまたま定価で売っていたし、三国志ファンの友人もいるので、そちらと遊ぶ用に確保した次第。

f:id:crystal0207:20220119110232j:image

とかくマルチプレイヤーズゲームになりがちな三国志ゲームだが、本作は、各勢力を劉備派、曹操派に二分して勝利を競うという2人用ゲーム。サブ勢力については、外交によって同盟にしたり、裏切らせたりという扱い。どちらかと言えば演義的なゲームで、イベントや武将の特殊能力など、ある意味マンガチックな部分もあるけれど、それはそれで楽しいし盛り上がるしね。

f:id:crystal0207:20220119110240j:image

「TACTICS 光秀戦記 明智十兵衛合戦次第」

f:id:crystal0207:20220509202027j:image

昨日から大阪に出張に来ているが、仕事は今日で終わり、夕方からなんばの古書店を巡ってきた。ついでにイエローサブマリンにも寄り、先日発売された新TACTICS「光秀戦記」を購入。付録ゲームは山崎(天王山)の合戦なので、だったら現地・大阪で買うのも面白いなと。ある意味、現地調達。なのでこの日記も、珍しく大阪のホテルから、持参したノートパソコンで書いている。

サブタイトルに「シミュレーションゲーム3in1セット」とあるように、今回発売された新TACTICSは、付録ゲーム3つに冊子が付く構成になっている。

f:id:crystal0207:20220509202035j:image

メイン付録とも言える「山崎決戦」は、その名の通り、明智光秀羽柴秀吉の合戦をゲーム化したもの。システムは、先手側移動・後手側射撃・先手側攻撃を繰り返す、この時代の会戦級としてはオーソドックスな流れ。シナリオは史実版、近年の仮説に基づいた遭遇戦版、光秀の理想版と3つあるので、いろいろ試せるかなと。

f:id:crystal0207:20220509202043j:image

第2付録「黒井城撤退戦」は「山崎合戦」と同じシステムで、丹波攻略中に波多野秀治の裏切りに遭った光秀が撤退する戦闘を扱っている。テーマはマイナーだし、自分もまったくその展開を知らないので、これは是非プレイしてみたい。第3付録「本能寺の変」は、打って変わって趣が変わり、エリア式に描かれた本能寺を攻め、信長本人の討ち取りを目指すもの。

f:id:crystal0207:20220509202049j:image

こちらは「山崎合戦」「黒井城撤退戦」のユニット。シンプルに戦闘力・移動力が記され、裏面は混乱面になっている。光秀軍、秀吉軍の武将はまあ分かるけれど、波多野秀治の配下の武将なんて全然知らないので興味深い。

f:id:crystal0207:20220509202056j:image

一方「本能寺の変」のユニットは、ちびキャラ的なイラストが描かれていて、これまた趣向が異なる。

f:id:crystal0207:20220509202102j:image

冊子内容は、ルールブック部分が大半を占め、それ以外は明智光秀本能寺の変丹波国衆について等、ヒストリカルノート的な部分と、福田誠氏のデザイナーズノート部分によって占められている。コマンドマガジンやゲームジャーナルのように連載記事があるわけではなく、あくまでも単発っぽい気もするし、まだまだ観測気球的な出版物なのかもしれない。それが特に悪いとも思わないし、購入者の反応を見ながら場当たり的に次号、次々号と出していく手もあるんじゃないかと。チャートが本誌に綴じ込まれていて使いにくいという意見もあったが、それも後々の反省材料にしてくれればいいのよ。

ちなみに自分の場合、ホビージャパンが1990年代初頭にウォーゲームから撤退したことについて、感情的な恨み辛みはまったく持っていない。あれは終わるべくして終わったブームであり、そこで撤退した判断も営利企業としてはまったく問題ないと思っている。正直、あの時期は海外製・国産ウォーゲームの供給も絶たれつつあり、継続するにしても無理が出ただろう。ホビージャパンの撤退をウォーゲーム衰退の戦犯のように見てしまうのは、単なる「原因を作り上げる(Make a Reason)」行為であり、それやるとマジで鬱になるから止めといた方がいいぞ。

【Grand Tactical Series】「Race for Bastogne」''Hold Your Position at All Costs'' Scenario Solo-Play AAR

f:id:crystal0207:20220504194427j:image

先週届いた「GTS:Race for Bastogne」のルールを超特急で翻訳。頼むから同じ月にBCS(Battalion Combat Series)とGTS(Grand Tactical Series)の新作出すとかやめてくれ(^_^;)

とりあえず連休中に味見をしておこうと、シナリオ3「Hold Your Position at All Costs」をソロプレイすることに。このシナリオは、ドイツ軍がアルデンヌ攻勢を開始し、アメリカ第28歩兵師団第110連隊が守るクレルヴォーを攻めるという、キャンペーン序盤を扱っている。かつてTCS(Tactical Combat Series)でも、同じ題材の「Bloody 110」という作品が発表されていた。

f:id:crystal0207:20220504194434j:image

シナリオは、アルデンヌ攻勢が開始される、1944年12月15日夜間ターンから始まる。こちらは、ドイツ第26国民擲弾兵師団の先遣部隊で、すでにウール川を渡り、ホージンゲン周辺に陣地を築いたアメリカ軍の前線に近づいている。

f:id:crystal0207:20220504194441j:image

その北では、ドイツ第2装甲師団の先遣隊、Cochen戦闘団が、やはりウール川をフェリーで渡河し、マールナッハからクレルヴォーへと連なる一級道路を打通せんとしている。ちなみにこのCochen戦闘団、本来は自動車化歩兵中隊で構成されているが、まだウール川を車輌が通れないため、渡河する前に東岸で輸送車輌を放棄し、徒歩部隊として西岸に渡ってきている。ただ、ドイツ軍側の地図盤東端から、川を越えて道路による経路が確保できれば、再び車輌を装備して、自動車化歩兵に戻れる。そのためこの部隊は、徒歩、自動車化、2種類のユニットが用意されている。

f:id:crystal0207:20220504201025j:image

一方、守るアメリカ軍第110歩兵連隊の一部には「活性化無し」マーカーが置かれている。こういった部隊は、史実に基づいたタイミングか、ドイツ軍が接近してきたタイミングで活性化を解除される。

この「GTS:Race for Bastogne」では、史実イベントが発生するターンでは必ず発生し、実際に降伏した第110歩兵連隊も、12月20日1500ターンをもってすべて除去される。また12月22日夜間ターンには、降伏を勧められた第101空挺師団が「Nuts !(ふざけるな!)」と返答し、部隊練度が1上がるなど、史実に沿うような展開に誘導されている。

f:id:crystal0207:20220504204736j:image

ではソロプレイ開始。まずは1944年12月15日夜間ターン。ドイツ軍は、第26国民擲弾兵師団活性化チットを最初にプレイするチットとして選択。そしていきなり派遣ポイント決定ダイスで0を振り(最良)、やる気を見せている。夜間のため移動は鈍いが(移動コストが倍)、第26国民擲弾兵師団の先遣隊は、アメリカ第110歩兵連隊の最前線、ホージンゲンへ接近した。夜間なので火力も2低下しているが、GTSの場合「どれほどダイス修整が不利でも10面体ダイスを振って0が出れば命中」なので、とにかく数撃ちゃ当たる式に、ホージンゲンの陣地を攻撃。運良く、間接砲撃で0が出て、アメリカ軍は1ステップロス。さらにドイツ軍は強襲をかけ、ここでも運良く0を出してアメリカ軍中隊を除去。早くもホージンゲンの街を奪った。

しかし北を進むはずの第2装甲師団チットは、最後までカップに残っていたため、この夜間ターンでは活性化できず、次ターンの最初のチットと相成った。

f:id:crystal0207:20220505093915j:image

明けて12月16日0700時ターン。史実の天候を採用しているので、天候は曇天、霧。視界は2ヘクスに制限され、移動コストが1増加。火力と強襲力は1低下している。

ドイツ第26国民擲弾兵師団は、またも派遣ポイント決定ダイスで0を振り、やる気満々。師団右翼の第77擲弾兵連隊(77.Gren)フォーメーション活性化チットを購入し、ホージンゲンの西に陣取るアメリカ軍工兵中隊に襲いかかった。ここでも間接砲撃が0命中を叩き出し、アメリカ軍工兵は一発でステップロス。その後は歩兵部隊が強襲をしかけて、この工兵中隊も除去した。

0900時ターンも霧。この天候状態では本格的な攻撃は難しいため、両軍ともあえてフォーメーション活性化チットを購入せず、自動的にカップに入れる師団チットだけで、戦線の調整に。GTSではままある、お休みターンというか、次の攻撃のお膳立てターン。第2装甲師団の工兵中隊は、アメリカ軍の間接砲撃に晒されながらも、クレルヴォーへ向かう一級道路に設置された地雷原を除去。第26国民擲弾兵師団も、後方の砲兵隊と連絡をつけている。

f:id:crystal0207:20220505115003j:image

1100時ターン。ようやく霧も晴れ、通常通りの移動、戦闘が可能に。ある意味、ここからが本番。ドイツ軍としては当然のようにフォーメーション活性化チットを購入して本格的な攻勢に移りたいが、いきなりランダムイベントで第26国民擲弾兵師団第39連隊の指揮官が死傷し、代理指揮官(指揮能力が低下する)に交替。そして指揮官が死傷したフォーメーションは、そのターン、フォーメーション活性化がキャンセルされるため、せっかく購入してカップに入れたチットが無駄に……。それでも第26国民擲弾兵師団は果敢に前進し、アメリカ軍と間接砲撃を撃ち込み合い、いかにもGTSな盤面になってきた。

またアメリカ軍は、後方で「活性化無し」とされていたM4シャーマン戦車中隊2個がその制限を解除され、前線へ到着している。こういった確定している史実イベントがいつどうなるかは、一応、プレイヤーの頭に入れておいた方がいいと思う。

f:id:crystal0207:20220505141634j:image

1300時ターンは、天候状態は良くなったものの、両軍とも派遣ポイントが枯渇し、フォーメーション活性化チットが購入できず、またも小康状態。

1500時ターンは、史実イベントとして、ウール川の2つの橋(DasburgとGemund)が開通。これにてドイツ軍は、自動車化/機械化部隊をウール川を越えて送り込めるようになった。またアメリカ軍は、ドイツ軍が接近していた砲兵集結地Aを解散して、後方に避退させた。しかしGTSも長年プレイしてきたが、敵が近づいてきたから砲兵集結地を解散するなんて局面は初めてだったので、あらためてどのタイミングで解散するのか、ルールを読み直してしまった。

f:id:crystal0207:20220505151639j:image

そしてこのターンも、ドイツ軍は派遣ポイントが枯渇し、フォーメーション活性化チットが購入できなかった。それでも第26国民擲弾兵師団は、指揮ポイントを使い切る形で、アメリカ軍迫撃砲陣地、歩兵陣地、M16自走対空砲へ強襲をかけ、そのすべてを除去した。12.7mm機関銃×4を装備したM16自走対空砲「ミート・チョッパー」に生身の歩兵が攻めかかるのは恐ろしいものがあったが、事前に迫撃砲でステップロスを与えた上での決行だった。

しかし失敗したのは、Gemundの橋近くの道路障害をまだ撤去していなかったこと。そのため、このターンの増援である2個フォーメーション(そのうち1つは教導装甲師団から増強部隊)が地図盤に入りきらなかった。ここは次回のプレイでは気をつけよう。

f:id:crystal0207:20220505151646j:image

第2装甲師団もマールナッハを占領。このターンの増援である、装甲車両を伴ったvon Bohm戦闘団もDasburgの橋を渡ってすでに前線に到達している。

そして西ヨーロッパの冬は日が落ちるのが早く、これにて日没。次は夜間ターンとなる。今回はあくまでシナリオの味見なので、ここでソロプレイを終えることにした。

とまあ、ここまでの展開は地味目だが、実質的なプレイ範囲はフルマップの半分程度なので、規模的にはプレイしやすい。今回は第26国民擲弾兵師団の派遣ポイントがやたらと増えたので、フォーメーション活性化チットを注ぎ込んで攻勢をかけられたが、平均的なプレイとしては、ここまで順調にはいかないかも。そして明日17日以降が第2装甲師団、教導装甲師団による突破戦闘になるので、そこまでプレイしたいなら、時間をかける必要があるし、夜間ターンから始まったり、フェリーを使ったりと、そのあたりのルールも最初から目を通す必要もある。

連休中に、もうひとつシナリオを味見できるかな?

【Battalion Combat Series】「Arracourt」Saga of The Panzer Brigades Solo-Play AAR Part.2

f:id:crystal0207:20220430094224j:image

昨日の続き。第3(1944年9月20日)ターン。天候はまた雨、視界2ヘクス、連合軍に航空支援なし。アメリカ軍は戦車2ステップ、歩兵1ステップの補充を得て、増援の2個歩兵大隊を第4機甲師団R戦闘団に配したものの、ドイツ軍は補充、増援一切無し。

それでもドイツ軍は先手を取り、第111装甲旅団によって再びリュネーヴィル奪取を試みた。しかしIV号戦車装備の第2111装甲大隊は、アメリカ第35機甲大隊との射撃戦(Engagement)に撃ち負け、歩兵大隊による攻撃も2ステップロスを喰らってしまった。ドイツ軍装甲旅団には支援砲兵が無いため、歩兵ユニットで攻撃する前に、戦車ユニットによる直接射撃(Attack By Fire)を行った方が効果的だが、それ結局、砲兵がやるべき仕事を戦車に肩代わりさせているわけで、だったら支援砲兵をつけてくれと。隣接する第15装甲擲弾兵師団、第21装甲師団から融通できる砲兵ポイントも無いので、どうしようもない。

f:id:crystal0207:20220430094233j:image

このドイツ軍の攻撃失敗を見て、アメリカ軍はようやく西で反撃に出た。今まで待機していた第4機甲師団A戦闘団を2回活性化。第113装甲旅団に対して先手を打って砲撃を撃ち込み、練度最強のシャーマン戦車ユニット3個を注ぎ込み、ドイツ軍のパンター、IV号戦車大隊、歩兵大隊を全滅させた。第113装甲旅団には、もはや工兵中隊しか残っておらず、この後、後方へ撤退した。

また東では、アメリカ第79歩兵師団が、やはり砲撃を駆使して、対岸に位置していたドイツ軍歩兵大隊を吹き飛ばし、渡河に成功。これがドイツ第21装甲師団の主要補給ルート(MSR)を遮断することになり、ドイツ軍はその対応に追われることになる。

f:id:crystal0207:20220430094245j:image

さらに西では、アメリカ第4機甲師団B戦闘団も活性化。ドイツ軍の固定守備隊に、ここでも砲撃、直接砲撃を浴びせて除去した。

f:id:crystal0207:20220430141125j:image

第4(9月21日ターン)、天候は霧、視界1ヘクス。やはりアメリカ軍には補充があったものの、ドイツ軍には補充無し。このターンで撤収するかもしれなかったアメリカ第6機甲師団B戦闘団も、ダイス判定に成功し、引き続き戦闘に参加することになった。

ドイツ第111装甲旅団のIV号戦車大隊は、残り1ステップながらも、リュネーヴィルのアメリカ機甲大隊に射撃戦を挑むと、これが功を奏し、アメリカ軍スタックは後退した。そう、歩兵だけで市街地を守っていれば、通常攻撃では1ステップロスと引き換えに踏みとどまれる場合もあるが、一緒にスタックしている戦車が射撃戦で後退させられると、歩兵まで後退させられてしまう。なので本来なら市街地に戦車ユニットを投入するのは△なのだが、アメリカ軍も人手が足りなかったから仕方ない。第111装甲旅団は、満身創痍ながらも再びリュネーヴィルを奪った。

側面からは、ドイツ第15装甲擲弾兵師団も攻めかかり、アメリカ軍工兵中隊を除去。リュネーヴィル市街に残る、アメリカ第3/320歩兵大隊を孤立状態に追い込んだ。

f:id:crystal0207:20220430141132j:image

これに対してアメリカ軍は、第6機甲師団B戦闘団を用いて、リュネーヴィルを解囲すべく攻撃開始。B戦闘団第69機甲大隊は、第15装甲擲弾兵師団の偵察大隊を射撃戦で追い払い、IV号駆逐戦車の支援を喪失(Dropped)させ、リュネーヴィルを包囲する歩兵大隊に砲撃、直接射撃を浴びせた。

また第113装甲旅団を撃滅した第4機甲師団A戦闘団は、いったん回復アクションを取った後、第2活性化で部隊の大半を東進させ、第15装甲擲弾兵師団の側面を攻撃した。

f:id:crystal0207:20220430145652j:image

このシナリオ最終の第5(9月22日)ターン。天候は霧、視界1ヘクス。ドイツ軍にはようやく戦車、歩兵の補充ポイントが来たため、リュネーヴィルに突入した部隊を回復させた。

しかしそれに対し、先手を取ったアメリカ軍は、第6機甲師団B戦闘団を活性化。砲撃を用いて、リュネーヴィルへ渡る橋を押さえていたドイツ軍歩兵大隊と、リュネーヴィル中心部の歩兵大隊を除去し、IV号戦車大隊も射撃戦で後退させた。

ドイツ第111装甲旅団は、空いたリュネーヴィル中心部へ、最後に残った工兵中隊を送り込み、なおこれを維持しようとしたが、次は第4機甲師団R戦闘団が活性化し、この工兵中隊を砲撃で吹き飛ばして歩兵大隊を前進させ、市の中心部を再び確保した。

東からは、アメリカ第79歩兵師団に加えて、このターン増援のフランス第2機甲師団、ディオ大佐の戦闘団が登場。すでに後退しつつあったドイツ第21装甲師団のユニットを各所で撃滅しつつ、前進した。

f:id:crystal0207:20220430145706j:image

結果、ドイツ軍の反撃作戦は頓挫し、2個装甲旅団はほぼ全滅。シナリオタイトルの英雄譚(サーガ)と言うほどの活躍はできなかった。

やはり装甲旅団の編成としては、支援砲兵が無く、射撃能力を持った偵察ユニットも無いため、歩兵による通常攻撃(Regular Attack)の際には、わざわざ戦車ユニットを使って直接射撃(Attack By Fire)をするのが難点(しなくてもいいが、した方が有利になる)。砲兵と偵察がいれば、そういった歩兵支援は任せて、戦車は敵戦車の対処に専念できるのだが。また歩兵大隊も、ステップ数が少ないため、一度攻撃に失敗する(攻撃側2ステップロスを被る)と、大隊が半壊し、継続的な攻撃が難しくなってくる。

その点、アメリカ軍タスクフォースともなると、戦車・機械化歩兵を混ぜた諸兵科連合ユニットとして表現され、戦車に対しては射撃戦、歩兵に対しては直接射撃か通常攻撃と選択肢があり、場合によっては自前で直接射撃をしてから通常攻撃も行えるという、便利ユニットになっている。ステップ数も多いので、一度の攻撃失敗でへこたれることもないし、打たれ強い。ただし射撃戦で負けると後退しなければならないので拠点防御には向かない。

とは言え、こういった部隊構成の短所・長所が実際に理解できるのがBCS(Battalion Combat Series)のイイところ。バルジ戦を扱った「BCS:Last Blitzkrieg」でも、他のゲームでは無双に表現されているパイパー戦闘団を、支援砲兵が少なく、指揮範囲が短い(情報収集・参謀能力の欠如)部隊として表現していたのが印象深い。「BCS:Blazen Chariots」でも、イギリス軍のジョック・コラム(砲兵と対戦車砲に支援された小規模の歩兵集団)が表現されていたが、そういった部隊構造にご興味のある方や、編成表を眺めてニヤニヤできるウォーゲーマーの方(私だよ)は是非是非。ウクライナ戦争でのロシア軍大隊戦術グループの特徴にしても、BCSレベルなら上手く表現できるかも?