Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【The Library of Napoleonic Battles】「Napoleon's End」

f:id:crystal0207:20240229174225j:image

プレオーダーしていたTLNB(The Library of Napoleonic Battles)シリーズの新作にして第15作「Napoleon's End (ナポレオンの終焉)」が到着。本作は第4作「La Patrie en Danger」と第9作「Napoleon's Retreats」に続く1814年国内戦役三部作の〆となる。

f:id:crystal0207:20240229175143j:image

時期的には、「6日間の栄光(6 Days of Glory)」と呼ばれる1814年2月10日~15日(「La Patrie en Danger」で扱っている)の戦闘で、ナポレオンがシュレージェン方面軍を破った直後の2月17日~18日から、3月20日~21日、3月25日における、パリ東南部での戦闘を扱っている。連合軍のパリ入城が3月31日、ナポレオンの退位が4月11日なので、まさに国内戦役の最終盤。

f:id:crystal0207:20240229174229j:image

時系列的に一番早い1814年2月17日~18日の、モルマン(Mormant)、モントロー(Montreau)の戦いは、フルマップ2枚を連結する。モルマンでは兵力的に劣るフランス軍だったが対仏同盟軍を撃退し、モントローでも勝利している。

f:id:crystal0207:20240229174232j:image

f:id:crystal0207:20240229174222j:image

続く3月20日~21日にかけてのアルスィ=シュル=オーブ(Arcis-sur-Aube)の戦いの初日は、対仏同盟軍7万以上、フランス軍18000程度という劣勢から始まり、翌日にはフランス軍も増援を得て強化されたものの、あえなく後退。こちらはフルマップ1枚に収まっている。

f:id:crystal0207:20240229174300j:image

f:id:crystal0207:20240229174253j:image

さらに最終盤の3月25日、フェール=シャンプノワーズ(Fere Champenoise)では、ナポレオンに合流しようとしていたマルモン、モルティエの両将軍が同盟軍に攻撃され、と同時に近くのバンヌ(Bannes)ではフランス軍の輜重隊も襲撃を受け、戦死・捕虜併せて1万近い損失を被ったという、フランス軍としてはトドメの一撃的な戦い。先日購入した「ナポレオンの時代の騎兵」でもこの戦いに触れていた。

f:id:crystal0207:20240229174305j:image

ちなみにこのフェール=シャンプノワーズの地図盤だけ、フルマップよりもう一回り長いサイズになっている。その西側で「La Patrie en Danger」のシャンポーベル(Champaubert)の地図盤と連結できるが、さらにモンミライユ(Monmirail)の地図盤も繋がるんだから、マップ3枚横長に連結するわけで、そんなもん我が家で広げられるはずもない。

f:id:crystal0207:20240229174250j:image

また国内戦役グランド・キャンペーンとして、時系列的に「La Patrie en Danger」「Napoleon's Retreats」「Napoleon's End」の各会戦を戦っていき、その損耗などを引き継いでいく……というシナリオも収録されている。もちろん時間もかかるだろうが、両軍ともに戦力がすり減っていく中で戦い続けるのは精神的にもキツそうなキャンペーンだなと。

f:id:crystal0207:20240229174257j:image

こちらがフランス軍ユニット。個々のユニット兵力も少なく、士気(イニシアチブ値)的にも低いユニットが見受けられ、大陸軍の末期戦という印象。ナポレオン御大の指揮能力は相変わらず高いが……

f:id:crystal0207:20240229174321j:image

こちらが対仏同盟軍。さすがにロシア軍、オーストリア軍ユニットは頼もしいが、兵力は多いものの軍司令官能力の無いババリア軍(ダイス判定で成功しないと動けない)もあったり。

f:id:crystal0207:20240229174325j:image

基本ルールは引き続きver7.36……そうそう、このBlogでは書いていなかったけれど、実は昨年末にこのver7.36を日本語に翻訳したのだ。公開されている公式和訳がv6.7と、だいぶ古いバージョンだったので。一応、ver7.36では砲兵の扱いがだいぶ異なり、戦闘フェイズ中に防御側の反応射撃フェイズが挿入され、砲撃結果表も変更されている。なので近いうちに、最新ルールで何かTLNBをプレイしたいとも思っている。国内戦役は揃ったけれど、また別のタイトルで何か……

Now Available for Pre-Order – Operational Studies Group

ちなみにTLNBシリーズの次作は、1813年の解放(諸国民)戦争から、ドレスデン会戦などを収録した「Napoleon's Counterattack」だそうで。来年2月発売予定。