ヤフオクにてOSG「The Habit of Victory」(2014年発売)を競合無しで落札。ナポレオン戦争の戦役級シリーズ、Campaign of Napoleon(CoN)の一作で、1806~1807年のポーランド戦役全体を包括している。先日、バタイユのフリートラント会戦を入手したので、だったらこれも手元に置いておくかと。
このテーマでCoNシステムと言えば、かつてClash of Arms社からも「1807:Eagles Turn East」(1994年)が発売されていて、自分も所有していたが、そちらは基本的な「Napoleon at Bay」と同じく、1ヘクス=3.2Km、1戦力=1000人、1ターン=2日というオーソドックスな「CoN x1」システムだったが、さすがにポーランドは広く、フルマップ3枚という大作だった。結局、自分も手が出せないまま「1807:Eagles Turn East」は手放してしまったが、やはりスケール的にデカ過ぎるとKevin Zacker師匠も悟ったのか、この「The Habit of Victory」では、1ヘクス=6km、1戦力=3000人、1ターン=3日という「CoN x2」システムに変更されている。
スケールが変更されたため、戦場はフルマップ1枚に収まっている。地図盤の最南端にはワルシャワが、北西端にはダンツィヒが位置している。
決戦場となったアイラウ(Preubisch Eylau)と、次の決戦場フリートラント(Friedland)は5ヘクスしか離れていない。さらに北の河口にはケーニヒスベルグも見える。
カウンターシートは1枚。本作から、CoNシリーズのカウンターデザインにもMark Simonitch氏が起用され、非常に見やすい作りになっている。今回もこのカウンターデザインが欲しくて入手したのだが……おっと!カウンターが表裏、逆に抜かれているじゃないか。ヤフオクの掲載写真は通常通り、表抜きだったので、その点については出品者に一言連絡はしたが、すでに絶版品なので替えもないだろうし仕方ない。ゲーム的にも、どうせユニットは裏返されて盤上を移動するのだし、どちらが表でも裏でも関係ないと言えば関係ないのだけれど。まあ、そのうち再版されるのを待とう(^_^;)
しかしさすが大陸軍の黄金期。フランス軍の指揮官カウンターを見ると、ナポレオン御大はもちろん、ダヴー、スルト、ランヌ、マッセナ、ミュラ、ネイ、ランヌ等、まさにきら星の如く将星たちが並んでいる。いやベルナドットやオージュローもいるけれど、それが色あせて見えるほど、という意味。
対するプロイセン=ロシア連合軍は、ベニグセンが御大に並ぶほどの高評価。ブクスホーデン、バルクライ、バグラチオンという面々も決して大陸軍にひけは取っていない。
こちらが編成表。それぞれの指揮ボックスに師団ユニットを置き、今現在、何戦力なのかを記録、管理する。これも肖像画があると無いとでは全然雰囲気が違う。新OSG版の「Napoleon at Bay」は肖像画が無いバージョンなのでちと残念(なぜかアバロンヒル版の肖像画入り編成表の画像がダウンロードできるようになっている)。
Napoleon at Bay Expansion Kit – Operational Studies Group
基本的にCoNシステムでは、各国の部隊は、その戦力と移動した距離によって、戦力を損耗する(落伍する)ことになる。長距離を移動すればそれだけ多くの落伍兵が出るし、近距離だけなら損耗は少ないが決戦に間に合わないこともある。また大部隊は、戦力的に頼りになるが損耗しやすく、小部隊は損耗しにくいが戦力的には頼りにならない、という軍管理のジレンマが表現されている。
両軍それぞれに用意された移動命令デッキには、それぞれ戦力と損耗度が書かれているが、出したカードの枚数に応じて、損耗しにくくなっている。つまり、大兵力を損耗させずに長距離行軍させたければ、毎ターン獲得できるこのカードをある程度貯めておいて、まとめて使う、ということなのだろう。ただ、それが上手く機能しているのかどうかは、試したことが無いので未知数……
ちなみに今回の出品には翻訳ルールも付いていて、画像入りのカード訳も付いていた。日本各地には、こうして地道に翻訳作業をしているウォーゲーマーがあちこちにいるんだろうなあ……
しかしそもそも、本作をプレイするよりも、まず改訂版になった「Napoleon at Bay」(+Expansion Kit)をプレイした方がいいんじゃないかとも思う。ルールも変わったようだし、そちらも翻訳しないとなあ……