Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【La Bataille Series】Marshal Enterprises「La Bataille de Friedland 1807」(+La Bataille de Danzig 1807)

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i-OGM(インターネット・オンライン・ゲームマーケット)さんの中古コーナーから、Marshal Enterprises版の「La Bataille de Friedland 1807」(2014年発売)を購入した。いや、前々からこれがあることは知っていたのよ。なので昨年6月に仕事で岡山に行った際、実店舗である「ボードウォーク岡山」さんに行って買おうと思ったら、倉庫の方にあってお店には無いと言われ、うーん、じゃあいずれオンラインで買うかと思いつつそれから1年4ヶ月。いまだに売れずに残っていたので、ようやく注文してみた。

本作は、いわずと知れたナポレオン戦争の戦術級バタイユ・シリーズで、1807年のフリートラント会戦を扱うもの。オマケとしてダンツィヒ会戦も付いている。近年のマーシャル版バタイユは、限定400個のみ生産ということで中古価格が高騰し、本作も海外中古ゲームサイト「Noble Knight Games」では1個16~17万円するという、それウォーゲームの値段じゃないだろみたいな価格で売られている。今回は税込19800円で入手したので、まあ穏当かと。しかしこの新品中古品、日本人の誰かが個人で買って、売り払ったのだろうか。Marshalから直接購入するようなマニア、日本にいったい何人いるんだか……

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肝心のフリートラント会戦は、マップ4枚。昔ながらのシンプルな地図盤。

この会戦の前に、アイラウにてフランス軍プロイセン=ロシア連合軍が吹雪の中で戦い、フランス軍が大損害を被ったものの、ロシア側が情勢判断を誤って撤退した。それから4ヶ月後、フリートラントにいたフランス軍ランヌ元帥の軍団が孤立していると見たロシア軍は、これを攻撃。しかしランヌ元帥はこの攻撃によく耐え、後から来援したナポレオン本隊によってロシア軍は壊滅した……という戦い。

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ダンツィヒ戦は、マップ1枚のみ。こちらは、フランス軍のルフェーブル元帥率いる第10軍団による攻囲戦で、ヴィスワ河の河口近くには、ヴァイクセルミュンデ(Weichselmunde)要塞も描かれている。

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カウンターシートは全7枚。こちらは、フリートラント会戦用のフランス軍。こちらも、いつものように当時の軍服を模した美麗な作り。裏面の数値も読みやすいフォント(昔の筆記体はやめてくれ)。

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こちらはフリートラント会戦用のロシア軍。

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ダンツィヒ戦は、両軍のカウンターがシート一枚にまとめられている。地図盤も1枚で済むので、規模的にはバタイユ練習用に良さそうだが、展開的にはどうなんだろうか。ちなみに史実で、ダンツィヒに弾薬を運び込もうとしたが失敗し、結局、岸に乗り上げてフランス軍を砲撃したという英国軍艦ドーントレス号のカウンターも付いている。

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ルール等は、CD-ROM収録。くねくねと連なるオレンジ色のボックスは、ダンツィヒの消耗プロセスを表すトラック。

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もちろんCD-ROMに収録されているのは、Marshal版のプレミア・ルールだが、バタイユ公式サイトには、30周年版ルール(チット引きでフォーメーション毎に活性化)と、マリー・ルイーズ・ルール(全軍一斉に活性化)も用意されている。まあ、まだ自分も全然バタイユ・システムには慣れていないので、少しずつちまちまと進められる30周年版で触れたいなとは思う(ただし時間がかかる)。

ちなみに、フリートラント会戦に先立つアイラウ会戦だが、どうやらClash of Arms社の方で「la Bataille de Preussich-Eylau」第2版を売り出すようで、すでにConsimworldのCoA板で、カバーアートだけが公開されていた。自分も以前、CoA社の「Eylau」初版を所有していたが、カウンターがぺらっぺらに薄く、非常に扱いづらかったので、早々に手放してしまった。今現在のCoAクオリティなら、ちゃんとした製品として出してくれそうなので、こちらも期待している。それより前にCoAは「Wavre」の第2版を出すようだが……

https://www.clashofarms.com/files/Wavre%202023%20Ad.pdf