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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【La Bataille Series】Clash of Arms「La Bataille de Ligny (2nd Edition)」

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「La Bataille des Quatre Bras」と一緒に「La Bataille de Ligny」第2版も購入。こちらも「Quatre Bras」と同日に行われた、ワーテルロー会戦の前哨戦である、リニー会戦を扱ったバタイユ・シリーズの一作。初版は1991年に発売され、2016年に第2版が発売。現在企画中の「La Bataille de Mont saint Jean」第2版発売に向けて、ゆっくりと、しかし確実にシリーズの地固めが進んでいるようにも感じる。

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地図盤は4枚。「Quatre Bras」の地図盤と繋がるようになっているが、どちらかの「枠」をカットしないとヘクスは重ねられない。しかしMarshal Enterprises版のバタイユの地図盤は簡素なグラフィックだが、CoA版はシンプルな戦場を一応、見栄え良く表現しようとしていて、こちらの方が好み。

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カウンターシートは4.5枚。もちろんCoA版バタイユ・シリーズとして、フランス軍プロシア軍の軍服を模した美麗なユニットになっている。特にフランス皇帝親衛隊のダークブルー+金色のユニットは頼もしく感じる。また「La Bataille de Dresde」の訂正カウンターもあり。

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「Quatre Bras」に比べると、参加兵力も多いため、編成表もずらずらと長いものに。

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そして添付されているルールは、第5版の共通ルールと「Ligny」の専用ルールである。この第5版というルールは、1990年代に発表された第3版ルールに、マリー・ルイーズ版の指揮ルールを合体させたという、妙な構造になっている。

マリー・ルイーズ版の指揮ルールは、両軍のチット(MU:Maneuver Unit)をカップに入れて、引かれたチットの側が一斉に行動するというもの。多人数プレイの場合、フランス軍なり、プロシア軍なり、その軍を担当しているプレイヤーたちが一斉にユニットを動かせるので待ち時間は少ない。これが30周年版の指揮ルールだと、引かれたチット(MU)に属する軍団なり師団なりだけが行動するため、他のプレイヤーはその手番を待つ必要がある。また基本ルールとしても、第3版は、30周年版ルールほど詳細ではないので、ルール量としては扱いやすいかもしれない。この第5版ルールは、2015年発売の「La Bataille de Dresde」から添付されたそうなので、大規模なバタイユ・ゲームをプレイする用のルールなのかもしれない。

とは言っても、すでにCoA版の共通ルールとして30周年版ルールがあるのだから、それでプレイしたい人もいるはず。そんな人向けに、やはりバタイユ公式サイトで、30周年版/マリー・ルイーズ版特別ルールが公開されている。

http://labataille.us/titles/ligny.shtml

良く言えば、プレイ状況と好みに合わせてルールを選べるとも言えるが、まあ、このように複数のルールが並立しているあたり、バタイユ・シリーズのとっつきにくさに繋がっていると思う。自分も最初は、どのルールを選べばいいのか全然わからなかったし、どういう違いがあるのかもわからなかった。自分はもう、いちいち作品によってルールを切り替えるよりかは、30周年ルールでいいかなと。30周年版は30周年版で、詳細かつ面倒なのだが、似たような複数のルールを管理するのもしんどいので……