ナポレオン戦争の戦術級シリーズ「La Bataille de Dresde」(2015年発売)を購入。本作は、1813 年8月のドレスデン会戦を扱い、サブタイトルに「The Battle of Five Crowns」とあるが、これはナポレオンI世(フランス)、アウグストI世(ザクセン)、アレクサンドルI世(ロシア)、ウィルヘルムIII世(プロシア)、フランツI世(オーストリア)という5人の皇帝・国王が関与していたため。史実としては、対仏連合軍が兵力で圧倒していたものの、その攻撃は撃退され、暴風雨の中、ミュラ率いるフランス軍騎兵部隊がオーストリア軍に反撃し、大打撃を与えた……という流れ。
地図盤はフルマップ4枚。
ドレスデン中央には星形要塞が位置し、その中にはツヴィンガー宮殿も描かれている。外縁部には大庭園(グローサー・ガルテン)も広がり、美しいジオラマ的な地図になっている。New England Simulationsから発売されていた「The Battle for Dresden 1813」の地図盤も美麗だったが、詳細さという意味では、さすがCoAバタイユだなと。
もちろん近年のCoA バタイユ作品として、軍服を模したユニット・カウンターも圧巻。
フルカラーの編成表は3枚。それぞれ5人の皇帝陛下、国王陛下のご尊顔が描かれている。
さて懸案のルールブックだが、せっかく共用の30周年版ルール(Regulation of the Year XXX)があるのに、本作ではわざわざ、1990年代に発表されたバタイユ第3版ルールに、マリー・ルイーズの指揮ルール(チットを引かれた側が一斉に活性化する)を合体させた、ドレスデン専用基本ルール(後に第5版と呼ばれる)が添付されている。どうやらドレスデン会戦のような大規模戦闘では、軍団・師団毎に活性化させる30周年版ルールではプレイヤーの待ち時間が長くなると懸念され、全軍一斉に活性化させるルールにしたかったらしい。先日購入した「La Bataille de Ligny」にも、この第5版ルールが添付されている。
http://labataille.us/titles/dresde.shtml
一応、バタイユ公式サイトでは、本作用の30周年版/マリー・ルイーズ版ルールも公開されているので、そちらのルールでもプレイはできる。自分もプレイするなら30周年版だと思っているが、なにせ大会戦なので、着手できるんだかどうだか。一応、マップ1~2枚だけを使用するシナリオも用意されているので、それならなんとかなるかも。ミュラの騎兵突撃シナリオも、地図盤2枚シナリオとして用意されているので、できればいつか触れてみたい。