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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【The Library of Napoleonic Battles】「Napoleon's Resurgence」The Battle of Lutzen : Day of Battle Solo-Play AAR

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本日は、昨年購入したThe Library of Napoleonic Battles(TLNB)シリーズの「Napoleon' s Resurgence」から、リュッツェン会戦(決戦当日)シナリオをソロプレイしてみた。1813年5月2日の戦いなので、210周年には間に合わなかったが、ナポレオン御本人の命日(5月5日)なので、まあいいか。

このリュッツェン会戦は1813年の解放戦争最初の大会戦で、シナリオのサブタイトルは「4つの村を巡る苦戦」になっている。兵力に勝るプロシア=ロシア連合軍は、最初にグロースゲルシェンなど「4つの村」を占領したものの、会戦後半になるにつれてその村々をフランス軍に奪還され、最終的にフランス親衛隊の攻撃で連合軍が撤退することになる。プロイセン軍ブリュッヒャー大将も負傷して戦線を離脱し、兵站総監(参謀総長)を務めていたシャルンホルスト中将もここでの戦傷が元で死去している。しかし損失兵力は、フランス軍2万、連合軍1万2千と、消耗戦的にはフランス軍も痛手を負い、騎兵戦力の不足によって追撃も行えなかったという意味では、痛み分けのような結末になっている。一応、戦術級バタイユ・シリーズの「La Bataille de Lutzen」も所有しているので、そこへ行く前に、まずは大まかなTLNBに触れておきたいなと。

戦場の両翼には川が流れており、両軍どちらも側面攻撃がやりにくく、基本的には正面から殴り合うことになるかなと。決戦当日シナリオは、1813年5月2日午後12時ターンに始まる。すでにフランス軍前衛の第3軍団第8師団は「4つの村」に配置されているが、軍団長ネイはまだ後方にいる。フランス軍後方の道路に沿って、マルモン率いる第6軍団が戦場に駆けつけ、さらにその後方にはモルティエ率いる親衛軍団、親衛騎兵軍団が控えている。対する連合軍は、すでに配置を終え、準備面から言っても、兵力的にも、たしかに連合軍有利なスタートだなと。

さて、第1ターン(1813年5月2日12:00)開始。先手・対仏連合軍は、フランス第8師団が守る「4つの村」へ攻撃開始。一部、フランス軍砲兵による反応射撃によって制圧(戦闘フェイズ中のみの混乱)を被ったスタックもあったが、右翼の2カ所で攻撃に成功し、グロースゲルシェン村などへ突入した。しかし正面、ブリュッヒャー御大直率のラーナ(Rahna)村への攻撃が失敗し、2ヘクス後退となった。

第1ターン裏のフランス軍は、マルモンの第6軍団が行軍命令を受けているものとし、指揮下には無いものの、戦場へ急行中。そして同じく指揮下には無い前線の第3軍団だが、自力活性化に成功し、連合軍に逆襲。特に第8師団シュミノー(Chemineau)旅団は、戦力比1:2ながらも、グロースゲルシェン村を奪ったプロイセン軍アルフェンスレーベン(Alvensleben)旅団を村から叩き出し、これを奪回した。

第2ターン(13:00)、先手・対仏連合軍は再度「4つの村」に攻撃をかけ、グロースゲルシェン、ラーナ村を奪取。対するフランス軍は、マルモン率いる第6軍団が到着したものの、ロシア軍の砲兵射撃によって後退させられ、第3軍団も「4つの村」から後退している。しかしその後方には、第3軍団長ネイに続き、増援の第3軍団第39師団、ウジェーヌとマクドナルド率いる第11軍団も登場している。

第3ターン(14:00)、対仏連合軍は、左翼ロシア軍の猛砲撃によってシュタージーデル(Starsiedel)村を奪取。これに対してフランス軍は、近衛軍団、近衛騎兵軍団、第6軍団が軒並み活性化チェックにしくじり、反撃できず。それでもフランス軍左翼では、ようやく指揮能力を持ったネイが第3軍団に合流。プロイセン軍先鋒を追い返した。後方には、すでにナポレオン御大も登場し、他の部隊と共に道路行軍中。

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第4ターン(15:00)。対仏連合軍は、右翼のロシア第1軍団を渡河させ、フランス軍側面に向かわせた。正面では一進一退の攻防が続いているが、中央のロシア第5軍団の砲撃力が凄まじく、フランス軍を近寄らせない勢い。対するフランス軍は、ようやく後方のリュッツェンの街にナポレオン御大が到着したものの、引き続き親衛軍団、親衛騎兵軍団が活性化にしくじり、効果的な反撃が行えていない。

第5ターン(16:00)。対仏連合軍は、右翼からロシア第1軍団スタックを渡河してフランス軍側面に突っ込ませ、ネイ直率の第11師団の退路を断ち、3スタックがかりでこれを攻撃。見事これを除去したが、ネイは後方に避退した。一方、シュタージーデル村では逆に押し返されているが、両軍とも砲撃によってじわじわ戦力が削られつつある。

第5ターン裏のフランス軍は、ようやくナポレオン御大が親衛軍団と合流。これでやっと親衛軍団を動かせる。しかし前線では、砲撃をくらったスタックが続々と後退し、右翼の第10師団だけが突出した形になっている。

第6ターン(17:00)、対仏連合軍は戦線を押し上げるも、決定打は与えられず。そしてフランス軍は、ようやくナポレオンの指揮能力によって親衛軍団が起動。モルティエに率いられた老親衛隊師団、若年親衛隊師団スタックが、戦線中央、シュタージーデル村へ攻撃をかけた。守るロシア軍の反応砲撃も凄まじく、両師団ともステップロスを喰らってしまったが、なんとか戦闘には勝利し、若年親衛隊師団が村へ突入した。一方、ネイの第3軍団も、プロイセン軍先鋒として暴れ回っていたアルフェンスレーベン旅団(10戦力)をようやくステップロスさせ、連合軍の切っ先を鈍らせた。

第7ターン(18:00)、対仏連合軍はシュタージーデル村を取り返すべく、5スタックがかりでフランス親衛軍団に攻めかかったが、反応砲撃で1スタックが後退させられた後、戦闘でも残り4スタックが後退するハメに……さすが親衛軍団、バリアーでも張っているのかお前ら。連合軍は右翼でも後退し、さあここからフランス軍の反撃……といきたいところだが、あいにく次ターンで日没、夜間ターンとなってしまう。フランス軍としても損失が多く、また各軍団長が前線に出ずっぱりだったため再編成も行えていない(除去されたユニットを軍団長の周囲に復帰させる、敵ZOCにいては行えない)ため、今回のソロプレイはここまでとした。

一応、連合軍は「4つの村」をすべて奪って20勝利得点。フランス軍はシュタージーデル村を確保して5点。戦力損失は、フランス軍53、連合軍24、その差29で連合軍側に5勝利得点と、フランス軍が痛手を被って戦略的敗北となった。今回はイベントカードを使わなかったので、その方が史実に近い結果になるのかなと。次はこの戦いに続く、バウツェン会戦あたり試してみたい。