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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Eagle of France】「Fallen Eagles II : Waterloo 1815」The Battle of Mont-Saint-Jean Solo-Play AAR

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引き続き「Fallen Eagles II : Waterloo 1815」をソロプレイ。すでに練習シナリオ1、2は終わったので、いよいよ本戦シナリオ「The Battle of Mont-Saint-Jean」に挑戦。もちろん、ワーテルロー会戦をフルに扱うシナリオである。

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一応、自由配置ルールもあるが、今回は最初のプレイだし、史実通りに配置してみた。ソロプレイなので隠匿ルールも省略。いや本当はこの隠匿プレイがなかなか過激で、最初は戦闘ユニットを配置せず、ダミー含めた指揮官カウンターだけが盤上を動き回り、実際の指揮官が暴露されてから戦闘ユニットを配置する……というもの。まあ、「戦場の霧」をシミュレートするという意味では正しいが、自分の場合、最初からこのようにズラッと戦闘ユニットが並んだ状態でぶつかり合う光景が見たいので、たぶんやらないかな。しかしTLNB(The Library of Napoleonic Battles)シリーズもそうだけど、ナポレオン系はそういった面倒な隠匿ルールが好きだねえ。一応、選択ルール24.0の「ユニットの向き」は採用。戦術カードは使用するけれど、選択ルールの戦略カードは省略と。

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こちらは命令チャート。フランス軍は、まず親衛軍団が自動的に「防御命令」を受けていて、さらに予備に控える第6軍団、第3、第4騎兵軍団は「命令無し」とする。前線中央の第1軍団にはラ・エイ・サンテ農場を目指す「地点目標命令」が与えられ、左翼の第2軍団はウーグモン城館を目指すことにした。

いや、先日プレイした際にも拠点攻撃が面倒なことはわかったし、プレイヤーズノートにもそういった拠点は包囲するに留めた方がいいとは書いてあったけど、自分の場合、すぐにゲーム的な最適解を目指したり、歴史的なIf(もしも)を試すより、まずは史実通りに拠点を攻めてフランス軍がヒドイ目に遭うかどうか確かめたい。対する連合軍は、歩兵フォーメーションは「防御命令」、騎兵フォーメーションは「命令無し」とした。

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戦術カードは、フランス軍が「ダイス振り直し」「指揮官の救済処置」「命令を2変更」「3スタックが無条件に回復」「孤立した敵スタックの除去」「騎兵による奇襲(緊急防御チェック無し)」を選択。対する連合軍は「3回目の活性化可能」「退却による除去の無視」「4フォーメーションの砲兵同時活性化」「硝煙(防御ダイス修正+2)」「防御射撃が有利に-1」「偵察」を選んだ。ただしこの戦術カードは、いったん使っても捨て札にはならず、相手方の手札になってしまうので、あえて使用せず、相手にも渡さない、ということにもなりそうだ。

さて最初の11:00ターン。地表は泥濘状態なので、移動力-1、隣接以外の砲撃判定も不利に+1。先手を取ったフランス軍は、命令通り、左翼の第2軍団をウーグモン城館へ、右翼の第1軍団をラ・エイ・サンテ農場へと向かわせる。第2軍団の先鋒部隊は、早くもウーグモンの果樹園に潜むネーデルラント兵と白兵戦になったが、相手は退かず。また後方からは、親衛軍団の砲兵部隊だけが前線に向かって移動を開始した(親衛歩兵と親衛騎兵は、時間的に移動許可が出ていない)。対する連合軍も微妙に配置位置を変えているが、まだこのターンは静かなものだ。

12:00ターン。フランス軍右翼第1軍団は、高台に砲兵を上げて、連合軍と撃ち合いを始めた。ラ・エイ・サンテ農場に向かうよう命令されている歩兵師団群は、まだ稜線の手前に隠れて、準備砲撃の効果が出るの待っている(地点目標から遠ざかる移動は禁止だが、停止するのは可)。この準備砲撃にゆっくり時間をかければいいのだろうが、それぞれのフォーメーションが活性化を終えるたびにターン終了チェックが行われるため、各フォーメーションが2回の活性化をやりきらないうちにターンが終わり、時間が進んでしまう(そしてプロイセン軍の増援が来てしまう)可能性もある。実際この12:00ターン、第1軍団は活性化を1回しただけでターン終了となった。

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同じ12:00ターン、左翼のフランス第2軍団は、2回の活性化でウーグモン城館にも2度、白兵戦を仕掛けたが、立て籠もるイギリス軍はノーダメージ。果樹園を守っていたネーデルランド連隊は除去したものの、道連れとばかりに2ステップロスを被り、早くも消耗しつつある。

13:00ターン。先手フランス軍は、左翼第2軍団から活性化。ウーグモン城館に対して4スタックがかりで白兵戦に挑んだ。しかし隣接ヘクスからの防御射撃によって、1スタックがステップロスしたうえ、練度チェックに大幅にしくじり敗走することに。ここでフランス軍は戦術カード「ダイス振り直し」を使い、再び練度チェックを行ったが、これまたダイス目が悪くて結局、敗走。結局3スタックがかりの攻撃となったが、これも逆に練度チェックを喰らい、さらにもう1スタックが敗走した。

続いて、これと相対するイギリス第1師団が活性化し、砲撃と白兵戦によってさらにフランス第2軍団の1スタックを敗走させた。

フランス第2軍団は、次の2回目の活性化を回復期間とし、敗走3スタック中、2スタックの回復に成功した。しかしこの活性化では、攻撃も移動もできないため、ウーグモン攻略の手も止まったことになる。後から考えたら、ここで戦術カード「3スタックが無条件に回復」を使っても良かったかも。

一方、右翼のフランス第1軍団は、3スタックがかりでラ・エイ・サンテ農場に立て籠もるイギリス軍を除去。見事これを占拠した。しかし稜線を越えた他の部隊は、モン・サン・ジャン高地からの砲撃を浴び、次々にステップロス&敗走。

14:00ターン。このターンからプロイセン軍の増援が登場する。

先手フランス軍は、第1軍団の目標地点をモン・サン・ジャン高地に変更し、高台目指して攻め上ったが、イギリス軍の凄まじい防御砲撃&射撃を浴び、続々と後退。さらにイギリス第5師団からの反撃も喰らい、一時は敗走スタックが5個にもなるという有様。仕方なく第1軍団は、二度目の活性化を回復に用い、5個敗走スタックをすべて回復させたが、すでに戦力は半減している。

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フランス軍の右翼、第2軍団はステップロスした連隊に代わって後続の部隊を注ぎ込み、イギリス軍の防御射撃にもめげず、4スタックがかりでウーグモン城館を二度攻撃したものの、結果はイギリス軍の練度チェックのみ、そしてそれに成功と、まったく進展が無い。

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一応、フランス軍は、疲弊した第1・第2軍団の真ん中に、親衛砲兵部隊と、第6軍団を前進させつつある。後はこの部隊で中央突破といきたいが、ここまでの戦況を見ても、なかなか厳しいだろうなと。またフランス軍両翼には、いまだに第3・第4騎兵軍団が温存されているが、こうまで前線が不利だと、むしろイギリス軍騎兵部隊による側面攻撃に備えて取っておくか……という感じ。そして画像右上には、このターンから盤面に進入してきたプロイセン軍の姿が…

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本来は、まだまだこの先もソロプレイをする予定だったが、ここまでの4ターンで、なんとなく感触は掴めたので、今回はここでお開きとした。なにしろ全体的なゲームも、命令ルールを使うのも初めてだったので、今回は味見だけでいいやと。

その味見的な感想で言うと、テンポ良く進められる、遊びやすいシステムだなと。命令ルールは、どの命令が何ができて、何をしてはいけないのかという確認に手間取ったが、慣れてしまえば機能的だし、目標地点も細かく設定されているので、あまり悩まずに、少しずつフォーメーションを動かすことができた。

ただ、フランス軍で勝とうとなると、たしかにウーグモン城館は面倒過ぎるし、迂回した方が良いのだろうけど、と言って真っ直ぐモン・サン・ジャン高地に向かっても大丈夫なのか?とも思ったり。十分な準備砲撃でイギリス軍を弱らせようと思っても、ターンがあっさり終わって、どんどん時間が過ぎてプロイセン軍が来るやもしれず。そういう意味では、ターンがいつ終わるかわからないのも面白かった。

イギリス軍としても、実は最初の配置では密集し過ぎていて、前線のスタックがどれか敗走したら、後続のスタックを踏んで連鎖敗走するんじゃないの?とも思ったので、もう少し布陣を整備しながら防戦した方が良いんだろうなあと。

 

じゃあ次は、同じくナポレオン会戦級の「Eylau 1807」の味見へ……