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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Grand Tactical Series】「Race for Bastogne」To Bastogne and Beyond Solo-Play AAR Part.1

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今年4月に購入した、作戦戦術級シリーズGTS(Grand Tactical Series)「Race for Bastogne」から「To Bastogne and Beyond」シナリオをソロプレイすることに。なにしろ舞台は1944年12月、冬のアルデンヌ戦線。ゲーム自体は春に到着したが、暖かい時期にやる気分ではなかったので、あえてこの冬までプレイを先送りにしてみた。雰囲気的には(これ大事)、まさに寒いクリスマス時期にソロプレイするのが絶好のタイミングかなと。

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シナリオ開始は、1944年12月19日0700時ターン。すでに16日からドイツ軍の攻勢が始まっており、ドイツ第47装甲軍団に属する第2装甲師団、教導装甲師団、第26国民擲弾兵師団は前線を突破し、次なる目標バストーニュの街に向かっている。しかし街にはすでにアメリカ軍の増援部隊、第101空挺師団が到着しつつあり、前線から後退してきた第10機甲師団B戦闘団(CCB)と共に守りに就いている。言うなればこれ「Race for Bastogne」のメインシナリオとも言える。

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こちらは南側を進む教導装甲師団と第26国民擲弾兵師団。V号パンター戦車中隊を先頭に押し立て、すでにバストーニュの街まで10ヘクス=5kmに近づいている。ここまで押し込んでいながら、史実ではバストーニュを落とせなかったなんて嘘だろと思うような状況。

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北を進む第2装甲師団は(教導装甲師団もだが)、バストーニュに向かうのではなく、西の地図盤端から突破するよう命じられている。目的地は遙かアントワープなのだ。

シナリオとしては、バストーニュの奪取(勝利点1)と、2個装甲師団の突破(師団毎に勝利点1)によってドイツ軍の勝利となる。アメリカ軍としては、それを阻止して勝利点1に抑えれば勝利し、2点止まりでも引き分けに持ち込める。

ではソロプレイ開始。1944年12月19日0700時ターンの天候は、史実を採用して「霧」のため、視界は2ヘクスのみ。各ヘクスの移動コストは+1となる。両軍とも前線に向かって移動開始。すでに2ヘクス以内で対峙している地域では、散発的に砲撃も行われているが、ここはあくまで準備段階。ドイツ第26国民擲弾兵師団も、このターンは師団チットがカップに入れられていないのでほぼ動けない。

0900時ターンから天候は快晴。ご覧の通り、まさに「Race for Bastogne」。両軍がマップ中央のバストーニュめがけて前進しつつある。増援のアメリカ第101空挺師団も、強行軍を用いて前線へ駆けつけている。霧も晴れ、両軍ともLOS(視認線)が通るようになり、ここからいよいよ本格的戦闘だが、ドイツ軍も派遣(Dispatch)ポイントが少なく、まだフォーメーションチットは購入せず、師団チットのみで間合いを詰めていく。しかしバストーニュ前面では、装甲教導師団のパンター戦車中隊が、アメリカ軍のM16スカイクリーナー自走対空砲中隊を吹き飛ばし気勢を上げていた。

続く1100時ターン。ドイツ教導装甲師団は、第901戦闘団を突破させるため、その前進路に射撃ゾーンを及ぼしているアメリカ軍M4シャーマン中隊に、IV号駆逐戦車、IV号戦車中隊を肉薄させ、射撃ゾーンを1ヘクスに減少(目の前のヘクスに敵ユニットがいるとそれ以上先のヘクスを射撃できない)。その隙に第901戦闘団を西に向かわせた。目指せアントワープ

一方、バストーニュ正面では、両軍の阻止砲撃が炸裂。教導装甲師団は、なかなか派遣ポイントが溜まらず、戦闘可能なフォーメーションチット無しのまま、指揮ポイントのみで1ユニットずつ敵射撃ゾーンに突っ込んだり、射撃したりと、組織的な攻撃ができていない。貴重な機動戦力であるパンター中隊をこのまま歩兵陣地に突っ込ませていいのかという懸念もある。

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一方、バストーニュの北を進むドイツ第2装甲師団は、派遣ポイントも得たため、Von Volm戦闘団のフォーメーションチットを投入。パンター戦車、プーマ装甲車中隊を前に押し立てて、アメリカ第10機甲師団B戦闘団を攻撃中。

1300時ターン。アメリカ第101空挺師団は、ドイツ軍の突破を阻止すべく、第327グライダー歩兵連隊のフォーメーションチットを購入してカップに投入。これが功を奏して、ドイツ軍に先んじてチットを引き、突破口を塞ぐように布陣した。

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北のドイツ第2装甲師団は、増援部隊も前線に到着したものの、まだアメリカ軍の前線を突き崩せずにいる。パンター戦車が4個中隊もあるのに、M4シャーマン1個中隊を排除できないとは、なんたるていたらく。

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中央のドイツ第26国民擲弾兵師団も増援を得ているが、こちらもアメリカ軍装甲車中隊の遅滞行動に悩まされている。

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南のドイツ教導装甲師団は、強引に突破口を開けようと、M4シャーマン中隊のヘクスへ、IV号駆逐戦車、IV号戦車で強襲(同一ヘクス戦闘)を仕掛けた。しかしあと1ヒットでシャーマンを潰せるところで戦闘終了。

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1300時ターン終了時。すでに第101空挺師団の増援部隊も、北と中央に展開し、バストーニュを守りつつ、ドイツ軍の突破を防ごうとしている。

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続く1500時ターン。西ヨーロッパの冬は日が落ちるのが早く、このターンをもって日没、12月19日の日中ターンは終わりとなる。まずドイツ第26国民擲弾兵師団は、フォーメーションチットも使って強襲に持ち込み、一気にアメリカ軍の防衛線を抜こうと思ったものの、指定した4個擲弾兵中隊がすべて武勇チェック(敵ヘクスに突入できるかどうかの士気判定)に失敗し、攻撃が停滞。この後、再度、強襲をかけたが、アメリカ軍機械化歩兵中隊をあと1ヒットまで追い込みながらも、こちらも突破とはならなかった。

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北のドイツ第2装甲師団も、M4シャーマン中隊に接敵し、強襲で決着をつけようとしたところ、こちらも武勇チェックに失敗。それでもアメリカ軍対戦車砲だけは潰し、後方に控える第101空挺師団第506空挺連隊に攻撃をかけた。ちなみに地図盤最北部のヘクスを守っているのは「バンド・オブ・ブラザーズ」こと、第2大隊E中隊である。この時はもう中隊長はウィンタースではないけれど、他の中隊より部隊練度は1高い。

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南の教導装甲師団も再び、M4シャーマン中隊めがけて強襲をかけたが、こちらでもIV号戦車中隊が武勇チェックに失敗し、IV号駆逐戦車中隊のみで突入することに。まあ、どうせM4シャーマンはあと1ヒットで除去できるから楽勝……と思いきや、M4シャーマンは主砲と機関銃、どちらの射撃も10面体ダイスで「0」しか当たらないはずなのに、振ったダイスはどちらも「0」。この1%のラッキーヒットにより、IV号駆逐戦車中隊もステップロスする羽目に……しかもM4シャーマンを除去しきれなかったという、映画化決定な展開と相成った。

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こちらが1500時ターン終了時。いや、今までGTSもだいぶプレイしてきたが、なかなかユニット密度の濃いシナリオだなと。それでもマップ1枚に収まっているし、初手から戦闘が始まるので、ゲームクラブの例会などで多人数プレイするには良さそうだ。

この後、12月19日の夜間ターンとなり、さらに12月20日へと続く……