Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Grand Tactical Series】「Race for Bastogne」To Bastogne and Beyond Solo-Play AAR Part.2

さて「To Bastogne and Beyond」の続き。こちらが1944年12月19日夜間ターン終了時。バストーニュの南北で突破を図るドイツ第2装甲師団、教導装甲師団は、アメリカ第101空挺師団に行く手を阻まれている。教導装甲師団と第26国民擲弾兵師団はバストーニュへ正面攻撃をかけているが、こちらも前日から大きな進捗は見られない。日中ターンが短い、派遣ポイントが少なくフォーメーションチットを使った組織的な攻撃が行えないなどの理由はあるが、それにしても……な有様である。

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対するアメリカ軍は、工兵部隊を用いてバストーニュ周辺に塹壕を設置。来るべきドイツ軍の本格的な攻撃に備えて、一帯を要塞化しつつある。北部には夜間ターンの増援として、M18ヘルキャット駆逐戦車3個中隊を擁する第705駆逐戦車大隊も到着しており、ドイツ第2装甲師団の前面に展開した。

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そして夜が明けて12月20日0700時ターン。天候は「霧」のため、視界は2ヘクス、火力-1、移動コスト+1だが、次の0900時ターンも霧なので、ドイツ軍としては天候が回復するのを待っていられず、フォーメーションチットを何枚か投入。しかしチットで先手を取ったアメリカ第101空挺師団がバストーニュ前面に阻止弾幕を展開。教導装甲師団擲弾兵たちは、その弾幕を乗り越えつつアメリカ軍の前線に肉薄したが、さらなる攻撃をくらって次々にステップロスしている。

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後方では、散々ドイツ軍を悩ませたM4シャーマン中隊が、3度目の強襲を喰らって遂に除去された。しかしここでも、IV号戦車中隊が武勇チェックに失敗し、装甲車中隊だけで強襲したっていう……

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北部でも、V号パンターとM18ヘルキャットが対峙する中、第2装甲師団擲弾兵たちが強引にアメリカ軍戦線に食らいついてる。

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続く0900時ターンも「霧」だが、両軍ともフォーメーションチットを投入しまくり、ドイツ軍は押せ押せ、アメリカ軍はカウンターの構えである。

北のドイツ第2装甲師団は、第101空挺師団の防衛線を抜くべく、最北部に位置していた陣地=バンド・オブ・ブラザーズこと第506連隊第2大隊E中隊めがけて猛砲撃を加えてステップロスさせ、弾幕をかいくぐった工兵中隊が強襲をかけて、あと1ヒットで全滅まで追い込むも突破ならず。さらに前日から粘っていた第10機甲師団B戦闘団のM4シャーマン中隊にはV号パンター中隊が強襲をかけて撃破。

とにかく戦場が平坦で、見通しが良く、身を隠す場所が無いため、お互い有利な地形に籠もり距離を取り合ったまま撃ち合うという状況になりにくく、だったらもう平地を突っ切って隣接して強襲をかけてしまえ、という場面が続いた。戦車が戦車に強襲かけるなんて、長年GTSプレイしてるけどなかなか無いぞ。

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中央でも、ドイツ第26国民擲弾兵師団が、第10機甲師団のM5スチュアート中隊に歩兵中隊で強襲をかけて撃破。歩兵部隊の損害も大きかったが、とにかく数はあるんだから、多少の損害には目をつぶろうという強引な攻めで前進していく。

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弾幕マーカーを外してあるが、ドイツ軍の先鋒はすでにバストーニュの外郭陣地に取り付いている。教導装甲師団の工兵中隊が地雷原を除去し、そこを突破口にして歩兵がなだれ込んでいる。しかし平地で阻止弾幕を喰らっているため、損害が多く、また制圧もされているが、いいから行け行けとばかりに部隊を前進させていく。正直、GTSでこれほど雑に部隊を扱ったのは初めてかもしれない。ドイツ軍は何度か強襲もかけたが、すでにアメリカ軍の第一線は塹壕化されており、堅いのなんの。

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南でも阻止弾幕に遮られ、まだ本格的な攻撃は始まっていない。装甲教導師団は、いまだに派遣ポイントが少なく、チットを入れるにしてもバストーニュ正面の部隊のチットを入れているため、こちらまで活性化させる余裕がない。

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これが0900時ターン終了時。それにしてもこのターンは長かった。フォーメーションチットも複数入り、あちこちで強襲も頻発したので、処理するのにだいぶ時間がかかってしまった。もう少し先のターンまで進めようかと思ったが、体力的にバテバテ。

そしてここまで動かして、いやこれ第101空挺師団はバストーニュ防衛と、ドイツ軍装甲師団2個の突破をすべて防ぐのは厳しいんじゃないかと思ったり。ドイツ軍側が勝利点に至らない程度に装甲師団を突破させつつ、バストーニュ防衛に戦力を割いた方が良いような気が……いや、そんな都合良くできるか?と、アメリカ軍の防衛構想そのものに疑問が出てきたので、今回のソロプレイはここまでとした。

さすが「Race for Bastogne」のメインシナリオだけあって、今までプレイしたGTSのシナリオの中でも屈指のユニット密度と、戦闘の苛烈さ。平野部での戦車戦もあり、遊び応えはあるが、その分プレイするのも大変だった。まあ、そういったシナリオの風味が分かっただけでも良しとしよう。両軍ともかなりの数のフォーメーションが登場するので、どれをどこに送り込むのか、一回プレイした方が今後の参考にもなるしね。