OSGの30%引きセールで、TLNB(The Library of Napoleonic Battles)シリーズ第13作「Four Lost Battles」第2版を購入。これにて、すでに発売されているTLNBシリーズはすべて入手したけれど、こんな一気買いをするつもりはなかったんだホントに。ただ、個人的に来年は緊縮財政というか、あまりお金が自由に使えなさそうだったので、今年のうちに使っておこうと。
本作のテーマは、いわゆる解放戦争、1813年8月~9月のドイツ、オーストリアでの4つの会戦を扱っている。タイトルに「Lost Battles(忘れられた戦い)」とあるように、同時期に行われたドレスデン会戦の前後というか、裏舞台での戦いばかりであり、たしかにマイナーではある。
しかしそもそも2005年には、いきなりこの「Four Lost Battles」初版から発売されたわけで、自分も当時のことは覚えているが「ふーん、なんかマイナーな戦いのゲームが出たなあ」程度にしか思わなかった。まさかそれが17年後の今、こうしてシリーズとして確立されるとはね。いやだってこれ、ASL(Advanced Squad Leader)で言うなら、いきなり「Armies of Oblivion」(枢軸中小国モジュール)から発売するようなもので、Zacker先生、もうちょっと商売っ気を出して有名な戦いから出せばいいのに、とも思うのだが、その商売っ気の無さがOSGの良いところかもしれない(^_^)
このあたりの会戦名を見て「はいはい、クルムの戦いね」と、すらすらその経緯をしゃべれるなら相当なナポレオニッカーかもしれない(^_^;)
収録された4会戦は、いずれもハーフマップ規模。時系列的に最初は、グロスベーレン(Grossbeeren)会戦(1813年8月23日)。ベルリンの再占領を狙ったフランス+ザクセン軍(7万5千)が、プロイセン+ロシア+スウェーデン軍(10万)と激突。結果、フランス+ザクセン軍は撃退される。忘れられた戦いという割には、かなり大規模だなと。決戦日(Day of Battle)シナリオは10ターンで終わるが、カードプレイによって2日目以降にも会戦が延長されることもある。
次がカッツバッハ(Katzbach)会戦(1813年8月26日)。この日はドレスデン会戦が行われており、そのB面的な戦いとも言える。大雨の中、ナポレオン本隊の側面を守るよう命じられていたマクドナルドは攻勢に出たものの、プロイセン騎兵の反撃に遭い敗退(雨のためマスケット銃が使えず)。これも決戦日シナリオは10ターンだが、仮想戦として、8月17日にもほぼ同じ部隊で戦うシナリオが用意されている。史実では、すでに部隊の多くが消耗していたが、17日の時点では消耗する前だったと。
次がクルム(Kulm)会戦(1813年8月29~30日)。ドレスデン会戦で勝利したフランス軍による、後退するロシア軍への追撃戦。シナリオとしては2日間、18ターンにも及ぶ。
最後がデネヴィッツ(Dennewitz)会戦(1813年9月6日)。ネイ率いるフランス軍が、再びベルリン占領を目指したものの、待ち構えていた対仏連合軍に撃退されるという展開。シナリオとしては11ターン。
そしていつものように、連続プレイによるキャンペーンゲームもあり。
こちらはフランス軍。さすが大兵力を注ぎ込んだ解放戦争期だけあって、ユニットが多い。その割にイニシアチブ値(練度、士気)が低いユニットも多く、いかにもかき集めました的な陣容で頼りない。
対仏連合軍も、ロシア、オーストリア、スウェーデンは同様に頼りない印象。ただプロイセンに関しては、軍制改革が行われたおかげか、ブリュッヒャーの司令官能力はナポレオンと互角の3(3個軍団を自力で活性化できる)、麾下の軍団長たちも全員活性化値が高くなっている。本作の前の時期にあたる「Napoleon's Resurgence」(リュッツェン、バウツェン会戦)や、後の時期にあたる「Napoleon at Leipzig」では、ブリュッヒャーの司令官能力は2なので、本作の時期ではプロイセン軍が華々しかったのか、それとも首都ベルリンを守るために本気出したのか(^_^)
まだTLNBシリーズとしてはドレスデン会戦は発売されていないが、いずれそちらも出揃ったら、まとめてプレイしてみたい気はする。そうすると1813年夏の戦役が俯瞰できるかなと。
Four Lost Battles – Operational Studies Group
※ページの一番下にユニット配置表などのPDFデータあり。