Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

Game Journal #36「真田軍記」

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2010年発売のゲームジャーナル36号を、これまた新品中古にて購入。付録ゲームは、1992年発売の「真田軍記」。こちらもプレミア価格だったが、同じシステムの「謙信上洛」の号ほど高くはなかった。お題は、大坂冬の陣・夏の陣という、徳川vs豊臣の決戦を「謙信上洛」システムで再現するもの。また仮想シナリオとして「真田昌幸が生きていたら」「福島正則が豊臣方に味方していたら」「宇喜多秀家八丈島から脱出していたら」も用意されている。

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1992年当時の「真田軍記」は、天下布武というメーカーから発売されていた。当時購入したモノは今でも所有しているが、地図盤のグラフィック……山や山岳の描かれ方がツクダ製よりも稚拙に見えて『なんだかなあ……』と感じたのを覚えている。すでに自分も就職し、ウォーゲームも下火になっていた時代の作品だったので、ゲームの作りそのものからも斜陽を感じたような……

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徳川方は、数こそ多いものの、戦闘力・行動力ともに平均以下の武将ばかり。まあ、この戦に勝ったとて、恩賞的に領土が貰えるわけでもなく、モチベーションの低さが能力値に反映されている。しかし妙にやる気のある伊達政宗や、行動力だけは高い藤堂高虎といった面白メンツもちらほらと。

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対する豊臣方は、逆に数は少ないものの、いわゆる牢人衆……真田幸村後藤又兵衛明石全登長宗我部盛親毛利勝永と能力値が高い武将が揃っている。真田幸村なんぞ行動力6、つまり確実に1イニングに3回行動するという頼もしさだが、統率ユニットは3個だけという哀しさである。

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1992年当時、このゲームは友人たちと対戦したような、しなかったような……なにしろ自分も社会人1年目だったので、仕事を覚えつつ原稿を書くので忙しく、ゲーム会として集まる機会も減っていた時期の作品だった。しかし「謙信上洛」は面白かったので、同じシステムの本作はどうだろうと、ソロプレイしたのは覚えている。結果、徳川方が数で圧倒したような展開になり、あまりピンと来なかった。と言って仮想戦シナリオをやる気もなく、押し入れで眠り続けることになったと思う。システムそのものは「謙信上洛」で面白いのは実証されているけれど、大坂の陣を状況設定として面白くするのは、なかなか難しいのかもしれない。