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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【C3 Series】The Dogs of War:The River Weser Deep and Wide Campaign Solo-Play AAR part.1

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2月に購入した仮想・第三次世界大戦C3シリーズ第2弾「The Dogs of War」をソロプレイすることに。2019年9月に、シリーズ前作「Less than 60 Miles」をプレイした際には、態勢マーカーが足りなくなったことから、VASSALでプレイした方が良いと思ったのだが、やはり一度は実物でプレイしておこうと。一応、この「The Dogs of War」から、ユニット裏面に頻繁に使う態勢が書き込まれるようになったが、結局今回も態勢マーカーが足りず、「Less than 60 Miles」のマーカーを追加することになった。

今回は、地図盤全域を使うキャンペーン「The River Weser Deep and Wide」を選択。もっと小振りなシナリオもあるが、あくまでシステムの練習用なので、それよりは全体像を一回見ておこうと。と言いつつ、C3シリーズに触れるのは1年半ぶりだったので、かなりルールを忘れていた…… 

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『奇襲に失敗すれば、我々は大規模な消耗戦を余儀なくされるでしょう。1914年から18年にかけての戦争のハイ・テクノロジー版というわけです』「レッドストーム作戦発動」

本作では、攻めるワルシャワ条約軍側(と言っても本作の戦域に登場するのはソ連軍だけだが)がどれほどの奇襲状態で西側へ侵攻したか、複数のオプションが用意されている。ただ、キャンペーンでの標準的な想定は「51.2 作戦的奇襲」であり、NATO軍の一部部隊は未動員状態となっている。

攻めるソ連軍は、まず盤上に第一梯団として第3打撃軍(Shock Army)と第20親衛軍に属する、4個戦車師団が配置されている。各軍ごとに、あらかじめ前進軸を決めるのだが、今回は第3打撃軍をまっすぐ西へ、第20親衛軍を北西へ向かわせることにした。また後々、地図盤北東から第20親衛軍の残余も登場し、戦闘の焦点となるであろうハノーバー近郊で合流する予定である。

今回も、軍・師団・連隊ともに「攻勢命令」が付与された状態とし、主力の戦車連隊・自動車化狙撃兵連隊は「機動攻撃 MASL」態勢、砲兵部隊は「近接支援 CSUP」態勢としている。 

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対するNATO軍の防衛計画は、ハノーバーからライネ川を下ってゲッティンゲンへ至る線を第一次防衛線とし、その後方のウェーザー河を第二次防衛線とする。またこの2本の川沿いに6カ所、橋梁爆破準備を仕込み、ソ連軍の前進を食い止める算段である。ハノーバー東の運河沿いに仕掛ける手もあるが、それでは味方部隊の撤収も阻んでしまうだろう。

この地域を守るイギリス第1軍団とすれば、遅滞行動を行いつつ、ソ連軍を西側領内に引きずり込み、後方からやってくる増援部隊をもって戦線を厚くしたい。なにしろデベロッパーズノートにも書いてあるが、この地域にはイギリス軍、西ドイツ軍、ベルギー軍が散在し、それが結集するまでにもかなりの時間を要する。そのためNATO軍部隊の大半は、防御修正が高く、敵ZOCから離脱しやすい「警戒 SCR」態勢とし、遅滞行動に重点を置くことにした。

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しかしそれは駐留外国軍であるイギリス軍の思惑であって、故国を守る西ドイツ軍としては、国境付近の市街をそう簡単に放棄できるはずもない。一応、NATO軍には、ある程度の事前移動が許可されているため、 西ドイツ第1装甲師団・第2装甲敵弾兵師団は国境近くに展開し、防御陣地を敷いて、ソ連軍の侵攻を待ち受けることにした。

『西ドイツ軍は、必要なら単独でも戦うに違いない。もしニューハンプシャーが侵略されたら、私だってペンシルヴェニアへ撤退するはずがない』「レッドストーム作戦発動」 

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という作戦状況の下、1985年6月24日0600時(第1ターン)、先手ソ連軍の侵攻が始まった。4個戦車師団は、前進軸に沿って西ドイツ領内へ踏み込んだが、東西国境線を越えるだけで+4移動力消費、さらに西ドイツ国内の道路上には避難民があふれ(+1移動力)、国境のNATO軍陣地に接するだけで移動力を使い果たした。本作では、攻撃を行うにも移動力が必要なので、第1ターンはここまでと。

これに対して、第20親衛軍に接敵されたブラウンシュヴァイク南東の西ドイツ軍部隊は、そのまま陣地を維持したが、第3打撃軍に接敵されたイギリス軍機甲偵察大隊は、巧みに離脱チェックに成功し、損耗を受けることなく1ヘクス後退。同じく盤上最南端に位置する西ドイツ軍機械化歩兵大隊も、損耗1を被りつつ、後退した。また未動員状態だった各部隊も活性化され、それぞれ前線へと向かっている。 

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続く0900時ターン(第2ターン)、ソ連第20親衛軍の2個戦車師団(第32親衛戦車師団と第25戦車師団)の第一梯隊が、電子戦ポイント、軍直轄の攻撃ヘリコプター(低空飛行モードで対空射撃を回避)、師団砲兵の支援を受け、西ドイツ軍陣地に正面攻撃をかけた。

右翼を担うソ連第25戦車師団は、西ドイツ第1装甲師団の装甲捜索大隊を攻撃し、相手に損耗1を与え、自軍はノーダメージでこれを後退させた。ちなみに連隊ユニットは損耗5、大隊ユニットは損耗4を超えた損耗を受けると除去される。

左翼のソ連第32親衛戦車師団は、平地ヘクスの陣地に立て籠もった西ドイツ軍第1装甲師団の戦車大隊に損耗2を与えた。この攻撃により、防御陣地も失われたため、西ドイツ軍戦車大隊は離脱・後退を図ったが、チェックに失敗し、さらに損耗1を被るハメに。だがその西ドイツ軍の奮戦が、増援が到着するまでの貴重な時間を稼いでいるとも言える……

『西ドイツ軍は、まるで我が子を守る親狼のように、寸土も失うまいと抵抗して、余儀ない時にしか退かず、あらゆる機会を捉えて反撃し、携えるすべての兵器を用いて、進撃するソビエト軍の血を流した』「レッドストーム作戦発動」 

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一方、西へ向かったソ連第3打撃軍の2個戦車師団(第10親衛戦車師団と第7親衛戦車師団)は、先に後退したイギリス軍9/12L機甲偵察大隊と、西ドイツ軍第12装甲擲弾兵大隊に再び接近し、今度は残った移動力でそのまま攻撃を仕掛けた。

ここでも、両師団ともに電子戦、攻撃ヘリ、砲兵を支援にあてがったが、地形が険しいためか、お互い損耗1を被っている。そして9/12L機甲偵察大隊は、またも離脱に成功し、半拘束(Half Engaged)状態を維持したが、第12装甲擲弾兵大隊は、離脱に失敗してさらに損耗1、合計損耗3となった。ただ、その後方には、すでに増援部隊が続々と到着しつつある……というあたりで、本日はここまで。