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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Battalion Combat Series】「Panzers Last Stand」Operation Konrad I Solo-Play AAR Part.2

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ではコンラート作戦Iシナリオ、ソロプレイ開始。まず第1(1945年1月2日)ターン、枢軸軍に許可された活性化割当(Allotments)は、Primary(第2活性化OK)1回、Secondary(第2活性化NG)2回。ただしこのターン唯一のPrimary活性化は、攻勢の先鋒であるドイツ第96歩兵師団に割り振らなければならない。第96歩兵師団は、特別ルールの「ゴムボート」でドナウ河を渡り、ソ連第4親衛歩兵師団へ攻めかかった。 

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一方、作戦の主力である第3、第5SS装甲師団にはSecondary活性化しか割り振れなかったが、両師団ともソ連第18戦車軍団、第80親衛歩兵師団を攻撃し、その前線部隊を後退させた。Secondaryでは、第2活性化が不可のため、追い打ちができないのが残念である。

対するソ連軍フォーメーションは、いずれも未活性の状態で1ステップロス以上の損失を被ったため「誘発された(Spoiled)」状態となり、活性化割当が無くても、活性化されてしまうし、活性化する必要がある。つまり枢軸軍としては、ソ連軍フォーメーションを攻撃すればするほど、寝た子を起こしてしまうので、ムダな攻撃はしない方がよい。 

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第2(1月3日)ターン。枢軸軍の活性化割当は、Primary4回/Secondary2回。Primaryは、2個のSS装甲師団と第96歩兵師団とPape戦闘団に割り振ったが、Pape戦闘団はパスして終わった。また、このターンに登場する第6装甲師団は、増援活性化で動かすことに。

両SS装甲師団はさらに攻撃を続けたが、北を行く第3SS装甲師団パンター大隊は、ソ連軍SU100襲撃砲の果敢な抵抗に遭い、射撃戦(Engargement)で撃ち負け、残り1ステップにまで削られてしまった。一応、ソ連軍戦車の抵抗は排除したものの、第3SS装甲師団の前進は遅れている。

ソ連軍はこのターン、割当としてはPrimary1回/Secondary2回しか活性化できないが、枢軸軍に攻撃されたフォーメーションが次々に「誘発されて(Spoiled)」活性化されるため、事前指定するPrimary活性化は、後方の第2親衛機械化軍団、第10親衛歩兵師団にした。Primary活性化として事前指定されたフォーメーションが攻撃を受けて「誘発された」状態になると、部隊機能判定(SNAFU)-1とされるため、できるだけ攻撃を受けない位置にあるフォーメーションを選んだ方がよい。

またソ連第18戦車軍団は、前線で孤立していた第170戦車旅団(T34/85装備)を指揮範囲内まで後退させ、部隊の温存を図った。 第170戦車旅団は、アクションレーティング最良の5、ステツプ数も3とまあまああり、指揮範囲外で損耗させるには惜しかったので。

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第96歩兵師団も、ドナウ河沿いに前進を続けている。 

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第3(1月4日)ターン。前進が遅れていた第3SS装甲師団は、山間の未舗装道路(Track)を進み、ソ連軍戦線に斬り込んでいく。第5SS装甲師団は、このターン、活性化判定の出目が悪く、じわじわとソ連軍戦線を押し下げるに留まった。

そしてその後方には、増援としてソ連第18戦車軍団に配属された新手の戦車部隊(IS-2スターリン戦車隊含む)が現れ、至近距離でSS装甲部隊と撃ち合うべく、ひたひたと山間の隘路を突き進んでいた。 

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またドナウ河北岸を、枢軸軍増援のドイツ第6装甲師団が前進。しかし装甲師団とは言っても、戦車戦力は、IV号戦車1ステップのみという、非常に頼りない状態である。 

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第4(1月5日)ターン。第3SS装甲師団はさらに山間を進撃。守るソ連第4親衛歩兵師団も、いったんはドイツ軍の攻撃を跳ね返し、親衛の名に恥じぬ抵抗は見せたものの、第3SS装甲師団の二度にわたる活性化によって連続攻撃をくらい、あえなく前線が崩壊した。そこから移動モードのティーガーI中隊+自動車化歩兵大隊が、第4親衛歩兵師団司令部へ突進。これを後退させて、敵師団の混乱に成功した。 

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しかしソ連軍も、増援で登場した第78親衛戦車連隊(IS-2スターリン戦車装備)を、第3SS装甲師団の横合いに突っ込ませ、パンター大隊と至近距離での撃ち合いで双方ステップロス。残り1ステップにまで消耗していたパンター大隊は、あえなく全滅。さらにソ連軍は、戦車を失った自動車化歩兵大隊にも通常攻撃をしかけた。第3SS装甲師団の歩兵大隊には、師団のIII号突撃砲大隊が支援に入っていたが、IS-2スターリン戦車に勝てるはずもなく、あえなく支援喪失(Dropped)。通常攻撃を受けた自動車化歩兵大隊は後退し、第3SS装甲師団の縦隊が分断された。これにより、先ほどソ連軍司令部に突進したティーガーI中隊スタックが、師団本隊から切り離されるという、バルジ戦のパイパー隊のような状況に。 

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ソ連第18戦車軍団は「相討ち上等」とばかりに、果敢にドイツ軍SS装甲部隊に挑みかかり、各所でその戦力を削り始めた。第3SS装甲師団も、4日連続の作戦行動によって、すでに疲労レベル3となっている。疲労レベルは、そのまま活性化判定の修整値となるし、最悪の疲労レベル4になると第2活性化もできなくなる。そろそろ回復が必要だな……と感じたので、本日のソロプレイはここまでとした。シナリオとしてはもう1ターン残っていたが、枢軸軍が大きく前進できるとも思えない。まあ、今回は「Panzers Last Stand」の味見ということで…… 

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今回のソロプレイは、本作で導入された新・活性化ルールの味見という意味合いもあった。最初は、その仕組みが判然としなかったが、分かってしまえば、ああなるほどと。両軍ともに、Primaryで活性化したいフォーメーションは事前指定し、Secondary(第2活性化NG)でもいいやというフォーメーションは、後から場当たり的に指名すればよい。主力部隊として行動させたいフォーメーションは、当然Primary指定となるし、移動だけというフォーメーションは、Secondaryで十分と。ただし、Primaryに指定された敵フォーメーションに対して、それが活性化される前に先制攻撃をかけ「誘発された(Spoiled)」状態にすれば、その後の活性化で、不利なダイス修整を与えられる。今回はそういった局面は無かったが、ひとつのテクニックとして覚えておきたい。

また今回は、枢軸軍の3フォーメーションが、ソ連軍の未活性3フォーメーションに攻撃をかけ、いずれも「誘発された」状態にし、3フォーメーションとも活性化させてしまったが、そのあたりも工夫する余地がありそう。たとえば、自軍の2フォーメーションで、敵軍の1フォーメーションに攻撃を集中すれば「誘発される」フォーメーションは1つで済む。寝ている子は、ムダに起こす必要はないと。まあ、なかなかそういう都合の良い状況にはならないかもしれないが……

とにかく、今までのBCS作品とは違った活性化ルールなので、すでにBCS経験者の方々にも一度は触れて頂きたいとは思う。好き嫌いは分かれるかもしれないけれど、ちょっと味わいが違いますぜ。