Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

【Battalion Combat Series】「Brazen Chariots」Operation Crusader Solo-Play AAR Part.1

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昨年11月から始めていた、BCS(Battalion Combat Series)のv2.0ルール訳がようやく年末に完成。最初は、まあ差分だけチェックして訳せばいいやと思っていたが、v1.2からv2.0になった際に、ルールの章立てがまったく変わり、説明文も全面的に書き直されていたため、またイチから訳し直すハメに。それでも乗りかかった船だとばかり、ルールブック、プレイブック、「Brazen Chariots」用のルールとヒストリカルノート、図表類も全部日本語化して、ようやくひと安心。とりあえずこれで1回プレイしてみるかと思っていたら、この前日、1月4日付で、また新たなv2.0ルールブックが公開されていた。まあ、恐らく微調整だろうが、正月から改訂作業をするのも面倒だったので、ひとつ前の、2020年12月3日版のv2.0ルールでBCSをソロプレイすることにした。

しかし手間がかかった割には、v1.2からv2.0に関して、大きなルール変更はなかった。スタック移動の禁止(ユニット個別に移動する)、支援中の長距離射撃(Stand-off)ユニットの射撃戦や直接射撃の禁止、急襲攻撃(Shock Attack)での砲兵ポイント使用可等々、細かい修整はあるが、大枠としてのプレイ感はあまり変わらないはず。新たに市街戦ルールも導入されているが、これは将来発売予定のBCS第4作「Panzers Last Stand」でのブタペスト攻囲戦で使用するものだろう。 

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そんなBCS2.0での初ソロプレイに選んだのは「BCS:Brazen Chariots」のクルセイダー作戦シナリオ。「Brazen Chariots」は、まだ小規模シナリオしか触れていなかったので、ここで大物シナリオを1回やっておこうと。一応クルセイダー作戦シナリオには、地図盤2枚だけを使うものもあるが、今回はキャンペーン仕様の3枚版。ちなみに我が家のゲームテーブル(150cm✕90cm)では、微妙に乗り切らなかったので、地図盤の下にプラスチック製の下敷きやら、固めのデスクマットを敷いて、なんとか安定させている。やればできるものよ。

お題のクルセイダー作戦は、1941年11月19日、英連邦軍が、トブルク要塞に立て籠もった味方部隊を救出するため、4個機甲旅団+3個歩兵師団で砂漠を突っ切り、要塞内の部隊と呼応して枢軸軍を叩こうとする作戦である。作戦開始日、珍しく豪雨が降っていたため、枢軸軍がこの攻勢に気づかず、攻勢の兆候もあったものの、その情報はロンメルを含めて軽視されていたため、英連邦軍の奇襲となり、対応する枢軸軍にも混乱が見られた。結局、12月初旬までかかって、両軍機甲部隊による殴り合いが続き、消耗戦に打ち負けた枢軸軍が後退し、トブルクは解囲されている。その翌年には、また枢軸軍がトブルクを奪い返すのだが、平坦な砂漠での戦車戦・機動戦という意味では、ウォーゲーム的にも人気が高いと思う。 

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こちらがそのトブルク包囲網。要塞内には、イギリス第70歩兵師団とポーランド歩兵旅団が立て籠もり、その周囲を、イタリア軍4個歩兵師団とドイツ・アフリカ師団が包囲している。このシナリオでは、そのすべてのフォーメーションが行動を「Lock」されており、英連邦軍が籠城を止めて打って出るか、どこからか攻撃されない限り、まったく活性化できず、プレイ上は無視して進める。救出部隊がトブルクまでたどり着くまでは、動かないということ。 

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こちらがトブルク救出に向かう、イギリス軍機甲部隊。一応、2方向から向かっているが「?」マークで示したHagfet el Hareibaで2級道路は終わり、そこから先は未舗装道路(Track)になっている。各フォーメーションの補給段列(Combat Train)は、1級か2級道路にしか配置できないので、ここでストップとなり、そこから最適距離である15ヘクス先にイギリス第4機甲旅団司令部を置いても、その指揮範囲は5ヘクスなので、トブルクまでは全然届かない。せいぜいドイツ・アフリカ師団の後背を脅かせる程度。なので、この真ん中の道を使わずに部隊をどこかに振り向ける必要がある。 

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こちらはリビア・エジプト国境の辺境戦線。枢軸軍が築いた地雷原マーカーがずらっと並び、イタリア軍サヴォナ歩兵師団と、88mm砲の使用で有名なバッハ戦闘団が陣取っている。英連邦軍は、こちらにも攻勢をかけ、海岸縁のハルファヤ峠か、内陸のリビアン・オマールを抜いて、後方のバルディアを落としたいところ。とまあ、フルマップ3枚の広い戦場に複数の焦点があるという、なかなか興味深い戦闘状況。BCSの場合、ユニット10個程度のフォーメーションを、お互いひとつずつ動かすプレイ手順なので、マップが広いからといってプレイが面倒になることはない。 

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ではソロプレイ開始。第1(1942年11月19日)ターン。英連邦軍は、道路事情の悪いHagfet el Hareibaの道を諦め、第7機甲旅団を西へシフト。Bir el Gubiを守るイタリア・アリエテ戦車師団を攻撃した。装備戦車的には劣るイタリア軍だが、この攻撃は首尾良く撃退。しかし英連邦軍は、さらに第22機甲旅団、支援集団を注ぎ込み、ガリガリとアリエテ戦車師団のステップを削っていく。もちろん、各ターンに受け取れる補充ポイントは、枢軸軍の方が少ない。射撃戦(Engargement)で「双方ステップロス」しても、立ち直るのは、英連邦軍の方が早いのだ。 

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ハルファヤ峠では、第11インド旅団が地雷原に入ったところで停止。対するバッハ戦闘団は、砲撃で迎え撃っている。バッハ戦闘団は、支援として88mm砲も備えているが、v2.0ルールでは、その88mm砲で敵歩兵を直接射撃(Attack by Fire)することは禁止された。

この攻撃に対し、枢軸軍主力であるドイツ第15、第21装甲師団も出動したが、まだ前線にはたどり着いていない。ちなみに第15装甲師団に至っては、トブルク攻略のための訓練中だったそうで、道路すら外れた、北の海岸縁に分散している。 

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続く第2(11月20日)ターン。英連邦軍は、前日の消耗を帳消しにするほどの補充を受け取り、さらりと復活。対するイタリア軍には補充が来ず、消耗したままのアリエテ戦車師団に、再び英機甲部隊が襲いかかった。またBir el Gubiの南には、第1南アフリカ師団も到着しているが、そろそろ各フォーメーションの補給ルートが混線してきそうな気配…… 

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ここでようやく、ドイツ第21装甲師団が、イギリス軍主力の側面を守る第4機甲旅団に攻めかかった。機甲旅団とは言っても、その装備はアメリカ製のM3ハニー軽戦車であり、III号戦車大隊が移動モードのまま殴りかかっても、撃ち負ける始末。まあ、M3ハニーの場合、戦闘モード(展開面)でも移動力が6もあるのは便利なのだが……(他のイギリス製戦車はもっと不便) 

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一方、ドイツ第15装甲師団は、第1・第2活性化とも完全に成功し、リビアン・オマールに迫ったインド第11旅団に一気に攻めかかり、まだ移動モードだったマチルダ戦車大隊を押し返した。しかしこれに対して、この日の増援であるニュージーランド師団が攻め寄せ、バレンタイン戦車ながらもドイツ軍と互角に撃ち合っている。 

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続く第3(11月21日)ターン。英軍主力の機甲部隊は、アリエテ戦車師団の戦車大隊をひとつ残らず殲滅し、トブルクへ前進。しかし側背に迫ったドイツ第15装甲師団に対応するため、第7機甲旅団を東へ差し向けた。その第7機甲旅団は、第1活性化の半減だけというニブさで東へ向かっている。まあ、本当はそういう器用な機動ができる子たちではないが仕方ない…… 

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その英第7機甲旅団が向かうGabr Sredi付近では、第21装甲師団が、英第4機甲旅団を襲っているが、こちらも第2活性化まで許可されたものの、どちらも半減・半減という結果で、今ひとつキレが悪い。第4機甲旅団も、M3ハニー軽戦車を失いつつ、まだその位置を保持している。 

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混沌としてきたのはリビアン・オマール周辺。第4インド旅団は、地雷原に入ってリビアン・オマールの陣地を攻めようとするも、ドイツ第15装甲師団の機関銃大隊に押し返され、なかなか攻撃位置に就けない。頼みのマチルダ戦車大隊も、III号戦車大隊に撃ち負けて後退。しかしニュージランド師団、第5ニュージランド旅団の歩兵部隊が、ドイツ軍歩兵を押し返し、III号戦車大隊にも砲撃でステップロスを与えていく。
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ハルファヤ峠では、第11インド旅団が、艦砲射撃の支援を受けつつ3個大隊がかりで攻めたのに、攻撃側敗退というていたらく。このターン、英連邦軍には航空支援も無く、辺境戦線での戦況ははかばかしくなかった……というあたりで、今日のソロプレイはここまで。

しかしBCSに触れるのは約1年半ぶりだが、相変わらずサクサク動かせるプレイ感が良い。ユニット密度もスタックも薄いしねえ……(この前のTSWWのユニット密度が酷すぎた)