Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【The Second World War】「Barbarossa」Operation Uranus Solo-Play AAR Part.2

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「TSWW:Barbarossa」天王星作戦シナリオ、第1(1942年11月後半)ターン、後手、枢軸軍プレイヤーターン開始。引き続きスターリングラード周辺のドイツ軍部隊は、後退許可を求めたが、第3装甲擲弾兵師団スタックに「反撃のための移動なら可」という返事が来たのみ。その第3装甲擲弾兵師団にしても、ソ連軍の影響ゾーン(ZOI)に阻まれ、包囲網から脱することはできなかった。南部では、Elistaから北上してきた第16装甲擲弾兵師団スタックにのみ、行動の自由が許されたが、すでに周囲のルーマニア軍部隊は壊滅し、孤立無援の状態となっている。 

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西では、ドイツ第22、第27装甲師団ルーマニア第1戦車師団によって、ソ連第1親衛機械化軍団への反撃が行われたが、あいにく攻撃側後退。こちらもじわじわと戦線を押し下げられている。 

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代わって、第2(1942年12月前半)ターン、先手、ソ連軍プレイヤーターン。天候は、引き続き凍結、そして雪。ソ連軍は、ドイツ第6軍の包囲を完成させるべく、南北から圧力をかけた。 

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その結果、南では、ソ連第4機械化軍団が、ドイツ第29装甲擲弾兵師団を撃滅。ソ連第13戦車軍団も、ドイツ第4装甲軍司令部を押し潰して、包囲網を東から狭めていった。しかし北からの攻撃に対して、ドイツ第VIII軍団司令部スタック(減少状態の歩兵師団と砲兵)が予想外の健闘を見せ、その前進を阻止したうえ、ソ連第3親衛騎兵軍団をステップロスさせた。 

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西では、さっきのお返しとばかりに、ルーマニア第1戦車師団が攻撃され、ステップロスして後退。ソ連第2親衛歩兵師団も、イタリア軍前線を蹴散らし、山岳軍団司令部へ迫っている。

続いて、第2ターン、後手、枢軸軍プレイヤーターン。このプレイヤーターンから、遂にドイツ第6軍に補給線が通らず、包囲網の中のスタックはすべてU1(孤立1:攻撃力と防御力と移動力が1/2に、影響ゾーンが減少状態に、反応と追撃移動無し)となった。このまま補給切れが続けば、次のソ連軍プレイヤーターンの開始フェイズで、ドイツ第6軍はU2(孤立2:攻撃力1/4、移動は1ヘクスのみ、10面体を振って7以上なら除去)となってしまう。

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この包囲網を救うべく、一般補給ポイント(GSP)を空輸するため、ドイツ軍飛行学校からもかき集められた(とシナリオ設定に書いてある)輸送機部隊が到着。航続距離の長いFw200輸送機などは、航空基地からスターリングラードまで2往復できるため、倍の輸送能力を使って、総計15輸送力✕4=60一般補給ポイント=60個連隊分の補給物資を理論上は運べるが、凍結ターンでは空輸量が1/2となる。さらに、すでに護衛の戦闘機部隊も、前線から離れた航空基地に退避しているため、スターリングラード上空まで飛ぶには、長距離飛行(額面航続距離の2倍まで飛行できるが空戦が半減する)を使うしかない。つまり空戦力9のMe109戦闘機でも、空戦力4となり、ソ連軍のYak-1(空戦力7)やMig-3(空戦力6)に負けてしまう。それでも行くしか無いぜ!と飛び立った空輸部隊だが、案の定、ソ連軍戦闘機の迎撃を受け、半数以上の輸送機が追い返される結果となった。一応、多少の一般補給ポイントは届けたが、第6軍全体を救えるほどの量ではなかった……

一方、地上では、増援のドイツ軍第9、第23装甲師団が到着。両師団は、ドイツ第6軍の包囲を解くべく、ソ連第4戦車軍団に殴りかかったが、結果はあいにくEX(相互損失)。スタック規模の小さいソ連軍が全滅したものの、それと同数のスタックポイントをドイツ軍側も失うことになり、相討ちの形で第23装甲師団が全滅。第9装甲師団もステップロスという、散々な結果と相成った。

またこのターン、枢軸軍はスカスカになった戦線を埋めるべく、後方で遊んでいる部隊はいないかと、スタックの中身を探しまくったが、残っているのは戦力0の鉄道工兵連隊ばかりだった。 

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代わって第3(1942年12月後半)ターン、先手、ソ連軍プレイヤーターン。この開始フェイズで、さらにドイツ第6軍の補給状態が悪化し、U2(孤立2)に。写真上は、早くも補給除去判定でお亡くなりになった皆さん。おお、第369クロアチア歩兵ユニットもスターリングラードの露と消えたか…… 

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ソ連軍は、このターンで一気に包囲網を締め上げ、ドイツ第6軍司令部もここで除去。スターリングラード北ヘクスはまだドイツ軍が保持しているが、このまま補給切れ除去判定を待てば、自然と減っていくのだから、無理に攻める必要もない。 

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次の枢軸軍プレイヤーターンには、また増援としてドイツ第17装甲師団も到着するが、もはや状況的には焼け石に水。枢軸軍としては、第6軍救出は諦めるしかない、という史実に近い状況となったので、今回のソロプレイはここまでとした。

まあ、昨年からちまちまとTSWWの練習プレイを続けて来たが、ようやく大機甲部隊による、オーバーランありの機動戦までたどり着けた。TSWWは、1ターン=半月のゲームだが、自軍移動中のオーバーラン、戦闘フェイズでの攻撃、戦闘後前進中のオーバーラン、追撃フェイズのオーバーラン、敵軍反応フェイズでのオーバーランと、意外と攻撃チャンスはある。ただ、オーバーランを行うには、かなりの戦力を集めたキラースタックが必要であり、今回もソ連軍機械化軍団スタックが猛威を振るうことになった。戦闘結果でEX(相互喪失)を喰らう場合も、スタック規模が小さい方が全滅するため、スタック負けしないためにも、ある程度の戦力を集めた方が良いなと(あればの話だが)。

また今回は、空輸による地上部隊への補給が行われたが、これもあらかじめ、スターリングラードが孤立することを想定して、枢軸軍戦闘機を通常距離で飛ばせるように前線をキープしたいところ。またソ連軍としても、空輸部隊が来ることを想定して、迎撃戦闘機をスターリングラード周辺に配置したり、移送しておく必要があるなと。

しかし今回も、ユニットを配置するのが死ぬほど面倒だったので、やはりTSWWは、VASSALでプレイすべきゲームだと再確認した。ハイスタックが込み入った状況でその中身を調べるのも手間だし、やり直したり訂正するのも楽だし。まあ一応、実体物としてのゲームも買ったので、数年に1回ぐらいは、こうして実体プレイをするのも良いかもしれないが……(^_^;)