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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

【Operational Combat Series】「Hungarian Rhapsody」The Battle of Debrecen Solo-Play AAR Part.1

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7月に到着したOCS(Operational Combat Series)の新作「Hungarian Rhapsody」のシナリオ1「The Battle of Debrecen」を配置してみた。このシナリオは、東側の地図盤1枚だけを使い、キャンペーン開始時の1944年10月5日ターンから、10月26日ターンまでの7ターンだけを扱っている。まずはこのシナリオで、キャンペーン序盤の動きを学ぼうと。 

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史実的には、ソ連軍が北のカルパチア山脈の峠道に迫り、南からはルーマニアを味方につけた親衛機械化部隊がハンガリー領内に侵入している。さらに10月8日ターンには、東からソ連第40軍が迫り、三方からこの地域に攻め寄せるという状況になっている。中でも、この時期の(そして本シナリオの)主戦場は、シナリオタイトルにもあるデブレツェン(Debrecen)周辺である。この作戦を担当したソ連の機械化・騎兵集団は、10月6日に作戦を開始し、3日間で100km(OCSでは12~13ヘクス)を突破し、いったんは機械化部隊でデブレツェンを攻めたものの失敗。さらに騎兵部隊を注ぎ込んで10月20日デブレツェンを占領し、10月22日には北のニーレギハーザ(Nyiregyhaza)も制圧した。しかし枢軸軍側にも、第13装甲師団とフェルトヘルンハレ(将軍廟)装甲擲弾兵師団が増援に駆けつけ、これを奪回。ソ連軍は南へ退却した……という展開になっている。結局、ここでの攻勢の頓挫により、ソ連軍は、西側地図盤にあたるブダペスト南部からの攻勢に切り替え、直接ハンガリーの首都を狙いに行ったと。そういったキャンペーン序盤の流れを知るうえでも、一度は通過しておきたいシナリオである。 

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主戦場をクローズアップしてみて見よう。まずB3901から流れる河川より南側の地域は、シナリオ範囲外(配置されているユニットは例外)。攻めるソ連軍は、ハイスタックの親衛軍団が並んでいるし、その背後には144火力のカチューシャ砲師団も控えているが、その突破口を支える歩兵部隊がいない。この後方にもう1個、親衛騎兵軍団があるが、どこかの軍団をバラして戦線を埋めないとまずいかも。もちろん守る枢軸軍としても、頼りないハンガリー歩兵師団(アクションレーティング2)ばかり。一応、第1装甲師団、第23装甲師団があるが、第23の方は、すでに前線の穴埋めに使われている始末。戦線の端っこを支える第22SS義勇騎兵師団マリア・テレジアの連隊も、カチューシャ砲で吹き飛ばされそうだ。

またソ連軍には正面軍(Front)マーカーがあり、補給能力は無いものの、補給源として機能し、司令部がスタックしていれば、その能力を使って、補給を支給できる。たしかにデブレツェンを攻める第2ウクライナ正面軍と第6親衛戦車軍司令部はスタックしており、最初から12SP(補給ポイント)が積まれているが、そこにはワゴンもトラックも無いので、その司令部の支給範囲(12)でしか隷下のユニットは作戦が行えない。まあ一応、ソ連軍にも輸送機があるから空中投下もできるが、デブレツェンを狙うなら、その手前のナギヴァーラド(Nagyvarad)を落とした方が、行動しやすいのだろう。なにしろソ連軍は、ゲーム全体を通じて、鉄道線を使用できないというのも辛い……

他にも、写真右下に見えるのは、ルーマニアの山岳パルチザン部隊で、常に補給下にあり、荒地か深林ヘクスでしか存在できない(離れたら除去)。またソ連軍は、このパルチザン4個ユニットを、8-2-2ルーマニア山岳師団ユニットに置き換えても良いと。しかしこの部隊、むしろバラまいて、東から撤収してくる枢軸軍の補給線を断たせた方が良さそう。

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東に目を向けると、シビウ(Sibiu)北方では、ソ連ルーマニア軍と、ドイツ・ハンガリー軍部隊が睨み合っている。また地図盤東端に配置された枢軸軍は、特別ルール「総統命令」によって、10月8日ターンになるまで行動は不可。10月8日ターンから撤退が始まり、それを追う形で、東からソ連第40軍が入ってくると。それに伴って、シビウ北方の部隊も下がらんとしょうがないんだろうなあ。この戦区は、デブレツェン方面とは隔絶しているので、対戦するのであれば、複数プレイヤーで分担したいところ。 

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同じく北のカルパチア峠戦区も、他の戦区とは隔絶している。この戦区のユニットは、両軍とも白枠で区別され、この戦区から離れられない。この戦区も担当プレイヤーが欲しいところだが、両軍とも地味な戦いに終始しそう……

この北方戦区を守るドイツ第11軍団と第49山岳軍団は、第1装甲軍司令ハインリーチ上級大将の防御手腕を反映して、毎月15陣地レベル分、各ターン毎に5陣地レベル分まで無償で配置できる(しかも自軍ユニットがいないヘクスにも可)という特別ルールあり。一応、配置できるのは1レベル、改良できるのは2レベルまでという制限はあるものの、攻めるソ連軍としては厄介。ただ、長期的なキャンペーンとして考えれば、南部のソ連軍部隊が進撃してくれて、この峠の背後の補給線を断ち切ってくれれば、いずれ守備隊は飢え死にするだろうし、わざわざ力押しするんだろうか? まあ、攻めるにしても、補給ポイントを節約する意味で、どこか1~2箇所かなあ。

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こちらが両軍航空部隊。ソ連軍はこの他に、すでにシビウや盤外ボックスに配置された航空ユニットもあり、この写真にあるのは自由配置分。また枢軸軍には、撃墜王ハルトマンのBf109G、戦車殺しルーデルのJu87Gもあり。しかし枢軸軍の飛行場は、前線に近いところが多く、ソ連軍に攻め込まれない位置に置くとなると、選択肢が限られるかも。また航空作戦にも特別ルールがいくつかあり、爆撃に対しては対空射撃+1、施設に対する爆撃は禁止など、対空能力の向上が反映されている。 

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枢軸軍には10月8日ターンに、フェルトヘルンハレ装甲擲弾兵師団、第13装甲師団、第109装甲旅団が登場。さらに19日ターンには、ハンガリー第2戦車師団も。それにしても、この新しいデザインの増援管理ボックス、良いですな。

他にも特別ルールとして、枢軸軍は小都市(Minor City)に2RE(連隊規模)以上の戦闘ユニットは配置できない。まあ、いろいろと制約が多いところは面倒かな。

ソ連軍の決定的勝利は、①枢軸軍カルパチア峠守備隊背後の鉄道線を切断し、②デブレツェンとニーレギハーザを補給下で占領し、③枢軸軍戦闘ユニット20個以上の補給線を断つ、という3条件を達成すること。さすがにそれは厳しいので、狙うのであれば局地的勝利、デブレツェンかニーレギハーザかチョプ(Csap)のうち2つを補給下で占領する、だろうか。それも史実ではしくじっているし、どうなんだか。

と、特別ルールにも目を通したので、とりあえず試しに動かしてみようか……