Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

【参考文献】デイヴィッド・M・グランツ「ソ連軍 作戦術 縦深会戦の追求」

ソ連軍〈作戦術〉

ソ連軍〈作戦術〉

 

「詳解 独ソ戦史」等でもお馴染み、デイヴィッド・M・グランツの「ソ連軍 作戦術 縦深会戦の追求」の翻訳が出たので購入。原書発行は1991年。アメリカ陸軍によるソ連軍研究の一環として出版されたモノで、言ってみれば、まだソ連という国が健在だった冷戦末期に、ソ連軍の戦闘方法を解き明かそうとし、その変遷を追った内容になっている。

タイトル的には「作戦術」が前面に出ているし、ソ連軍が、戦略と戦術をつなぐものとして作戦という概念を重視した、という部分にも触れているが、どちらかというと、そこから生じた縦深戦闘についてがメインテーマになっている。またその縦深戦闘を行うために、ソ連軍師団が1910年代から1980年代までどのように変化したかにも触れており、歴史的な部分は多いものの、キモは『来たるべき第三次大戦でソ連軍はどのように戦うのか』という分析になっている。なので、もちろん第二次大戦ウォーゲームの参考にもなるが、むしろ仮想・第三次大戦ウォーゲームの参考書としての方が役立ちそうだ。昨年、古い本ながらデービッド・C・イスビーの「ソ連地上軍」を購入したが、併せて読むと、より理解が深まりそうだ。

で、本書にあるような、1980年代のソ連軍の縦深戦闘を再現できるウォーゲームとなると、古くはSPI「NATO Division Commander」、近年では「Less Than 60 Miles」だろう。本書でも、敵の防御態勢によって師団の攻撃態勢を変える例が載っているが、各ユニットの態勢の違いまで再現したゲームとなると、やはりこの2作か。あいにく昨年発売の「Less Than 60 Miles」ですら、すでに品切れ状態だが、そろそろシリーズ第2弾「The Dogs of War」も発売されるらしい。自分も「Less Than 60 Miles」はまだ軽くプレイしただけなので、本書を読みつつ「The Dogs of War」にも触れる予定である。