Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】David Stahel「Operation Barbarossa and Germany's Defeat in the East」

Operation Barbarossa and Germany's Defeat in the East (Cambridge Military Histories)

Operation Barbarossa and Germany's Defeat in the East (Cambridge Military Histories)

  • 作者:Stahel, David
  • 発売日: 2011/04/21
  • メディア: ペーパーバック
 

4月ぐらいから「TSWW:Barbarossa」の参考資料にと、いろいろ独ソ戦関係の書籍も集めていたり。まずは、近年の研究書の中でも評価の高い「Operation Barbarossa and Germany's Defeat in the East」(2009年初版、2010年第3版)。本書は、バルバロッサ作戦の計画段階~開戦~スモレンスク戦に焦点を当てた作戦史。特にドイツ軍がスモレンスクを奪った後の、ソ連軍の反撃によってイエルニャを奪回されたあたり、面白く読んだ。そのすぐ後に、またドイツ軍がイエルニャを奪っているのだけれど、西方戦役では経験しなかった反撃を喰らったドイツ軍の動揺など、興味深い。まあ、ソ連軍側からすると、その反撃も不十分だったのだろうが、それまで常勝だったドイツ軍に、一定の精神的衝撃を与えたという意味では、意義深いのかなと。

この、ドイツ軍がスモレンスクを奪った後の戦闘を、手元にあるウォーゲームで確かめるなら、「OCS:Smolensk」のキャンペーン後半が適しているかと思う。ただ、あいにく自分も「OCS:Smolensk」前半しかプレイしていないので、そこはいまだ未知の領域。せっかく本書も買ったので、いずれ触れてみたいと思っている。

またスモレンスク戦と言えば、高名なDavid.M.Glantzが「Barbarossa Derailed」というシリーズを出しているが、同著者のスターリングラード3部作は買ったものの、こちらには手を出していない。もちろん良書だとは思うが、自分も軍事史学者じゃないし、一介の趣味ウォーゲーマーに過ぎないんだから、なんでもかんでも読むワケにもいかず、しばらくはこの「Operation Barbarossa and Germany's Defeat in the East」で十分かなと。