Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

「Operation Typhoon」Panzer Gruppe Guderian Scenario Solo-Play AAR (SPI/HJ version + SPI/IED version)

f:id:crystal0207:20240228091216j:image

地元の友人と「オペレーション・タイフーン」を対戦してみようかという話が出たので、まずは練習にと、シナリオ1「グーデリアン装甲集団:最後の一撃」(南部シナリオ)をソロプレイしてみた。今回は地図盤だけホビージャパン版を用い、ユニットと図表類は国際通信社/IED版を使うというマリアージュを試してみた(魔合体とも言う)。ユニットの情報などはIED版の方が正確だし、大きめで見やすいが、地図盤はやはり通常サイズの方が使いやすいので。このゲームは、TSWWやOCSのようにびっしり隙間無くユニットを並べる類いのゲームでもないし、ユニットがヘクスからややはみ出す程度でもイケるかなと。まあ、人間の視界から考えても、目が行き届いて管理できるワークスペースとしてはやはりフルマップ程度が穏当なのだろう。

また今回は、独ソ両軍の戦力チットの平均値と分布図も作ってみた。もちろんこれ、ゲーム中にチットが引かれていくたびに確率や分布が変わってしまうのだけれど、一応、この戦闘等級と士気ならこの程度とか、最大値と最小値を頭に入れておくだけでも目安になるかなと。AARを書くにしても『ここでA2チット最大の16戦力が登場してしまい……』とか『A3チットを期待して引いたら最低の1戦力が出てしまい……』とか書きたいじゃない。

さて第1(1941年11月15日)ターンの天候は固定されていて、曇天、地表は凍結、積雪は無し。攻めるドイツ軍第2装甲集団(グーデリアン上級大将指揮)は、3個軍団(第43軍団、第50軍団、第24装甲軍団)を支援下に置いたものの、ルール上、最初の3ターンは全ユニット補給切れであり、戦力半減、機械化部隊は移動力半減となっている。とは言え攻勢は始まったし、とりあえず第3、第4装甲師団ソ連軍戦線に斬り込んだ。ここでいきなり要衝トゥーラ(ヘクス1820)を攻めるという手もあるらしいが、今回は初ソロプレイなのでその策は見送った。たしかに、後からソ連軍に強力な部隊を送り込まれる前にトゥーラを攻めるのもアリと言えばアリなので、いずれ試してみたい。

第2(11月16日)ターン、天候は降雪、地表は通常。まだ積雪ではない。ドイツ軍は引き続き、第3、第4装甲師団を用いてソ連軍前線を突破。ドイツ軍の側面はがら空きになっているが、ソ連軍としてもそこにつけ込むだけの余剰戦力が無い。

第3(11月17日)ターン、天候は晴天。ドイツ第3装甲師団スタックは、単独ながらも要衝トゥーラの裏に回り込んだが、ここを守るソ連第413歩兵師団の戦力チットを引いてみたら、A2最強の16戦力と出た(平均は9.26)。ドイツ軍は利用できる航空戦力2シフトを注ぎ込んだが、守るソ連軍も地上支援を投入し、結局、第413歩兵師団が1ヘクス後退するのみで終わった。この頑強な師団にトゥーラを守られると、ドイツ軍としては厳しくなるかも。またドイツ第112歩兵師団も、ドンスコイ(0831)を守るソ連第299歩兵師団に跳ね返され、後退している。

第4(11月18日)ターン。ドイツ軍はようやく初期の補給切れ縛りルールから脱し、天候も晴れ、本格的な攻撃開始。トゥーラ北西ではドイツ第31歩兵師団が攻勢をかけ、トゥーラ東南では第3装甲師団が再びソ連第413歩兵師団を押し込んでいる。北上したドイツ第4装甲師団は、勝利条件都市のひとつであるウェニェフ(2132)を占領した。しかし第24装甲軍団は攻勢軸を2つにしたが、司令部からの補給範囲はその2方向を賄えず、もうすでに「二兎を追う者は一兎をも得ず」状態に陥りつつある。

そして東には、ソ連軍増援の第239歩兵師団が現れ、これがまたA2ランクなのに12戦力と強力で、ここまでノーダメージで来たドイツ装甲師団群も初めてステップロスを被った。またトゥーラ北西では、最強のA3ランク、ソ連第7親衛歩兵師団(A3としては平均的な15戦力だった)がドイツ第31歩兵師団に逆襲を仕掛け、こちらもステップロス+後退させている。

f:id:crystal0207:20240228171340j:image

第5(11月19日)ターン。支援判定によって、ドイツ軍は第24装甲軍団と第53軍団のみを支援下とした(北部の第43軍団は諦めた)。その第24装甲軍団は、いったん北上を停止し、要衝トゥーラを目指した。これを守るソ連第154歩兵師団は、A2ランク(平均9.26戦力)なのに最低の戦力2を引いてしまったが、ドイツ第17装甲師団の出目も悪くステップロスして後退。一方、粘り強く遅滞行動を続けていたソ連第413歩兵師団(16戦力)も、三度ドイツ第3装甲師団に後退させられ、敵ZOCに下がるしかなく、基幹部隊(1戦力)へ減衰している。

f:id:crystal0207:20240228175010j:image

第6(11月20日)ターン。ドイツ第3、第17装甲師団は、邪魔するソ連軍基幹部隊ユニット(1戦力)を蹴散らし、要衝トゥーラの裏門に迫った。しかしソ連軍も北部から戦力を引き抜き、反撃にあたらせた。幸い、ソ連第198機械化師団がA2ランク(平均9.26戦力)ながら14戦力チットを引き当て、第7親衛歩兵師団ともども、ドイツ軍3個スタックを押し返した。

f:id:crystal0207:20240228180621j:image

第7(11月21日)ターン。ドイツ軍の2個装甲師団は、再びトゥーラの裏門を攻めたが、4個スタックが跳ね返され、2個連隊が除去されるというていたらく。そしていつの間にか東には、増援のソ連軍により戦線が構築されており、反撃によってドイツ軍が後退させられている。

なるほど、ソ連軍の増援はこれぐらいの規模で来るのかとか、ドイツ軍は攻める方向を絞らないとダメだなと気づいたあたりで今回の練習ソロプレイは終了。あまり全部見えてしまうところまでソロってしまうと、対戦した時につまらないので。

マリアージュ(魔合体)プレイとしても、まあ大丈夫だけれど、トゥーラ近郊で大きめのIED版ユニットがひしめき合ってくると、HJ版の地図盤ヘクスにおさまりきらない。やはり対戦する時は、IED版の地図盤を使ってみよう。ヘクスナンバーもIED版の方が見やすいしね(老眼同士の対戦だし)