Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

「Across the Bug River」Campaign Solo-Play AAR 

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夏休みの宿題その2。先月購入した「Across the Bug River」を初めてソロプレイしてみた。まあ最初からキャンペーンシナリオでも大丈夫だろうと思ったが、この後、結構なルール間違いをしたままプレイを続けてしまうハメに。しかしやり直すのもアレだし、今回はあえて間違ったリプレイを載せておこう。

ルール自体は、先手を取ったプレイヤーから、交互に1フォーメーション(師団)ずつ活性化させていく流れ。活性化する際には、10面体ダイスを1個振って、そのフォーメーションの活性化レベルに応じたアクションポイント(AP)を獲得する。最高7APから最低1APとなるので、1回の活性化でも、ただ単に1スタックを移動(1AP消費)させて終わりという場合もあれば、1スタックを移動(1AP)させ、周密攻撃(3AP)を行い、もう一回周密攻撃(3AP)を行うこともできる。あるいは7個スタックを移動(1APx7)させるのも可。また攻撃による損耗ヒットが防御側より少なかった場合、追加のボーナス1APが得られるため、1回の活性化でもかなり幅が出てくる。

1回活性化すると、そのフォーメーションの活性化レベルは1落ちるが、レベルが残っているうちは何度でも活性化できる。たとえばドイツ軍第14装甲師団は、活性化レベル4でゲームを開始するため、1ターン中に4回活性化できる。活性化レベルをすべて使い切っても、第14装甲師団の有効値は7なので、次ターン開始時の管理フェイズで活性化レベルが5復活する。また活性化レベルは次ターンにも持ち越せるので、あえて活性化回数を残して、次ターンにより多くの行動を行うようにしても良い。

しかしこれがソ連軍になると、ターン毎に決定されるドイツ軍の航空阻止値によって、回復できる活性化レベルが変動する。つまりソ連軍は、計画的な部隊ローテーションが行えないし、各フォーメーションの有効値も低いので、復活する活性化レベルも少ない。

また活性化レベルが落ちるに従って、獲得APも低くなりがちなので、何度も活性化させたフォーメーションが、次第に小さなAPしか得られなくなるという、師団単位の疲労っぽい雰囲気も出ている。

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さて第1ターン。先手ドイツ軍は、第298歩兵師団(ユニット上段が薄青)に第91突撃砲大隊(上段が白)を配属させ、これを活性化。ブランデンブルク部隊が占拠したブーク川の橋を渡り、Ustyluhのソ連軍部隊を蹴散らした。一応、ドイツ軍の作戦としては、歩兵師団に露払いをさせ、突破口が開いたら、後方に控える第14装甲師団を流し込めばいいや……と思ったが、まずここでルール間違い。舟橋マーカーを使えば、第14装甲師団も青の点線矢印のように対岸へ渡れたのだが、それをすっかり失念していた。さらに言うと、とりあえず先鋒は歩兵+突撃砲スタックで大丈夫だろうと思ったがそんなことはなかった…… 

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これに対してソ連軍は、第41戦車師団の2スタックをUstyluhへ急派。三度にわたる周密攻撃(AP3を消費する、戦闘力が倍増しがちな攻撃)を行い、ドイツ軍先鋒部隊を混乱させ、渡河点を塞いだ。ソ連軍は、ある程度の回数、周密攻撃=反撃を行わないと、マイナス勝利ポイントを喰らってしまうので、ノルマ的にも攻める必要あり。

ドイツ軍とすれば、たかがBT7軽戦車と侮ったが、よくよく考えれば自軍は、歩兵8戦力+突撃砲2戦力=10戦力のスタック。ソ連軍は、5戦力×3=15戦力だったので、むしろ戦力的に負けていた。もちろんドイツ軍の方が有効値が高いため、各戦闘で戦闘チットを引く場合にも、戦力が2倍、3倍になる可能性が高いのだが、今回はソ連軍もチットの引きが良く、むしろドイツ軍戦力1倍(つまりそのまま)、ソ連軍3倍などという局面もあり、逆襲を喰らう形になってしまった。そしてユニット中央の戦車ポイント(黄色い四角に黒字)を見ても、III突の方が不利っていう……それでも第298歩兵師団の先鋒部隊は、橋頭堡を拡大すべく、第41戦車師団に周密攻撃をかけたが、戦力チットの引きが悪く、一歩も前に進めない。

これ、そもそも初期配置からして、第14装甲師団を先鋒にした方が正解だった。あるいは第14装甲師団に、舟橋を用いて別の箇所から渡河させれば対処できただろうが、それも忘れていたので、第14装甲師団は足踏みしたままで第1ターンを終えた……

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ソ連軍は、あまりやることが無いので、とりあえず各地の守備隊に強化防御マーカーを(防御力が2倍、3倍になりやすい)を置き、戦線の整備。 

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一方、その南では、ドイツ第44、第299、第111歩兵師団もブーク川を渡河。国境を守るNKVD守備連隊(戦力1)を蹴散らし、ソ連領内へ侵攻を開始した。しかし先の戦闘で、たとえ周密攻撃でも上手く行かなかったせいか、こちらでも慎重になり過ぎ、強化防御マーカーを置かれた箇所へは周密攻撃もかけたが、それも心配しすぎだったと思う。なにごともバランスとかメリハリが大事よな……  

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続く第2ターン。先手を取ったソ連軍は、さらに第41戦車師団による周密攻撃を継続。ドイツ軍III号突撃砲を除去し、奪われたトーチカヘクスを奪還する活躍。

ドイツ第298歩兵師団も、果敢に攻めかかったが、どうにも戦力チットの引きが悪く、遂には3個あったIII号突撃砲中隊をすべて失ってしまった。最終的には、装甲車輌の支援の無いまま、歩兵だけで攻撃もかけたがこれもイマイチ…… やはり装甲師団の戦車隊が必要なのだよ。 

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お隣さんの第44歩兵師団(ユニット上段が緑)も攻め上がってきたが、所詮は歩兵ユニット。移動力3では、ソ連軍戦車隊を側面包囲できるほどの足は無い。 

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南部の第299、第111歩兵師団は、ソ連国境守備隊をほぼ一掃して前進。ソ連軍は、次第に動かすフォーメーションが無くなってきたため、交互手番とは言えパスが多くなり、ドイツ軍が一方的に動かし続ける展開となった。そしてこのあたりでルール間違い(舟橋を忘れていた)に気づいたが、もはやアフターザカーニバル。もう一回仕切り直すのも面倒なので、舟橋は別の場所で使ったことにして、そのまま第3ターンだけやってみることにした。

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第3ターン。ドイツ軍に、増援の第13装甲師団(ユニット上部が濃青)が到着。これが、第44歩兵師団が確保したルートを東進し、ソ連第41戦車師団を攻撃。見事これを殲滅して、ようやく橋頭堡をこじ開けた。いや普通こうなんだよな。その突破口から、やっとのことで第14装甲師団も発進。これまで休んでいたため、活性化レベルはMAXにあり、雪崩のごとくソ連防御陣地を突破し、勝利ポイントが得られるVolodymyr-Volynskyiに達した。 

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南部の2個歩兵師団も、無人の野を行くが如く進撃中。とは言え、盛大なルール間違いにも気づいたので、今回のお試しプレイはここまでとした。

まあ、いずれまた正しいルールでプレイしたいが、それでも基本的にはかなり楽しめた。活性化内で、10個ほどのユニットだけに意識を集中し、ちまちまアクションポイントをやりくりして、その枠内でやれる最善を考えさせられるゲームは好みだし、両軍フォーメーションの個性もシンプルに表現されている。

個人的には、こういった大隊/中隊級スケールだと、戦車と突撃砲の違い等も欲しいところだが、そこはバッサリ省略されている。そういった戦術的ディティールを盛り込んでいくと、最終的にはGOSS(Grand Opeartional Simulation Series)のような、詳細かつ複雑な方向になってしまうし、そこまで求めていない方には良いのかなと思う。なので、スケール的には戦術作戦級っぽく見えるのだが、戦術的ディティールは削ぎ落とされているため、個人的には、あくまでも作戦級ゲームだなと感じた。もし本作をプレイされて、もっと戦術的ディティールが欲しければBCS(Battalion Combat Series)に進めば良いと。