Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】「騎兵史:銃器の導入からフリードリヒ大王の時代へ」「フリードリヒ大王の時代の騎兵」「ナポレオンの時代の騎兵」

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前々から読みたいと思いつつ先延ばしにしていた旗代屋さんの中世~近世軍事史を、ようやくBOOTHでまとめ買い。

まずご紹介する3冊は、1877年に(第二版は1903年に)出版された「騎兵史」なる本の邦訳。最初の「第三部:銃器の導入からフリードリヒ大王の時代へ」は、ルネッサンス期から三十年戦争清教徒革命、北方戦争あたりの騎兵について触れている。レイター(短銃騎兵)だのドラグーン(竜騎兵)だのといった騎兵兵種の違いから、それぞれの時代の主要な会戦と、そこでの騎兵の働きと運用について述べられている。もちろん当時の会戦を扱ったウォーゲームのイメージを補完するにはもってこい。

続く「騎兵史:第四部(上):フリードリヒ大王の時代の騎兵」は、タイトル通り、オーストリア継承戦争七年戦争あたりのプロイセンオーストリア、ロシア軍の騎兵についての一冊。前書きとして「戦闘技術の歴史3:近世編」では、当時のプロイセン騎兵が軽視されていることを指摘しているが、そういう批評は門外漢としてはありがたい。なかなか分からないからねえ。

そして「騎兵史:第四部(下):ナポレオンの時代の騎兵」も、ナポレオン戦争を中心とした、その前後の時期の騎兵について触れている。なかなか余所では詳しく触れられていない、フェール=シャンプノワーズ戦や、サマランカ戦について書かれているのも興味深い。付録としてナポレオン戦争での伝説の検証……ボロディノ戦での騎兵突撃や、ワーテルロー戦で戦死したポンソンビー将軍の逸話もあり。