Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

New England Simulations「The Jaws of Victory」

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NES(New England Simulations)から「Winter's Victory」を購入したついでに、2020年に発売された「The Jaws of Victory(勝利の顎/あぎと)」も一緒に注文。本作は、かつてNESから発売されていたWWIIノルマンディ戦(ファレーズ包囲戦)ゲーム「Killing Ground」とほぼ同システムで、1944年1月~2月のコルスン=チェルカッシィ包囲戦を作戦レベルでシミュレートしている。

基本的には昔ながらの戦力チット引きシステムで、もうそのシステムは要らないかなと思い、数年前に「Killing Ground」も手放してしまったが昨年、国際通信社から再販されたSPI「オペレーション・タイフーン」をつい買ってしまったので、だったらまた触れてみようかなと。

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マップは2枚。「Killing Ground」は1ヘクス=2.5kmだったが、こちらは1ヘクス=3.2kmと若干大きめになっている。そして相変わらずNESの地図盤も美しい。

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カウンターシートは4.5枚。カウンター総数1430。こちらドイツ軍ユニットは、歩兵が連隊~大隊、戦車が大隊規模となっている。3ステップ以上のユニットは、A5だのB4だの、その正確な戦力は隠されており、ユニットの下に置かれた戦力チットマーカーに記された数値は、いざ戦闘にならないと敵方に開示されないようになっている。とは言え、ドイツ軍のA5なら一律戦力13、A4なら10と数値は固定されているので、ある程度その数値を頭で覚えてしまえば、あらかじめ戦闘比は立てられるかなと。結局そういう計算ができてしまえるので、あまりこの戦力隠匿システムに魅力を感じなかったのかも。

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こちらはソ連軍ユニット。1944年当時のドイツ軍ユニットについては「Killing Ground」で目にしていたので、なるほどパンター戦車はこんな評価かあ……などと分かっていたが、このシステムでソ連軍の評価を見るのは初めてなので、興味深く眺めてしまった。特にこの時期のソ連軍戦車部隊ともなると、お馴染みのT34/76はもちろん、レンドリースのM4シャーマン、襲撃砲SU-85、SU-122、SU-152、さらには新型IS-1戦車もユニット化されているので、バラエティに富んでいる。やはり1ユニット大隊レベルで装備戦車の差異まで表現されていると嬉しい派。「BCS Panzers Last Stand」もそういう楽しみがあったしね。

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「Killing Ground」と同じく1ターン=1日。ソ連第1、第2ウクライナ方面軍が包囲攻撃を開始した1944年1月25日から、脱出の最終段階である2月18日までを扱っている。「Killing Ground」が西部戦線ノルマンディ戦の最終段階、ファレーズ包囲戦を扱っているので、その東部戦線版という気もする。

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シナリオは8本。地図盤2枚を使用するのは(キャンペーンゲーム含めて)3本だけで、残り5本は地図盤1枚だけなので、それなら敷居は高くないかなと。

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すでにクロノノーツゲームさんで日本語ルールも公開されているし、資料としてだいぶ前に買った(16年前!)「チェルカッシィ包囲突破戦(上下)」もあるし、プレイしようと思えばできるゲームではあるので、いずれ挑戦してみたい。

ちなみに絶版品切れ中の「Killing Ground」については、ConsimworldのNES板によると、上陸編「Overlord」と合併させて「Killing Ground II」として開発中とのこと。うーん、一度手放してしまったけれど、それはそれでまた買うんだろうなあ……(^_^;)