Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

New England Simulations「Winter's Victory (Deluxe Edition)」

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NES(New England Simulations)にプレオーダーしていた新作「Winter's Victory (Deluxe Edition)」が到着。昨年夏に発売されるかと思いきや、延期延期でとうとう2024年に越年してしまった。

本作のお題は、ナポレオン戦争で、1807年2月7日~8日にかけて行われたアイラウ会戦。吹雪の中、フランス軍とロシア=プロイセン連合軍が戦い、フランス軍の方が甚大な損害を被りつつも、対仏連合軍が情勢判断を誤り撤退したという激戦。しかもその会戦を、かつてSPIから発売された「Wellington's Victory」(1976年)システムを基にして作ったという作品。もちろん「Wellington's Victory」並のビッグゲームに仕上がっている。

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地図盤はフルサイズ4枚。1ヘクス=116ヤード(106.07メートル)。「Wellington's Victory」は1ヘクス=100ヤード(91.44メートル)だったので若干スケールが異なる。

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地図盤端には、天候ディスプレイ、ターン進行手順、地形一覧が配置されている。

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こちらはフランス軍側の軍団士気レベル管理トラック。

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NESのウォーゲーム作品と言えば、寡作ながらもコンポーネントの美しさには定評があるが、もちろん本作のカウンターも素晴らしい。こちらはフランス軍カウンターだが、バタイユ・シリーズ同様、軍服を模した意匠になっている。バタイユより少し抑えた色調がまたイイ感じ。歩兵ユニットには、兵力、戦闘効率とその修整値、移動力が記され、表面が縦隊、裏面が横隊を表している。また指揮官カウンターには指揮範囲、指揮ボーナスが記され、軍司令官、軍団長クラスになると肖像画も描かれている。

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こちらはロシア軍カウンター。

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カウンターシートは総勢11枚、カウンター総数2376……のはずだが、ゲームボックス裏面には2592と書いてある。それってシート12枚分の個数なんだけど、たぶん11枚で合っているよね?

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旅団管理ディスプレイは、フランス軍1枚、連合軍3枚。

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こちらはシナリオ配置シート。ちなみにシナリオは4本収録。シナリオ1「Bennigsen Turns to Fight !」は、2月7日、29ターン、マップ1枚のみ。シナリオ2「The Iron Marshal Strikes」は、2月8日、21ターン、マップ1枚のみ。シナリオ3「A Winter's Victory」が、2月8日、54ターン、マップ4枚。シナリオ4「A Massacre Without Results」が2月7日~8日のフルシナリオ。ということで一応、地図盤1枚のみを用いるシナリオも付いているので、それで練習もできるかなと。

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他にも射撃戦と白兵戦の解決表、地形効果表などもあり、内容物はてんこ盛り。

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さらに今回「Deluxe Edition」として、このオマケが入っていた。まあ、あれば嬉しいけど、特に無くても問題は無いかなと。現在のターンとフェイズを表すトークンにしても、別途、ブランクカウンターに貼る用のシールも付いているので。

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ルールブック、プレイブック(特別ルールとシナリオと解説)ともに39ページずつだが、正直「Wellington's Victory」とどう違っているのかはまだ不明。

まあ、そんなことはともかく、コンポーネントそのものが美しいので、蔵書系ウォーゲーマーの自分としては持っているだけでも大満足。いやでも本作が出版されるからこそ、わざわざ昨年「Wellington's Victory」と「Ney vs Wellington」も買ったので、そろそろこのシステムにも触れてみたい。ただ、3作のうち、どれから手をつけて良いのやら……

ちなみに昨年、Sound of Drumsというメーカーからもアイラウ戦のビッグゲームが出ていて(1ヘクス=150メートルスケール)、Clash of Armsからも「バタイユ・アイラウ」の再版が企画されているそうで、それ全部買ったらアイラウ戦ゲームだらけになるじゃないか……と思いつつも、結局買ってしまうんだろうなあ。ナポレオン戦争に限らず、興味のある戦いは違うシステムやスケールで持っていたいものなあ……