プレオーダーしていたAdvanced Squad Leader(ASL)専門誌「ASL Journal #14」が到着。「#12」が2007年発売、「#13」が今年2023年1月発売と来て、また急に間隔を置かずに出してきたなあと。今号は、オーストラリア軍&ニュージーランド軍特集になっている。
メイン付録は、1942年2月の日本軍によるティモール島侵攻を扱ったヒストリカル・モジュール「Sparrow Force」。これ自分も詳しくなかったのだが、開戦当時のティモール島は、西半分がオランダ領、東半分がポルトガル領になっていた。開戦当初、日本軍は陸軍第38師団の支隊を送ってこのオランダ領だけの占領を目指し、中立ポルトガル領まで占領しなくていいだろうと考えていた。ところがオーストラリアからしてみると、ティモール島を奪われた場合、シンガポール(イギリス領)との連絡線が断たれてしまう。しかしポルトガル領の東ティモールには、ポルトガル軍1個中隊程度がいるだけで、到底守り切れそうにない。ということで、オーストラリア軍とオランダ軍部隊(これがSparrow Forceと呼ばれる)が東ティモールのポルトガル領に進駐。これに対して大本営も東ティモール侵攻を決定するが、中立国ポルトガルまで敵に回すかどうかで東条首相と永野軍令部総長が揉めたり、海軍が占領するのか陸軍が占領するのかで揉めたり、後に陸軍第48師団をティモール島の守備に送り込むも、この師団が陸軍でも数少ない自動車化師団だったのに島には道路網が少ないという、なかなかややこしい戦場だったようだ。
本モジュールは、そんなティモール島に空挺降下した日本軍・横須賀第3海軍特別陸戦隊と、Sparrow Forceとの戦闘を扱っている。第3海軍特別陸戦隊は、クーパン飛行場付近に二波に分かれて降下したものの、オーストラリア軍から激しい抵抗を受けた。結局、クーパン飛行場は、海岸から上陸した陸軍部隊が占領したとのこと……という背景をぐぐって調べるだけでも時間かかったな……
シナリオは24本収録。クレタ島や北アフリカ、ニューギニア等、オーストラリア軍/ニュージーランド軍が登場するシナリオが多く、「Sparrow Force」の地図盤を用いたキャンペーンゲーム3本、シナリオ4本も含まれている。
本誌記事も、オーストラリア軍/ニュージーランド軍の戦史関連が多く、「Sparrow Force」の背景記事、太平洋から地中海、北アフリカを転戦した第17オーストラリア歩兵旅団の戦歴、クレタ島を舞台にしたAP161「ANZAC Boys」シナリオのリプレイの他に、ヒストリカルモジュール「Hatten in Flames」の研究記事もあり。
また、裏表紙に「Twilight of the Reich」なるWWII末期都市戦闘モジュール?の画像が載っていたり、盧溝橋事件をテーマにしたヒストリカルモジュール「Marco Polo Bridge」の地図盤がちらっと載っていたり、引き続き水面下ではさまざまな企画が進行しているようだ。
まあ、ASLの実プレイもだいぶご無沙汰だが、いつか『今年はASLだけプレイするぞ』とか『ASLを30回プレイするまで他のゲームは禁止』みたいな縛りを設けて、集中的に取り組んだ方がいいのかもしれない。本当は、ちょっと時間が空いた時に軽い気持ちでプレイできるようになれると良いんだけど、そんなことを10年以上前からつぶやいているような気がする……反省……