GMTの古代会戦級シリーズGBoH(Great Battles of History)の「SPQR Deluxe Edition」を購入。自分も初版は持っていたが、先月同じシリーズの「Great Battles of Jurius Caesar」も買ったので、揃えておくかと。「SPQR」初版は、紀元前200年代の共和制ローマ時代の5会戦を収録していたが、2008年版の「Deluxe Edition」で9会戦が追加された。さらにこの2018年の「Deluxe 2nd」では、追加モジュール「Barbarian」の5会戦が加わり、全19会戦シナリオが含まれている。まあ、こういった網羅的なシリーズを手元に置いておくと、ライブラリー的に便利よね。
地図盤は、両面印刷のフルマップが6枚収録。本作に収録された会戦の中でも最も著名な、第二次ポエニ戦争(ローマvsカルタゴ)でのカンナエ会戦(ハンニバル大勝利、ローマ軍殲滅)と、ザマ会戦(スキピオがハンニバルに勝利)の地図盤は、ほぼ平坦。
エピロス王ピュロスがローマ軍宿営地を夜襲したベネヴェンティウム会戦もあり。
両軍が川を挟んで対峙という戦闘状況もよくあるようで。
丘や山岳地での会戦もあり、いろいろと楽しめるかなと。
青系ユニットがカルタゴ軍。2ヘクス横隊の長槍隊(ファランクス)に加え、イベリア半島から徴集した投槍兵、ケルト族の半裸歩兵、ヌミディア族の軽騎兵、戦象……と多種多彩な軍勢になっている。これを率いる名将ハンニバルも、先手を取れるエリート司令官能力があり、イニシアチブ値7と優秀(割り込みで先手を取りやすい)。傭兵将軍クサンティッポスもイニシアチブ値6なので優秀だがエリート能力は無い。またエピロス王ピュロスも、エリート司令官能力あり、イニシアチブ値7とハンニバルに並び、直接戦闘に関わるカリスマ値はさらにそれを上回る4。まあ、王様自ら斬り込むことは少ないにしても、斬り込まれたら叩きのめすぞと。
こちらは共和制ローマ軍団。この当時は、第一線の軽歩兵ヴェリテス、第二線の歩兵ハスターティ、第三線の歩兵プリンキペス、後備の重歩兵トリアリィ……と、システマチックな編成。指揮官もずらずらといるが、頼りになりそうなのはやはりスキピオ程度。そのスキピオも、イニシアチブ値ではハンニバルに1劣るが(6)、エリート司令官能力あり、指揮範囲はハンニバルより1長いというキャラクター付けになっている。
他にもセレウコス朝シリア軍など、共和制ローマ時代の諸国家、諸民族が登場するので、異種格闘技戦みたいな趣があって興味深い。でも、マカバイ戦争を指揮したユダ(イニシアチブ値最優秀の8)のカウンターも入っているけど、シナリオは入ってない。どっかにシナリオだけ載ってるのかな?
※追記:ここにありました⇓ そうか、C3i誌に掲載されたシナリオ用のカウンターも入っているんだから、このボックスひとつでかなり遊べるんだな。
ルールブックは第4版、シナリオブックは初版の5会戦、追加の9会戦、「Barbarian」の5会戦と三冊。あらためてGBoHのルールを書いておくと、両軍それぞれイニシアチブ値の低い(無能な)指揮官のフォーメーションから活性化していくが、有能な指揮官は割り込み判定を行い、先手も取れる。またエリート司令官能力があると、各ターンの最初に活性化が行える。だったら有能な指揮官から活性化する、でもいいような気もするが、後手の方が有利な戦闘状況もあるので、汎用システムとしてその両方に対応する形にしたのだろう。有能な指揮官は先手・後手を選べるが、無能な司令官にその選択の余地はないと。まあ、会戦級の活性化システムは(時代こそ違うが)後発の「Musket & Pike」の方が好みではある。
そして一番著名なカンナエ、ザマ会戦が、かなりユニットが多く、プレイするのが面倒だったので、いずれまた再挑戦してみたい。GBoHは、シンプル版ルールで遊ぶことが多かったしなあ……