Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Fleet Series】「Abandoned Fleet」

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i-OGMから、Technical Termさんの新作「Abandoned Fleet」を購入。いつものように、元々はVictory Gamesから発売されていた現代作戦級海戦ゲーム「Fleet」シリーズのシステムを用いて、今回は台頭著しい中国軍による台湾侵攻を扱っている。このテーマは、2007年に国際通信社から発売された「アジアン・フリート」でも扱われていたが、すでにあれから15年経ち、その後の情報をアップデートした、2022年版のアジフリという趣もある。

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フルマップ1枚の地図盤には、中国沿岸はもちろん、中国とフィリピンの係争地である南沙(スプラトリー)諸島から、台湾、先島・尖閣諸島、沖縄、九州南部が描かれている。

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ちなみに「アジアン・フリート」の地図盤と重ねてみたが、微妙にヘクス角度が変更されているようで、ぴたりとは合わさらなかった。結合プレイは想定されていないらしい。

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貼り合わせてカウンターを作る必要はあるが、こちらが中国軍。巡航ミサイル装備の駆逐艦(DD)や強襲揚陸艦、クッション型揚陸艇、J20戦闘機など、「アジフリ」当時のユニットと比べるとたしかに充実したというか、強力になったなあと。

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こちらは台湾、アメリカ、日本の各ユニット。海上自衛隊にも、護衛艦という名の軽空母いずもが登場(護衛艦バージョンとF35運用空母バージョンがあり)。あと「ナッチャンWorld」という、元高速フェリーもいるのがご愛敬。

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もちろん中国側には、空母「遼寧」に加えて新造される「福建」もあり、海上自衛隊側も、近々配備予定の3000トン型潜水艦「たいげい」「はくげい」や、「もがみ」型護衛艦、F35A/B等もあり。両軍にドローン偵察機ユニットもあり、将来戦シミュレーションの可能性も多岐にわたっている。

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ゲームシステムに慣れるための練習シナリオは3本。P3Cによる潜水艦狩り、沖縄周辺海域での制空戦、海上自衛艦隊同士による演習と。本格シナリオは5本。中国軍による台湾侵攻(初動の3日間)、それに伴って先島諸島(与那国島宮古島等)が中国軍に占領されたケース、中国軍による魚釣島への上陸、先島諸島を奪った後の中国軍による沖縄本島侵攻、中国軍による尖閣先島諸島侵攻、という内容。まあ、どれも現実化してほしくないシナリオばかりだし、こういった話題を煽る気もないが、それを検証できるのもシミュレーション・ウォーゲームの良いところなので……