Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

Compass/GDW「The Third World War」Battle for Germany Solo-Play AAR Part.2

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さて「The Third World War」の中欧シナリオの第1ターン(開戦から一週間)も終了。ちなみにイギリス陸軍ライン河派遣軍団(BAOR)の司令官を務めたジョン・ハケット氏による「第三次世界大戦」(なぜかハードカバー版と新書版を持っている)での開戦後一週間の経緯を見てみると、こちらはすでにオランダが占領されつつも、中部ではいまだにフルダ峡谷あたりでもたついている。うーん、オランダ占領はちと難しいにしても、もっと突破しなきゃいかんなあと思ったり。

とりあえず第2ターンを開始。天候は晴天。まず両軍航空ユニットの整備。ワルシャワ条約軍はその稼働率の低さから、手持ちの27ユニットのうち9ユニット(最新鋭機Su-27を含む)が任務に就けなかった。もはや航空優勢も掌握できないと見て、第1ターンのようにSu-24まで航空優勢には投入せず。

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対するNATO軍機は稼働率も良く、フランス空軍の2ユニットが任務に就けなかったのみ。撃墜されたF-15戦闘機隊も運良く復活している(損耗機体の選定)。また第2ターンの増援として、新たにF-15、F-15E、F-16A-10ユニットと、謎のステルス戦闘機F-19フリスビーも到着。いやもちろん小説「レッドストーム作戦発動」に出てきた架空の機体だし、史実重視?用にF-117ブラックホークのユニットも用意されているが、このリプレイはあくまで「レッドストーム作戦発動」寄りなのでこちらを選択。当然ながら可動機が多くなったため、空戦値3以上の航空ユニットだけで、このターンの航空優勢を獲得した。

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それでもワルシャワ軍は再び、Tu-160ブラックジャックとSu-24フェンサーによるNATO軍飛行場爆撃隊を送り込んだ。もはや航空優勢は得ていないため、掩護の戦闘機は1ユニットしかつけられない。逆に航空優勢を得たNATO軍は、それぞれ2個ずつ要撃機を放ち、掩護のMig-292ユニットとSu-24を撃墜した。しかしTu-160は防空射撃をかいくぐり、NATO軍飛行場を空爆。弾痕(クレーター)を2、滑走路上で1航空ユニットを撃破した(次ターンにどれが撃破されたか決定)。

対するNATO軍も、F111戦闘爆撃機にF19フリスビーを掩護に就けてワルシャワ軍飛行場を空爆……と思ったが、すでに空戦値5のF-15(空戦値4のMig-29より先制攻撃が行える)を使い切っていたので、最後に残った空戦値5のF19は温存することに。

この後、両軍とも打撃任務は無く、ワルシャワ条約軍の第1インパルス、第一梯団サブ・インパルスへ。再び動き出したワルシャワ軍は、全戦線にわたって攻撃を再開。4カ所で直協任務を行ったものの、NATO軍要撃機にバタバタと撃墜されていく。それでもニュルンベルグへの攻撃支援に向かったSu-24だけが、かろうじてNATO軍の防空網もすり抜け、支援に成功した。

北部では、ポーランド軍ハンブルグに立て籠もる西ドイツ第11装甲擲弾兵師団を攻撃し「R(後退)」結果を与えたものの、大都市ヘクスだったため無効に。ソ連第20親衛軍スタックは、アメリカ第2機甲師団を後退させている。

中部フルダ峡谷付近では、アメリカ第3、第8機械化歩兵師団を後退させ、空いた隙間に空中機動旅団を投入。アメリカ軍攻撃ヘリ旅団+フランス第1戦車師団のスタックを孤立させた。しかしSu-24の直協があったニュルンベルグへの攻撃は、守るアメリカ第1機甲師団に混乱2を与えたものの、こちらも大都市効果で後退はせず。さらに南では、ミュンヘンへ向かうチェコ軍の攻撃も失敗に終わっている。

第二梯団サブ・インパルスでは、すでに多くのワルシャワ軍スタックが前線に張り付いており、また後方で回復中のスタックもありで、敵ZOCにおらず移動・戦闘が行えるユニットが少なかった。それでもソ連第3衝撃軍スタックが、1対1の低比率攻撃ながらも西ドイツ第3装甲師団を後退させ、ハンブルグを完全に包囲した。

続くNATO軍予備インパルスでは、西ドイツ第5装甲師団が、突出してきたソ連空中旅団を除去。これにてアメリカ軍攻撃ヘリ旅団+フランス第1戦車師団スタックの孤立も解消された。

さらにワルシャワ条約軍の第2インパルス、第一梯団サブ・インパルスへ。ハンブルグを完全に包囲したワルシャワ軍は、周囲6ヘクスから総攻撃を仕掛けるも、フランス空軍のジャギュア対地攻撃機(戦闘比2シフト)が直協支援に。これが功を奏したか、攻撃側だけが混乱2を被り、すでにほとんどの部隊が混乱していたため、混乱3に陥るという大惨事に。

ちなみに同じく1980年代の第三次欧州大戦を扱ったC3シリーズの新作タイトルが、まさに「ハンブルグ要塞(Die Festung Hamburg)」なのだが、ホント要塞かよ……

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この第一梯団サブ・インパルスでの攻撃は各所で跳ね返され、ニュルンベルグへの二度目の攻撃も「後退⇒無効」と相成った。ワルシャワ条約軍は、全戦線にわたって疲労が蓄積しつつある。さらに、もはやワルシャワ条約軍はほとんどの部隊を敵ZOCに突っ込ませてしまったため、第二梯団インパルスで使えるスタックが無く……

続いてNATO軍第1インパルス。フルダ峡谷正面において、特に損耗の激しいソ連軍スタックめがけて反撃開始。ワルシャワ軍にはもはや要撃機も無く、直協支援のA-10ハリアーが悠々とこれを支援。精鋭カテゴリーAのソ連戦車師団2個、自動車化狙撃師団4個をまとめて除去し、カッセルを奪回してワルシャワ軍戦線を分断した。また南部では西ドイツ軍も、ミュンヘンに迫っていたチェコ軍3個師団を除去している。

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さらにNATO軍第2インパルスでも、アメリカ第2機甲師団と引き換え(EX)ではあったが、ソ連自動車化狙撃師団1、空挺師団2のスタックを除去。南部の西ドイツ軍は、残るチェコ師団スタックを国境の向こうに追い返している。これによってワルシャワ条約軍は、北部ハンブルグにとりついた集団と、南部ニュルンベルグに迫った集団の間が6ヘクスにも渡って断たれ、戦線が崩壊。これ以上の戦争継続は無理と判断してここでソロプレイも終えた……

 

……とまあ、最後はぐだぐだな展開になってしまった。30数年ぶりのプレイだったが、ルールそのものは結構覚えていたものの、特にワルシャワ条約軍側を動かすコツはすっかり忘れていた。予備部隊を保持しておけとか、無理な戦闘はせずにここぞという箇所だけ戦力を集中するとか。逆にNATO軍の反撃タイミングはこれで良かったと思う。今回のように早いターンでも、ワルシャワ軍がうっかり攻撃にしくじって損耗が高まった時点で切り返せば良いと。今回再販されたCompass版は、マーカー類も見やすくなっているので(GDW/HJ版は白地に略語だけ書いてあって何のマーカーだか咄嗟に判別しづらい)、ソロプレイもスムーズに行えた。では次は、本作の直系子孫である、GMTの「Next War」シリーズあたり動かしてみようかな……