Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【C3 Series】 「Die Festung Hamburg」

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Thin Red Line Gamesの新作、仮想1980年代・第三次欧州大戦を扱ったC3シリーズ第3弾「Die Festung Hamburg(ハンブルグ要塞)」が到着。このシリーズは、かつてSPIから発売されていた「Central Front」シリーズと「NATO Division Commnader」を魔合体させて21世紀に蘇らせたようなシステムで、プレイするのはなかなかしんどいが、個人的には気に入っている。しかし、なかなかここまで恐ろしげなボックスアートの作品も珍しい。もちろんシリーズ第1弾「Less Than 60 Miles」第2弾「The Dogs of War」同様、1ユニット=大隊~連隊規模、1ターン=3時間、1ヘクス=5kmという、詳細な作戦級ゲームスケールになっている。

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地図盤は前2作より50%増しの広さとなり、タイトルにもあるハンブルグブレーメンを含む北ドイツ平原一帯をカバーしている。

ちなみに昨年Compass Gamesから再販されたGDW「The Third World War」をソロプレイした時に、本当にハンブルグワルシャワ条約軍によって包囲されたものの、都市攻撃にしくじり、逆に攻撃側6スタックがすべて半壊するという、まさに「ハンブルグ要塞」的な大惨事になったので、それをよりミクロな視点で見てみるのも一興だなと。

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シリーズ3作の地図盤を連結してみるとこの通り。地図盤東端が東西ドイツ国境に沿っているため、ジグザグにならざるを得ない。しかしこうして比較してみると、一番下(南)の第1弾「Less Than 60 Miles」戦区は、さすがフルダ峡谷、地形が入り組んでいて攻めるには面倒くさい。対する一番上(北)の「Die Festung Hamburg」戦区の北ドイツ平原は最も進撃しやすそうに見える。とは言え真ん中の「The Dogs of War」戦区でプレイした時も、平野部はあったけれど、それほど進みやすかった印象はない。

一応シリーズとしては全5作、さらに南部の2戦区が出版されるはずなので、それが全部揃えば、夢企画として潰えたSPI「Central Front」シリーズの21世紀版となるんじゃないかな(しかしこのシリーズ企画もまだまだ油断はできないぞ)

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こちらが守るNATO軍ユニット。その大半は地元の西ドイツ軍、オランダ軍、デンマーク軍であり、米英軍を含んだ南部戦区に比べるとやや頼りない。

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こちらが攻めるワルシャワ条約軍。こちらも中央戦区ほど精鋭師団が多いワケではない。

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こちらはマーカー類。以前のプレイ経験からして、これだけでは多分足りないので、前2作のマーカーも流用するか、VASSALでプレイした方が便利。

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一応、前2作も1回ずつソロプレイはしたものの、本作システムの特徴のひとつである、命令とフォーメーション変更を扱うところまでは進めていないので、次回はさらに長期的なプレイをして、両軍の隊形変更の柔軟さ、硬直さが味わえるといいなあ……