Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

「Pacific War」Coral Sea Solo-Play AAR

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昨年末に購入したVG「Pacific War」にそろそろ触れてみようと、短期戦シナリオ「珊瑚海海戦」をセットアップ。このシナリオは、ルールブック中にもリプレイが掲載されており、まずはそれを読みながら、書いてある通りに動かしてみた。本作は、戦略/作戦レベルながらも、索敵やら、発見した敵戦力の誤認も取り入れられており、あまりソロプレイ向きではないのだが、まあ仕方ない。とりあえず図表の見方なども分かったので、またセットアップし直し、今度は自分なりに動かしてみた。 

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と言っても、序盤のプレイヤー接触フェイズ(現場海域に向かう戦略移動フェイズみたいなもの)は、リプレイと同様に動かしてみた。日本軍は、トラックにいた第5航空戦隊(空母瑞鶴、翔鶴)を6ヘクス移動させ、ラバウルからは工兵連隊を乗せた輸送船を含む第18戦隊を、これまた6ヘクス先のガダルカナル島へと送り込んだ。このシナリオの勝利条件は、日本軍がガダルカナル島ポートモレスビーの双方を占領することで決まるため、まずはガ島からと。

これに対して警戒態勢にあった連合軍は、日本軍が移動したのと同じヘクス数だけ移動できるため、ヌメアから第17任務部隊(空母レキシントンエンタープライズ)が6ヘクス前進。タウンズビルからも、米英重巡戦隊が出港したが、この段階では戦闘は無かった。

この「自分が動いた分だけ相手も動ける」システムは、なかなか面白い。遠方の基地から長駆して目標へ接近すれば、相手方にもそれだけの時間的余裕を与えてしまうし、なるべく敵が対応できない前進基地から作戦を開始することも重要になってくるのだろう。恐らく大戦後半の、連合軍の飛び石作戦(とその陽動作戦)を再現するにも向いていると思う。

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両軍が接触フェイズを終えた後は、戦闘サイクルへと入る。このシナリオでは、日本軍が作戦実施プレイヤーだが、戦闘サイクルで先手となる優勢プレイヤーは、また別にダイスを振って決定する。リプレイでは、戦闘サイクルでも日本軍が先手を取って、ガダルカナル島に工兵隊を上陸させていたが、今回は連合軍が先手を取った。

ここで米第17任務部隊は、ガダルカナル島へ接近し、上陸部隊を乗せた日本軍第18戦隊を索敵にて発見。すぐさま2隻の空母から攻撃隊を発艦させた。この動きを、日本軍側も探知したものの、直掩機がいるわけでもなく、対空射撃を行ったが、攻撃隊はノーダメージ。そしてアメリカ軍攻撃隊は、輸送船に1ヒットを与え、これに乗船していた工兵隊はその2倍の2ヒットを食らい、上陸寸前に海没してしまった。

後手の日本軍は、第18戦隊をガ島から撤収させたが、次の戦闘サイクルでも連合軍が優勢プレイヤーとなり、再び索敵にて発見され、2度目の空襲を食らって、水上機母艦が1ヒットを被ってしまった。

さらに3つ目の戦闘サイクルでも、連合軍が先手となり、勢いづいた米第17任務部隊は、いよいよ日本軍第5航空戦隊を発見。これに対しても攻撃隊を発艦させたが、この攻撃も日本側に察知され、迎撃に上がった空母機との間で空中戦が展開された。しかしどちらも1ヒットを被っただけで、米攻撃隊は日本軍空母を狙ったものの、戦果も無し。米攻撃隊は、そのまま空母へと帰投した。 

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返す刀で、今度は日本軍が、米第17任務部隊の索敵に成功。空母瑞鶴・翔鶴からの攻撃隊が発艦した。やはり米空母機からの迎撃も受けたが、日本軍の2個艦載機ユニットは対空砲火もくぐり抜け、空母ヨークタウンへ攻撃を集中。見事これに5ヒットを与えて、史実同様に撃沈した……というところで、今回のソロプレイを終えた。

うん、まあ、たしかに独特なシステムだし、上手くやりくりするには、ある程度続けてプレイして修練を積んだ方が良さそうだ。ただ自分の場合、本作を何度もやりこむよりは、すでに慣れつつあるTSWWの海空戦シナリオをやりこんだ方が良いんじゃないかという気もしている。微妙だなあ。どちらも作戦レベルの海空戦なのだけれど、本作の方が、隠匿要素が強い分、対人戦寄りだしなあ。TSWWのように、駆逐艦1隻まで表現されていたり、機種毎の違いとか見える方が自分としては好みかも。近いうちに再版されるであろうGMT版もどうすっかな……