Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

MMP「PanzerBlitz: Hill of Death」

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先日、MMP社で品切れ商品のデッドストックが見つかったというアナウンスがあったので、その中から2009年に発売された「PanzerBlitz: Hill of Death」を購入した。これ発売当時、『遂にアバロンヒルのPanzerBlitzも復活か?』と気にはなったものの、舞台はノルマンディ戦線、しかもカーン近郊の112高地の戦闘だけを扱うというシロモノで、ちょっと様子見しているうちに品切れてしまった。発売当時は『Blitzなのに西部戦線なの?』とか『米英独軍全部が入っているんじゃないんだ?』という違和感もあったが、ヒストリカルな地図盤での小隊級というアイデア自体は好みだったし。

この作品は以前、サンセットゲームズでも和訳付きで販売されていたため、今回はその日本語ルールだけサンセットから取り寄せてみた。今から訳すの面倒だしね。

ちなみに112高地の戦闘については、3年前に「GOSS:Atlantic Wall」で、まさにその112高地シナリオをプレイしているので、そちらをどうぞ。 

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地図盤は1ヘクス=250ヤード(約228メートル)、1ターン=15分間と、旧「PanzerBlitz/Leader」とは若干スケールが異なっている。システムは、双方が1枚ずつ作戦チットを引いて、射撃・移動・回復の順でユニットを動かし合う。各作戦チットには、0、1、2という活動範囲が記されており、引いたチットを地図盤上に置くことで、その範囲内のユニットを活性化していく。 

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戦闘は、対歩兵射撃(AP)は戦闘比で解決し、対装甲射撃(AT)は火力差で解決するが、結果表は同じものを用いる。もちろん、臨機射撃や、装甲ユニットによるオーバーラン、突撃射撃、歩兵による近接突撃(CAT)、乗車歩兵によるパンツァーブリッツ攻撃、それらに対する防御射撃、間接射撃と煙幕など、ひととおりの戦術的手段は揃っている。 

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こちらは、イギリス軍カウンター。さすがに今風のグラフィックで、火力・射程・防御力・移動力という数値の並びも旧「PanzerBlitz/Leader」と同じ。ただし火力に関しては、対装甲火力と対歩兵火力が記されている。また裏面はステップロス面になっている。 

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こちらはドイツ軍カウンター。旧「PanzerBlitz/Leader」では、歩兵は兵科マークだったが、こちらではイラスト化されている。

このように、基本的にはタイトル通り「PanzerBlitz/Leader」の流れにはあるものの、システム的には、ほぼ別物という印象である。まあ、ルールにしろグラフィックにしろ好みはあると思うし、デザイナー自身もそのあたりは百も承知らしい。デザイナーズノートにも『もしあなたがこのルールを読んだら、我々がこのクラシックな作品にやったことに対して憎しみを感じるかもしれない』『この作品を憎む人もいるだろうし、愛する人もいるだろうし、気にしない人もいるだろう』と書いてある。ちなみにこのデザイナーズノートは、サンセットゲームズの和訳では割愛されているのが残念。実際のプレイには必要無いけれど、こういうところ、大事よ。 

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シナリオは8本、いずれも1944年6月~7月に行われた、112高地を巡る戦闘のみ。地図盤の一部だけ使うシナリオが大半なので、軽くプレイするには良いかもしれない。 

しかしこの作品、わざわざ「PanzerBlitz」というタイトルを復活させただけに、シリーズ化するかと思いきや、この後、雑誌に追加モジュールが付いた程度で終わってしまい、ちょっと尻切れトンボ的な印象があった。ただMMPでは、東部戦線を扱う「PanzerBlitz:Red wave」のテストプレイも進めているし、十数年ぶりに続編が出るなら、そちらも入手したいと思う。軽そうなシステムなので、そのうちプレイもなんとか……