クロノノツーゲームさんから、現代仮想戦シリーズ第5弾にして最新作「Next War:Vietnam」が到着。デザイナーズノートを見たら『これにて中国3部作(韓国・台湾・ベトナム)は完結』と書いてあったけど、いつから3部作構想だったんだこれ。まあそれはともかく、本作の危機想定は、中国軍によるベトナム侵攻、また南シナ海を巡る制海戦。3部作と名乗っている通り「Next War:Korea」「Next War:Taiwan」との連結シナリオもあるが、かなり大がかりだなと。
地図盤は、ベトナムの首都ハノイを含む、中国との国境線地帯。1979年の中越戦争でも戦場となった一帯だが、こうして「Next War」スケールで見ると、結構、国境からハノイまでは近い。しかし実際、中国軍が陸路から再びベトナムに侵攻するという想定は、可能性としてどうなのだろう。3部作として連結した場合に、アメリカ軍の戦力を吸引する意味で、ベトナムにも侵攻するということだろうか。たしかに3部作として、北朝鮮が韓国に攻め込み、中国が台湾とベトナムに同時侵攻した場合、アメリカ側がどのように戦力を割り振るかは、興味深い想定ではある。
さらに「Next War:Taiwan」にも収録されていた作戦マップが、トンキン湾エリアが区分される等、若干の修整を加えられたうえ、航空ディスプレイと統合されて付いている。まあ、現実的な想定としては、中国の海洋進出の方がよく話題にされると思う。と言っても、所詮「Next War」シリーズも「陸主海空従」なシステムなので、陸戦は詳細に表現されていても、こちらは抽象的な表現にとどまっている。それとも、そのうち「Supplement」の形で、詳細な海戦ルールが後付けされたりして……
こちら黄土色ユニットが、ベトナム軍。中越戦争の際にも、ベトナム戦争を経験していた民兵部隊の活躍が知られているが、こちらでも人民自衛隊(PSDF)ユニットが多々あり、中国軍の侵攻を足止め……してくれるのだろうか。一応、人民自衛隊ユニットは、裏面が「抵抗モード」になっており、軍事施設や都市部の掃討(クリアリング)作戦を阻害する働きもしてくれる。
こちらが侵攻側、中国軍ユニット。空母グループ駒も2個あり、航空戦力についても、金を注ぎ込んできたなあという感じ。
こちらは、フィリピン、マレーシア、タイ、インドネシアといった、所謂ASEAN諸国軍。南シナ海を巡っては中国と対立しつつも、経済的には中国との関係が深いということで、参戦チェックの結果によっては、中国側(Non-Allied)に味方したり、アメリカ側(Allied)に味方するという……うん、関ヶ原でもこういう武将いたかも。恐らく「Supplement #1」を導入すれば、各国の参戦を左右するために、両軍がサイバー戦工作をするというプレイも可能なはず。
フィリピン軍は、ユニット両面で兵科マークの色が違い、中国面では効率値(ER)が1落ちる。あと、タイ空軍ってスウェーデン製のJAS-39グリペン戦闘機持ってるんだなあと思って調べたらこんな記事も……
そしてこちらが、いつものアメリカ軍、英連邦軍、さらにベトナムの旧宗主国フランス軍も登場。フランス軍にも空母グループ駒があるってことは、空母シャルル・ドゴール?
ということで、ここ1ヶ月ほどで、一気に「Next War」シリーズ5作+サプリメント2作を揃えてしまった。まあ、まだ昨年のゲームも処理し切れていないので、実際のプレイは来年以降かなと。2021年は、このシリーズの元祖にあたるGDW「The Third World War」もCompass Gamesから再版されそうだし、それが出る前後で、一緒に触れられれば良いなあと思っている。韓国、台湾、印パ、ポーランド、ベトナムの、どこから手を出すかは考え中……(それまでに、こういった危機が現実にならないことを祈る)