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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】「新しい戦争とは何か:方法と戦略」

「新しい戦争」とは何か: 方法と戦略

「新しい戦争」とは何か: 方法と戦略

  • 作者:川上 高司
  • 発売日: 2016/01/20
  • メディア: 単行本
 

2016年に発売された「新しい戦争とは何か:方法と戦略」を購入。前半では、アメリカを中心とした世界情勢と戦争の変化が語られている。あいにくトランプ大統領誕生以前の考察だが、テロリストとの第4世代戦争と、ロシア・中国によるハイブリッド戦争、ドローン等の自律型兵器といった新技術にも言及しつつ「新しい戦争」の形態を紹介している。また、これまでの戦争では「戦略」と「戦術」をつなぐものとして「作戦」という概念があったが、今時の戦争では「戦略」と「戦術」が密接になっているという紹介もあり。たとえば「ブラックホークダウン」で有名なモガディッシュの戦いのように、実働部隊は戦術規模であり、戦争としては比較的少数の損害であっても、戦略的敗退につながるといったケースか。

後半では、アメリカ、日本、ロシア、中国、北朝鮮、トルコ、中東諸国、インドとパキスタンベトナムとフィリピンについて、各国毎の戦略と戦争方法がまとめられている。これも最新の考察ではないものの、GMT「Next War:Korea」「Next War:Taiwan」「Next War:India-Pakistan」の参考になりそうだ。そろそろ「Next War:Vietnam」も発売される予定だし。まあ、そういったゲームの参考書になりそうな本を買ったということは、そういうことよ……