Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

【参考文献】リチャード・イングリッシュ「近代戦争論」

近代戦争論 (シリーズ戦争学入門)

近代戦争論 (シリーズ戦争学入門)

 

シリーズ戦争学入門の新刊「近代戦争論」を購入。原題は「Modern War」 なので「現代戦争論」じゃないのかと思ったら、内容的にはもう少し幅広く、近代的な戦争が始まったのはいつなのか?という疑問から始まり、フランス革命後からという区分で、その特徴などを簡潔にまとめている。その中で、軍事技術革命(RMA)の第1~第4世代戦争や、クレファルトやカルドアを始めとする「新しい戦争」学派にも触れているが、著者はそのあたりについては懐疑的。果たしてそれは本当に「新しい戦争」なのか?と。

先日購入したModern War誌22号でも、Joseph Mirandaによる第5世代戦争の記事が載っていたが、一応Mirandaも「新しい戦争なのか?古い戦争なのか?」というミニコラムを書いている。こういった21世紀のウォーゲームを作るデザイナーにしても、実際、今現在の戦争に対してどのような戦争観をもって作っているのかをデザイナーズノート等で明らかにしてくれると、ユーザーとしてもありがたい。

9.11テロの前後で、第4世代戦争や新しい戦争という概念が大きく取り上げられ、アメリカ軍もそちらにシフトしたが、それに対して、いやまだまだ通常戦力による戦争の可能性も已然としてあるし、通常部隊と非正規戦部隊を組み合わせた戦闘方法もあるし、治安戦や非正規戦にばかり傾くのもどうなの?という反論もある。このあたりの論戦については、エリノア・スローンの「現代の軍事戦略入門」で俯瞰できるし、「新しい戦争」学派のクレファルト「戦争の変遷」と、それに異を唱えるコリン・グレイの「現代の戦略」を読み比べてみると面白い。