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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

【The Second World War】「TSWW:Barbarossa」Part.2 German Units

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21世紀のエウロパ・シリーズこと、TSWWの前期東部戦線セット「Barbarossa」のご紹介・その2。まずは、ドイツ軍ユニットを眺めてみよう。なにしろドイツ陸軍だけでカウンター1680個、海軍280個、空軍700個ぐらいあるので、とても全部は紹介しきれないが、特徴的なところだけ、かいつまんで。

そもそも、なぜそんな沢山のユニットが存在するのかと言えば、まずひとつには、基本的には1ユニット=1個師団なのに、時期によって能力値の異なる師団カウンターが複数用意されているから。能力値は、単純に「攻撃力-移動力」か「攻撃力-防御力-移動力」。兵科アイコン内の数値は、対空力。

たとえば第9装甲師団の場合、1941年6月後半ターンのバルバロッサ作戦開始時は、第1形態とも言うべき「15-14-20」ユニットを使用する。これが1942年5月前半ターンには、第2形態の「22-21-20」ユニットに更新される。たしかに第9装甲師団は、1942年3月~4月に改編され、戦車大隊が3個大隊になり、歩兵連隊にも装甲兵員輸送車が配備されたと「ドイツ装甲部隊全史 I」にある。さらに1942年8月前半ターンには、第3形態の「22-20」ユニットに更新される。この時期の具体的な改編は分からないが、対空力が1上がっているところからすると、対空部隊が増強されたのだろうか。このように微妙な戦力変化も再現しているため、自然とカウンター数も増えたと。

ちなみにドイツ軍ユニット最強額面戦力は、GD(グロスドイッチュラント)師団「31-16」ユニット。しかしこのユニットが登場するのは、1943年5月前半ターン、つまりクルスク戦を前にして改編された時期であり、この「Barbarossa」で扱う、ぎりぎり最後の時期にならないと登場しない。また1943年のドイツ軍の戦闘効率補正(CEV)は✕1.3なので、この31戦力GD師団は、31✕1.3=40.3戦力扱いとなる。

しかし1942年12月後半ターンに登場する、第7装甲師団「30-20」ユニットは、1942年中なら戦闘効率補正✕1.4なので42戦力扱いと、そのターンだけなら、実質的にはGD師団を上回る戦闘効率を発揮し、1943年1月になると、戦力30✕1.3=39戦力に落ちてしまう。史実で言うと、スターリングラードで第6軍が壊滅した後の防御戦に活躍していた時期か。

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細かな独立部隊でも、複数カウンターが用意された部隊もある。たとえば第503重戦車大隊は、1943年1月前半ターンに「4-16」で登場し、1943年2月後半ターンには「6-5-16」となり、1943年4月前半ターンには「7-6-16」に置き換えられる。これ「4-16」ではまだ全大隊が揃っておらず、大隊の装備車輌もティーガーIとIII号戦車の混成であったと。しかし後続の中隊が到着して「6-5-16」になり、さらに大隊が完全に揃ってIII号戦車を省いて「7-6-16」になる、という変化らしい。細かいな! ちなみに「重戦車」は、装甲値、対戦車値、装甲防御値としてはスタック規模✕2と見なすので、重戦車大隊(スタックポイント0.5)は、連隊規模(スタックポイント1)の戦力として計算される。

さらに第100火炎放射戦車(都市や陣地を攻撃する場合にスタック規模✕4とする)大隊、第300遠隔操縦戦車(さすがにこのルールは無かった)大隊、重突撃砲フェルディナント装備の第653、第654重駆逐戦車大隊(装甲防御値は高いけれど、対戦車値は戦車より低い)、IV号ブルムベア突撃砲装備の第216突撃砲大隊など、個性豊かなユニットが揃っている。 

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歩兵部隊も、同一師団で「10-6」「12-6」「15-6」等々の複数カウンターが用意されている他、第250スペイン義勇兵、第369クロアチア義勇兵、第373ワルーン大隊、第1トルクメン兵等、さまざまな国籍・民族部隊が登場する。また特殊部隊ブランデルブルク隊に関しても、「804」ユニットは1年に3回自動的に奇襲に成功するとか、「Bergmann」ユニットは1ゲームに1回ソ連軍が占有するヘクスを奪ってそのヘクスからソ連軍ユニットを追い出す等、個別に特殊能力が与えられている。

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各種砲兵・工兵などの支援部隊も網羅され、特にこの「Barbarossa」から3個砲兵大隊から成る砲兵指揮連隊(Arko)ルールも導入されている。また列車砲は、額面戦力こそ低いものの、都市に対しては戦力3倍、陣地に対しては戦力4倍扱いとなる。まあ、ソ連軍の暴力的な砲兵戦力を見てしまうとね……

また個人的に唸ったのが、港湾工兵部隊。これも各ユニット毎に特殊能力があり、起重機(デリック)を操作できる第313/1、第321港湾工兵は、荷物の積み下ろしコストを1/2に削減し、第60要塞建設大隊を含んでいる第323港湾工兵連隊は、港湾レベルそのものを拡張できるとのこと。

さらに、いったん除去されても無償で再建できる懲罰大隊(兵科マークが手錠……)や、「普通の人びと」でもお馴染み、第101警察予備大隊が所属するルブリン管区のSS警察連隊、特別行動隊(アインザッツグルッペン)、ディルレワインガー隊も登場。戦闘序列を読むと、こういった部隊にはすべて『このユニットは最終解決(ユダヤ人の虐殺)に関わっており……』という注記がされており、歴史的事実を学べるようになっている。このあたりは、いずれまた「普通の人びと」と一緒にご紹介したい。

また「Barbarossa」では、パルチザンとそれを掃討するルールが大きく改訂され、パルチザンのみに影響する対パルチザン影響ゾーン(APZOI)という、専用ZOCみたいなルールが導入されている。それを踏まえたうえで、反共ロシア人のカミンスキー保安部隊は、周囲2ヘクスにまで対パルチザン影響ゾーンを及ぼす特殊ルール付き。こうなってくると、多人数で「Barbarossa」キャンペーンを行う場合、パルチザン専門プレイヤーと、治安部隊専用プレイヤーがいてもいいくらい。しかし特別行動隊などの最終解決に関わった部隊は、パルチザンには強くても、通常戦闘では不利なダイス修整が付く(つまり通常戦闘では使い物にならない)という区別もされており、そういった意味でも、非常に教育的な作りになっている。

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航空ユニットも、さまざまな機体バリエーションが含まれているが、あいにく自分は軍用機マニアではないので、あまり詳しくは語れない。とりあえず戦闘機の中でも、最も空戦力が高いのはFw190A4とA5(空戦力12)。その派生型として対地支援用のFw190A3/U1も入っているが、果たして対地支援に回せるだけの余裕があるのかどうか。スツーカも各種あり、戦車殺しルーデルの名前こそ無いものの、翼下に37mm砲をぶら下げたタンクバスター機Ju87G1も登場。また変わり種としては、ビスケー湾でイギリス軍対潜哨戒機を迎撃していたというJu88C6(重戦闘機扱い)や、その夜戦バージョンもあり。また超大型輸送機Me323D1ギガントと、そのグライダーもあり、東部戦線で空挺(空輸)作戦を行う夢が膨らんだり。

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ドイツ海軍ユニットに関しても、自分は軍艦マニアではないので、語れるほどの知識は無し。たぶん軍艦マニアだったら『この当時の、このフネの対空力はどうのこうの』と語れるんだろうな。もちろん当時の海軍艦艇はひととおり網羅されているはずだし、ドイツ空軍所属の水上機輸送艦(CVS)なども収録されているのは珍しいかも。一応、連合軍のレンドリース輸送船団を襲うことも東部戦線の一部なので、ミニシナリオとしてプレイしたいとは思う。

とまあ、ドイツ軍カウンターの一部を紹介しただけでもこれだけの分量になってしまったので、次のPart.3は、枢軸中小国カウンターについて触れようと思う。