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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【The Second World War】「TSWW : Singapore !」The Gates of India : Imphal and Kohima 1944 Solo-Play AAR Part.6

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第5(1944年5月前半)ターン。両天候ゾーンとも「晴天」。今回のソロプレイ最終ターン。

先手、日本軍プレイヤーターン。コヒマ奪取に失敗した第31師団唯一の残余58連隊は、チンドウィン河まで撤退し、補給負荷から回復。

そしてインパール正面で激戦を続ける第15師団は、第14戦車大隊も含めて最後の総攻撃。狂信面の2個ユニットは、総攻撃が失敗した場合に万歳突撃を行うこととした。日本軍に航空支援は無いが、イギリス空軍は今回も4レベル阻止ゾーンを形成し、日本軍の戦闘効率補正を25%減少させ、補給負荷(攻勢補給ではない)とさせている。日本軍の攻撃力13✕0.5(戦場航空阻止)=6.5。イギリス軍の防御力17。戦闘比1:2.61。d100を振って33が出たので、戦闘比1:3に決定。ダイス修整-3(晴天のジャングル山岳)+2(山岳部隊)=-1。出目は3-1=2。AE(攻撃側全滅)。日本軍は、戦車大隊と砲兵大隊を失い、2個連隊が狂信面となって後退した。しかし戦闘に参加しなかった、残る2個の狂信面ユニットが、万歳突撃を敢行。1個は突撃に失敗して自滅、もう1個は突撃に成功し、第100インド旅団と差し違えた。

そして、これにてインパール作戦部隊もほぼ壊滅。たしかに前線部隊は粘り強く戦ったので、史実同様、敵兵から賞賛されるかもしれない。しかしその賞賛も、本当は『いやお前らゾンビか、そこまでして戦う必要あるのか、俺たちには信じられん』という戦慄を含んだ言葉だったかもしれない。そして作戦自体は、補給面から見ても、戦力面からしても、やはり無理筋だったという他ない。

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さてアキャブまで2ヘクスに迫ったイギリス軍3個旅団に対しては、第54師団が3方向から集中攻撃(ダイス修整+1)を加えることにした。ここでも日本軍の航空支援は無し。イギリス軍は、3レベル阻止ゾーンを形成して、日本軍の戦闘効率補正を20%下げ、攻勢補給下ではなく一般補給下としている。日本軍の攻撃力12✕0.55(戦場航空阻止)=6.6。イギリス軍の防御力14。戦闘比1:2.12。そのまま戦闘比1:2で、ダイス修整は-3(晴天のジャングル山岳)-1(晴天の河川越え)+1(集中攻撃)=-3。出目は4-3=1。こちらもAE(攻撃側全滅)。第54師団の3個連隊は、すべて狂信面にひっくり返り、ほぼ壊滅、うーん、今までのターンでは、こういった低戦闘比でも押し返していたんだが、あれはマグレか。あるいは負けが込んできた時はこんなものか……

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手番代わって、後手、連合軍プレイヤーターン。ここからは、インパール作戦部隊の掃討作戦となる。

後退した日本軍第15師団の残余(狂信面✕2)に対して、第48インド旅団含む3個旅団は、道路沿いにオーバーランを敢行。戦闘比13:2=6:1なので、70%以下でオーバーラン成功とし、無傷で防御側を全滅させられる。d100の結果は47。イギリス軍は、第15師団の残余を殲滅して、チンドウィン河に達した。もし71以上が出た場合は、攻撃側はスタックポイントの20%を失う可能性があった(この場合、攻撃側は3個旅団=6スタックポイントなので、1.2スタックポイント以上を除去する必要があった)。ちなみにオーバーランのルールは、TSWWv1.6で完全に変更されてしまったので注意(v1.5までは戦闘比7:1以上が立たないとオーバーランが不可とされていた)。

また日本軍第31師団58連隊に対しても、4個旅団で攻撃。こちらにも、ようやく戦場航空阻止(BAI)が実施され、3レベル阻止ゾーンが形成。日本軍の戦闘効率補正が20%減とされた。イギリス軍の攻撃力19、日本軍の防御力4✕0.8(戦場航空阻止)=3.2。戦闘比5.93:1。d100を振って41が出たので、戦闘比は6:1に。ダイス修整は、-2(晴天のジャングル丘)。出目は9-2=7。DE(防御側全滅)。58連隊は狂信面に裏返って、チンドウィン河の対岸へ後退した。

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アキャブ方面でも、第33インド旅団を含むスタックが、日本軍第54師団154連隊の残余をオーバーランで除去。一気にアキャブへと迫った。

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イギリス軍は、アキャブの日本軍第28軍司令部(ゲーム上は軍団司令部)と、アキャブの空軍基地の補修にあたっていた工兵大隊、それを守る重高射砲大隊に対して攻撃。ヴェンジェンスIII急降下爆撃機らによる戦場航空阻止(BAI)は、2レベル阻止ゾーンを形成し、日本軍の戦闘効率補正を15%減少。イギリス軍の攻撃力17、日本軍の防御力は重高射砲大隊の1のみ✕0.85=0.85。戦闘比は振りきりの9:1。本来は、ここも連続オーバーランで潰したいところだが、それだけの移動力が無かったので通常攻撃。ダイス修整は、-1(晴天のジャングル)-1(2レベル陣地)=-2。出目8-2=6。DE(防御側全滅)。第28軍司令部は壊滅し、アキャブ陥落。アキャブの空軍基地は、3ヒットの損傷を受けたままで退避もできないため、駐機していた航空ユニットも失われた。

こちらは史実よりだいぶ早い展開だが、先の第54師団の攻撃(3個連隊ともステップロス)がまずかった。ここまで低戦闘比の攻撃で何度か上手くいったので、つい調子に乗ってしまったが、あれは余計だった。日本軍は打たれ強いのだから、頑強に守る態勢でいないと。このあたり、もっと補充部隊を上手く回して守る必要もあるなあ。

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そしてフーコン渓谷では、モガウンに立て籠もった第18師団に対して、米中2個師団と第77グルカ兵連隊が攻撃。戦場航空阻止(BAI)は2レベルなので、日本軍の戦闘効率補正は15%減。連合軍の攻撃力15、日本軍の防御力8✕0.85(戦場航空阻止)=6.8。戦闘比2.2:1。d100振って14が出たので、戦闘比3:1に。ダイス修整は、-2(晴天のジャングル丘)-1(渡河)+1(集中攻撃)=-2。出目は6-2=4。DR(防御側後退)。防御側日本軍はモガウンを明け渡して後退。ここからモガウン奪回を行うか、それともミートキーナまで撤退しつつ戦線の縮小を図るか。なにしろ6月ターン以降、雲南から国民党軍も攻めてくるので、日本軍が火の車になるのは必至……

という感じで、今回のインパール作戦ソロプレイはここまで。作戦自体は、コヒマを脅かしたものの、インパール盆地には入れず、という展開で終わった。その代わり、アキャブ陥落は史実よりだいぶ早く、このまま続ければ、日本軍は早々にビルマ撤退戦に移るしかないなと。また『日本軍は、連合軍の航空補給路を切れば良かったのだ』という論に対しては、もはや航空機の機体差、総数、補充数で圧倒的に負けているので、ただ単に航空部隊を消耗するだけという結論に。一方、日本陸軍の頑強さについては、手強いというか、敵からすればかなり面倒臭い印象。ただしそれは「強い」というより「死ぬまで戦う」という、まさに狂信性(Fanatic)として表現されており、それにも納得。

本シナリオは、TSWWの中級向けシナリオとしても、良く出来ていると思う。特に、地上と航空補給を駆使する必要があるので、補給ルールを覚えるには良いかなと。自分としても、これだけの長期間、これだけ広範囲のTSWW陸戦シナリオをプレイしたのは初めてだったので、途中、補充管理で混乱してしまった。次回、ソロプレイする際には、もっと細かく帳簿付けをやらないとダメだなと。

一応、次は「TSWW:Barbarossa」で、機甲戦闘にも修練する予定。TSWWは重たいゲームシステムなので、いっぺんに覚えようとせず、少しずつステップアップするのが吉。「TSWW:Singapore」でも、陸海空を兼ね備えたマレー半島戦シナリオがあるので、いずれそちらにも触れてみたい。