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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【The Second World War】「TSWW : Singapore !」The Gates of India : Imphal and Kohima 1944 Solo-Play AAR Part.2

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ではソロプレイ開始。第1(1944年3月前半)ターン。まず開始フェイズの最初に天候を決定。天候と気温は、いずれの天候ゾーンでも「悪天(Poor)」「炎暑(Hot)」。地上への航空攻撃は-10%となり、主要補給ルートをたどるコストも増加する。そのため、イェウに配置された日本軍補給部隊は、砂礫道(Gravel Roads)沿いに進む第33師団には予定通り補給を送れるものの、それより北では、チンドウィン河を渡るか、その手前までしか部隊補給ルート(QMSR)が届かず、第31師団の2スタックは「E1(補給負荷1=攻撃力・移動力1/2に減少)」となった。

ユニットが額面戦闘力を100%発揮するには、マンダレーにある補給所(ST)が1/3兵站ポイントを消費し、イェウの部隊補給ルート範囲にあるユニットを攻勢補給下とする必要がある。イェウにある補給部隊は、10スタックポイント(10個連隊相当)分のユニットだけを攻勢補給下に置けるが、インパール作戦部隊は約3個師団なので、たとえ部隊補給ルート範囲に全ユニットがいたとしても、ほぼ攻勢補給下に置ける。しかし、それが日本軍の補給能力の限界。つまりTSWWでは、いくら補給物資があっても、それを扱う補給部隊の処理能力を超えるような攻勢作戦は行えないわけだ。たとえば、たくさん水が入っているタンクがあっても、蛇口の太さによって、出せる水の量は制限されるようなもの。ちなみに米英軍の補給部隊は、スタックポイント制限が無く(範囲内にあるユニットはすべて攻勢・一般補給下に置ける)、日本軍補給部隊とは格段の差である。

またイェウの補給部隊から、第15軍司令部(ゲーム上は軍団司令部)を経由して、さらにその先に主要補給ルートを延長することもできる。ただし1944年の日本軍の主要補給ルートの長さは3ヘクスなので、あまり延びるものでもない。ちなみに1944年の米英軍の主要補給ルートの長さは10ヘクス。しかし、これは異常な長さ。1941年のドイツ軍で6ヘクス、1941年のソ連軍で4ヘクスだから、そういう点でも日本軍の補給能力の低さが表現されている。  

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続いて移動フェイズ。まず日本軍は、面倒なチンディット隊の航空補給線を切るべく、ブロードウェイ、アバディーン飛行場へのルートに一式戦・隼✕2ユニット(40機)を投入した。直ちに、この航空補給線を護衛するP47D5、P51B、P40D20等4ユニット(80機)との間に空戦が発生。しかし物量差、機体差があるうえ、日本軍は技量でも負けており(連合軍は空戦ダイス修整+2、日本軍は+1)、連合軍は損害無し、一式戦は2ユニットが全滅となり、早くも一式戦隊はその40%を喪失する羽目となった。まあ、これは愚策と分かっていたが、一応、やってみたらどうなるかということで。

また日本軍は、チンディット隊に対処するため、後方のラングーンから予備の第53師団の3ユニットを鉄道移動で呼び寄せ、ラシオ等に配置した。

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さらに地上ユニットの移動から戦闘フェイズへ。移動中のオーバーランは無し。

まず南からインパールへ向かう第33師団の3ユニット(攻勢補給下、額面戦闘力✕100%)が、第48インド旅団を攻撃。攻撃側日本軍は額面8戦力、防御側イギリス軍は額面5戦力。悪天のジャングルに対する攻撃は✕0.75となるが、日本軍はすべて山岳部隊扱いなので+0.25となり、結局そのままの戦闘力となる。また悪天のジャングルに対する攻撃は、ダイス修整-2だが、これも山岳部隊による+2修整で帳消し。戦闘力8:5=1.6:1となり、d100を振って34が出たので戦闘比2:1に繰り上げ。そして戦闘決定ダイスは3だったのでQR(攻撃側1/4・後退)。攻撃側の第33師団は、防御側(1スタックポイント)の1/4=偵察大隊を失ったものの、防御側をトンザンへ後退させた。

北では、第15師団+第33師団の4ユニット(攻勢補給下)が、第1インド半自動車化旅団を攻撃。額面では、攻撃側13戦力、防御側4戦力。しかしイギリス軍は、ここへ近接航空支援(CAS)としてハリケーンIIC戦闘機とヴェンジェンスII急降下爆撃機を投入。この2ユニットが、作戦爆撃力3+8=11✕0.9(悪天)=9.9を投下。投下4爆撃力ごとに、戦力1が追加されるため、追加地上戦力2.5となり、1d10を振って2が出たため3に切り上げ。防御側は7戦力となった。戦闘力13:7=戦闘比1.85:1となり、d100を振って22が出たので戦闘比2:1に繰り上げ。戦闘決定ダイスは4、HQ(攻撃側1/2、防御側1/4)。攻撃側は、やはり偵察大隊を失ったものの、第1インド旅団を除去し(0.5スタックポイントだけ失えば良いのだが、減少戦力面が無いため、まるまる1スタックポイントを失う)、前進した。

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さらに北では、第31師団の3ユニット(補給負荷1、額面戦闘力✕0.5)が、インド軍守備隊を攻撃。日本軍は、額面攻撃力8✕0.5=4、戦闘比4:1で、戦闘決定ダイスはDH(防御側1/2除去)。インド軍守備隊にも減少戦力面は無いため、そのまま除去となり、第31師団も前進した。うむ、なんやかんや言いつつ、日本軍は順当に前進しつつある。

この後、反応移動フェイズで、日本軍から3ヘクス以上離れ、7ヘクス以内にある連合軍ユニットが移動力1/2で移動可能となる。イギリス軍は、ディマプールとインパールにいたグルカ兵大隊2個をコヒマに送り、第31師団の来襲に備えた。

最後に追撃フェイズで、日本軍がわずかな移動を行い、日本軍プレイヤーターンは終了。

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手番代わって、第1ターンの連合軍プレイヤーターン。まず両軍の補給状態を確認し、日本軍第31師団は依然、補給下になかったため「E2(補給負荷2=攻撃力1/4、防御力と移動力1/2)」に悪化した。

連合軍の移動フェイズ。まず空軍基地爆撃任務、いわゆる航空撃滅戦から。イギリス軍は、遥かカルカッタから長駆、ベンガル湾を横断して、夜間爆撃隊(ボーファイターVIF夜間重戦闘機1ユニット=40機、ウェリントンX夜間爆撃機1.5ユニット=60機、ウェリントンIII夜間爆撃機0.5ユニット=20機)を、アキャブに送り込んだ。アキャブにも、一式戦1ユニット=40機があるが、あいにく夜戦機能は無いので迎撃は不可。イギリス軍夜間爆撃隊は、日本軍の重対空砲をかいくぐり、爆撃を開始した。イギリス軍4個航空ユニットの合計作戦爆撃力は9✕0.9(悪天)=8.1。1944年のイギリス軍の夜間爆撃精度は50%なので、作戦爆撃力4.05が投下されたことになる。3作戦爆撃力が投下されるごとに、敵空軍基地にヒットが与えられるので、1ヒット。駐機していた敵航空ユニットもランダムにその補充ポイントを失うため、今回はダイス目によって九九式双軽爆撃機(Ki-48-Ib)の補充ポイントが失われた。

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さらにイギリス軍は、チッタゴンからも、アキャブに対して基地攻撃隊を発進させた。ハリケーンIIC戦闘機1ユニット=40機、モホークIV戦闘機1ユニット=40機、スピットファイアVIII戦闘機0.5ユニット=20機、ヴェンジェンスIII急降下爆撃機による昼間爆撃。これにはアキャブの一式戦も迎撃に上がり、スピットファイアVIII隊を撃滅したものの、多勢に無勢、あえなく除去された。残った攻撃隊は、アキャブの空軍基地に2ヒットを与え、先の夜間爆撃と併せて合計3ヒット。アキャブの空軍基地は、収容力3なので、ほぼ壊滅。着陸はできるが、離陸はできない状態となった。これによりアキャブ方面は、連合軍側が完全に制空権を握った。日本軍が空軍基地を修理するには、建設能力を有した工兵ユニットが必要だが、あいにくアキャブ戦線には工兵がいないため、次ターン以降、どこからか連れてくるしか。 

※訂正:前線に工兵大隊が埋もれていた。

連合軍は、それ以外、あまり目立った動きは無く、インパール方面では戦線の整理に終始した。たとえばインパール方面でも、日本軍の補給部隊を狙って航空攻撃を仕掛けたいところだが、そちらにはまだ日本軍の一式戦部隊が2個残っており、ハリケーンIICで攻め込むほどの余裕は無い。また、スピットファイアVIII等の新鋭機も、航空補給路の護衛にあり、対地攻撃の護衛には回せない。今のところインパール方面のイギリス空軍は、日本軍の攻撃に対する近接(防御)航空支援に徹するしかないなと。

こうなると、海軍保存主義(フリート・ビーイング)じゃないが、一式戦部隊は、ムダに消耗せず、あくまでニラミを効かせるために温存しておくのが吉。わざわざ連合軍の新鋭機が護衛している航空補給路に討って出るのは愚策。連合軍からすれば、むしろ飛んで火に入る夏の虫だなと。そしてアキャブの一式戦部隊が潰されたことにより、チッタゴン、クミッラからイギリス軍が爆撃隊をインパール方面に飛ばしても迎撃されない状態になっている。クミッラには、ボーファイター戦闘機(航続距離26ヘクス)、リベレーターVI重爆撃機(航続距離40ヘクス)という、長距離侵攻部隊も控えているため、それも次ターン以降、インパール作戦部隊の妨害に表れるだろう。

とまあ、お互いパンチをくり出した形で、第1ターン終了と。