Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Operational Combat Series】「Smolensk : Barbarossa Derailed」Vitebsk Solo-Play AAR

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「OCS:Smolensk」のカウンターを切り離したので、導入シナリオ「Vitebsk」をソロプレイしてみた。前回の記事で『個人的には、OCSであまり短いシナリオはやる気がしない』とは書いたものの、フルサイズのシナリオに向き合う時間がなかったし、とりあえずの通過儀礼(イニシエーション)ということで。

「Vitebsk」シナリオは、1ターンのみ。ヘルマン・ホト上級大将率いるドイツ第3装甲集団の3個装甲師団+1個自動車化師団が、Vitebsk市街2ヘクスを5SP(補給ポイント)のみで奪うことを目的とする。ユニット自前の弾薬ルールは使用不可。各装甲師団と自動車化師団のトラックには燃料が入っているため、動けることは動けるが、戦闘に使えるSPが5に限られているというあたり、パズルとして考えると、なかなか面白いバランスだと感じた。Vitebsk市街2ヘクスと、その前哨2ヘクスを5SP以内で攻撃するとなると、砲兵の使用は厳しく、SPを消費しない爆撃を活用するしか。ちなみに例の如く、選択ルール21.2の「ステップに比例した戦闘力」は適用と。

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まずは、あまり考えずにプレイしてみたが、Vitebskの南から攻めたドイツ第7装甲師団は、順調にソ連第18戦車師団(事前爆撃により混乱済み)を後退させ、突破モードでVitebsk南ヘクスへ隣接。しかしVitebsk正面に陣取るソ連第14戦車師団への爆撃は効果が無く、攻め寄せた第20自動車化師団も攻撃ダイスが(最悪の)2で、双方1ステップロスしたのみ。AR(アクションレーティング)差4があれば何とかなるかと思ったが、そんなことは無かった。北西から攻めようとしたドイツ第20装甲師団も、ソ連第186歩兵師団を1ヘクス後退させただけでストップ。いや、むしろこちらは攻撃する必要なかったか、補給ポイント的に。突破フェイズで、予備に指定していたドイツ第12装甲師団ソ連第14戦車師団を蹴散らし、ドイツ第7装甲師団がVitebsk南ヘクスを占領したものの、ここで補給ポイントがゼロに。あと少し補給ポイントが残っていたら、さらに予備モードにしていたドイツ第900歩兵旅団も投入できたはずなので、やはり第20装甲師団の攻撃はムダだったようだ。  

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ということで、さっさと盤面を巻き戻し、第2戦スタート。今回も第7装甲師団は、順調にソ連第18戦車師団を撃破して、突破モードでVitebsk南ヘクスへ隣接。しかしソ連第 14戦車師団への爆撃は、またも外れ、第12装甲師団による攻撃も失敗。ここまでは、第1戦とほぼ同じ。その後は、予備に指定していた第20自動車化師団が、突破フェイズの移動セグメントで第14戦車師団(残り1ステップ)に対して、やや危険ながらもオーバーランを敢行し、これを撃破。さらに第900歩兵旅団がVitebsk南ヘクスへ、これまた無茶気味なオーバーランをかけ、奇襲とダイス目に助けられ、どうにか守備のソ連第162歩兵師団+民兵スタックを街から叩き出した。さらに第7装甲師団の一部(都市攻撃に向いている歩兵やオートバイ兵)が、川を渡って北岸のVitebsk中心ヘクスを攻め、これを奪取した。

ソ連軍は、返す刀でVitebsk中心ヘクスに入った第7装甲師団スタックに砲撃をかまし、これを混乱させた後、3個歩兵師団(実質1.5個師団)による反撃を試みたが、再奪取はならず、ゲームエンドとなった。第7装甲師団スタックは、混乱と戦闘補給無しだったので、戦闘力1/4だったのだが。それでも最後のソ連軍の反撃は、自分でもシナリオ的なプレイだと自覚しているし、キャンペーンプレイなら行わないと思う。ただ一応、このシナリオ内でも最後に殴り返せるチャンスはあると。

全般的に、ドイツ軍側に立てば、パズル的な思考で、ムダ無く効率的な攻撃を覚えられるシナリオだと思った。巻き戻しも簡単なので、何度かプレイして、スタックの攻撃順や、オーバーラン、爆撃、ヒップシュートの使い方が学べるかなと。