「作戦とは何か」を購入。大半のウォーゲーマーは、昔から「戦略級・作戦級・戦術級」という、ウォーゲームを売るうえでの宣伝上の区分を知っているから『作戦とは、戦略と戦術の中間に位置するものだ』『術(アート)的な側面もあるため、技能の比重が大きい』と言われても、結構しっくりと受け容れられるのではないだろうか。その階層構造を、なんとなく理解しているだけでも、たいしたもんだと思う。
本書では、歴史的には比較的新しい「作戦」という概念がどのように発達したか、消耗戦と機動戦の違いにも触れつつ、 述べている。アメリカ軍が、南北戦争のグラント将軍の消耗戦略をベースに発展し、第二次大戦でも機動戦を想定していながら、結局は消耗戦で勝ちきったというのも面白い。たしかにノルマンディ半島を突破する際の、コブラ作戦を見てみると、特に工夫の無い、圧倒的火力による敵軍の粉砕と正面突破という、いかにも消耗戦的な作戦だったなあと。そういった歴史的・文化的背景が、その国家や軍の戦略・作戦・戦術に及ぼす影響というのも重要と。