5/14(日)の東京ゲームマーケット2017にて、中国のウォーゲーム・メーカー、Kuro Neko Design Workshopの「Red Dragon Storm 赤龍暴風」(日本語ルール付属)を購入。本作は、1979年2月から始まった中越戦争(中国vsベトナム)全般を再現したゲームである。この中越戦争は、親中国のカンボジア(ポル・ポト政権)にベトナムが侵攻し、親ベトナムのヘン・サムリン政権を樹立したあたりに端を発する。このベトナムの拡大路線を牽制すべく、中国がベトナム領へ侵攻。首都ハノイ近くまで攻め込み、ベトナム側は急ぎカンボジアに派遣していた兵力を引き抜いてハノイ周辺に展開したところで、中国側も戦略目標を達成したと見なして退却……という顛末のようだ。
この大ざっぱな展開だけ見れば、中国側の戦略的勝利にも思えるが、どうやら侵攻過程で中国軍が負った損害も大きかったらしい。なにしろ中国側はまだ近代化が進んでおらず、軍事組織としても脆弱な部分があった一方、ベトナム側は2度のインドシナ戦争でフランス、アメリカを敵に回して勝利した経験を持つ民兵たちを招集してゲリラ戦で応じるなど、かなりの抵抗を見せたと言われている。
この中越戦争を、本作ではエリア式+カード併用の、いわゆる「Storm Over」システムで再現している。1ターン=2日。1ユニットは連隊/旅団~大隊。中国軍を昆明軍区プレイヤーと廣州軍区プレイヤーに分けて、3人でプレイできるようにもなっている。また用意されている戦術カードは、昆明軍区10枚、廣州軍区16枚、ベトナム軍9枚。廣州軍区の方が主攻部隊らしく、「軍団重砲」カードが多く、「広正面(攻勢)」カードは廣州軍区にしかない。
廣州軍区の焦点のひとつである高平(Caobang)市と周辺エリア。この地域のみを作戦戦術級レベルで再現した、同じくKuro Neko Design Workshopの「The Battle of South Caobang 高平南之戦」も購入したが、その紹介はまた別記事にて。
両軍ユニットのレーティング(攻撃力・防御力・移動力)を見る限り、双方に大きな差は見られない。
シナリオは、第8ターンまでに中国軍が指定された4エリアを支配していれば、そこから「目標ハノイ」シナリオへ進み、中国軍は第14ターンまでに、さらなる戦果獲得を目指す。しかし中国軍が4エリアを取れていなければ、「家に帰る道」シナリオへ進み、全中国軍ユニットが第14ターンまでに登場ボックスへ戻ることが目標となる。
プレイすれば、中越戦争全体を俯瞰できるようだが、個人的には「The Battle of South Caobang 高平南之戦」の方に興味があるので、まずはそちらから手を付けたいと思っている。
⇩Kuro Neko Design Workshop 公式掲示板(メーカーサイトがまだ無い)