Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Grand Operational Simulation Series】「Wacht am Rhein 2012」Ride of the Valkyries Solo-Play AAR Part.2

バルジの戦い・第6装甲軍シナリオ「Ride of the Valkyries」続き。12月18日午前ターンからアメリカ軍補給集積所の撤収が始まった。ドイツ軍の弾薬事情は一向に改善せず、この日も支援砲撃は望めない。

健闘を続けるアメリカ軍だが、平野部に出てきたドイツ第501重戦車大隊(VI号b型ケーニッヒスティーガー装備)を警戒し、ビュトゲンバッハ湖南の拠点を放棄してワルシェ河北岸に撤収した。また損耗したエルゼンボルン正面も1ヘクス列後退し、防御線の厚みを増すことにした。

一方でドイツ第1SS装甲師団が迫るマルメディ対岸とスタヴローには、それぞれM10駆逐戦車大隊を投入。スパ(ヘクス3215)に温存していた第99歩兵大隊をラ・グレーズ(3120)へ、同じく第825対戦車砲大隊をトロワ・ポン(3122)に送り、アンブレーヴ河沿いに防衛線を敷き、ドイツ軍の渡河を阻む構え。もっとも活性化が許可された前日に送り、さっさと拠点を作らせれば良かったと反省。

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対するドイツ第1SS装甲師団パイパー戦闘団は、マルメディから北東へ渡河攻撃を試みたものの、先のターンで取り逃がしたアメリカ第291工兵大隊が橋の緊急爆破に成功。攻撃はできず、進路も断たれてしまった。また隣接するバルニヴィル(3820)への攻撃は成功したものの、戦闘後前進でV号パンターが橋を渡れば70%で橋は崩れ、後方との連絡が絶たれるため、あえなく前進断念。さらにスタヴロー後方には、快速を活かして装甲偵察大隊が回り込んだものの、こちらの攻撃は失敗。師団の自動車化歩兵大隊は、装甲部隊を追い抜きトロワ・ポンへと迫った。

また北では、増援の第394突撃砲大隊(III号突撃砲装備)が到着。第326国民擲弾兵師団と共に再びモンシャウを攻めたが、あえなく敗退。他のドイツ軍師団の戦果もはかばかしくない。

続く12月18日午後ターン。アメリカ第9・第30歩兵師団の増援がスタヴロー近辺に到着。第526機械化歩兵大隊もトロワ・ポン前面に達し、第1SS装甲師団の前に立ちはだかった。

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だがこの時点では、まだアメリカ軍もこの地域に砲兵を展開できておらず、阻止砲撃を受けぬ間にと、第1SS装甲師団はスタヴローを再度攻撃。しかしこれが3ステップロスという甚大な被害を被り、装甲偵察大隊はアンブレーヴ河の向こうで包囲されつつあった。師団はさらなる突破ルートを求め、自動車化歩兵大隊にサルム河を渡らせた。

北ではさらにモンシャウへの攻撃が続けられたが、結局第394突撃砲大隊をすべて失う形で敗退。また第12SS装甲師団は、損害を被る度、新手と入れ替えながらエルゼンボルンの拠点を攻め続けていたが、この時点で累計11ステップロス、戦車も歩兵も満身創痍という有様であった。アメリカ第2歩兵師団にもダメージは与えているのだが、ステップロスの交換比で見ると1:3ぐらいだろうか。戦闘自体は同程度の被害を与え合っているのだが、事前の阻止砲撃によって被害が上乗せされている。

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12月18日夜間ターン終了時。第1SS装甲師団の後方には、スコルツェニー指揮の第150装甲旅団、増援の総統警護旅団(第5装甲軍に送っても良い)が続いている。さらに後方には第9SS装甲師団の車列も見えるが、先頭の第1SS装甲師団が行き詰まっている状況では、ただ渋滞にハマるだけのような気もする。これがキャンペーンゲームなら、シナリオ範囲外へ走る手もあるのだが。ちなみに黒テープの向こうにいるのは、サンヴィット救援に向かい、その辺りにいるはずのアメリカ第7機甲師団

ここまで進めてみて、第1SS装甲師団をもっと早めに走らせなければダメなのだと気づいた。16日午前ターンに突破を躊躇したが、あの決断が大きな失敗だったようだ。第1SS装甲師団は、遮二無二突進しないと、今回のようにアンブレーヴ河手前で行き詰まってしまうと思う。夜間移動を使う手もあったが、なにせ夜間ターンに動けるのは全軍で10面体ダイス1個分のユニットだけだし、移動した場合は疲労(ユニット能力値1/2、疲労2なら能力値1/4)となるため、あまり期待はできない。

もっともアンブレーヴ河を越えたところで、橋が落ちる可能性は変わらず、結局は史実通り、ストゥモン(2920)あたりで補給切れ、孤立、となるのかもしれない……といった感触が掴めたので、今回のソロプレイはここまでとした。

 

結果、最初の3日間をプレイしただけだが、実は結構気に入った。第1SS装甲師団がマルメディまでは快速に飛ばせるものの、アンブレーヴ河で行き詰まるという展開も、自分のバルジ戦イメージと違和感が無く、再現度も高いなと思った。V号パンターより重い戦車は事実上橋を渡れない、突破できないというルールも、シビアで好きだ。

ただ、やりこむほどにGOSSの曖昧さも見えてきて、よく分からないルールにも幾つかぶち当たった。今回は適当に自己解釈したが、そのうち最新版ルールにも目を通しておこうと思う。しかし約2ヶ月間、GOSSばかりプレイして習熟度も上がったので、次は気分転換に違うゲームに触れたい気もする……