新刊「地政学の逆襲」を購入。地政学と名の付いた書籍もだいぶ増えてきたが、中には妙に扇情的な内容もあり、迂闊に手を出したくないのだが、本書は店頭でざっと眺めて、割合と丁寧に書かれた本だなと思って購入した。本書の前半では、マッキンダー、スパイクマン等の地政学者たちを紹介しつつ、地理というものが、政治、経済、軍事とどのように関連しているかを解いている。ナチスによる、地政学の政治的な利用についても書かれ、その危うさも前提としたうえで、後半では地域毎に、歴史的な流れも鑑みたうえで現状分析をしている。
自分は日本人なので、中国、韓国、北朝鮮といった周辺諸国との軋轢は理解できるが、これがチェチェン、ウクライナ、インド、パキスタン、トルコとなると、やはり地理的に隔たっているせいか、肌感覚としては分かっていない。やはり歴史的な流れと、地理的な状況を見ることで、係争地の原因が納得できるのだと思う。そういった紛争の原因が地政学的に理解できてくると、その地域を題材とした現代戦ウォーゲームにも取り組みやすいだろうし、自分が住み暮らしていない地域の紛争に興味を持とうと思ったら、歴史や地理やウォーゲームからアプローチするのが良いのではないだろうか。