Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【The Library of Napoleonic Battles】「Napoleon's Resurgence」The Battle of Bautzen : Approach to Battle Scenario Solo-Play AAR Part.1

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TLNB(The Library of Napoleonic Battles)シリーズの「Napoleon's Resurgence」から、1813年5月20日~21日にかけて行われたバウツェン会戦をソロプレイしてみた。昨年、これに先立つリュッツェン会戦をプレイしたのでその続き。昨年末にTLNBの最新版シリーズルール7.36も翻訳したので、それも使おうと。今回は5月21日の決戦日(Day of Battle)だけを扱うシナリオではなく、前哨戦となる20日から始められる接敵(Approach to Battle)シナリオを選択してみた。もっと細かい戦術級の会戦ゲームであれば、もう両軍とも布陣が終わった決戦日だけでもいいけれど、TLNBのスケールだと、どこへどれだけ戦力を流し込むか、どう布陣するか、まで選択もできるし、やはりそこまでプレイするゲームシステムなんだと思う。今回はカードプレイ無しで、比較的史実に沿ったプレイを目指してみた(カードプレイも面白いけどね)。

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地図盤はフルマップ1.5枚と広く、その南北幅いっぱいに両軍が布陣している。こちらは西側に陣取るフランス軍、ナポレオン御大から見た景色。焦点となるバウツェンの街にはすでにロシア軍が立て籠もり、それへ向けて正面からマクドナルド麾下の第11軍団が正面攻撃をかける予定。右翼には、ウディノ麾下の第12軍団がスプレー川を渡って攻撃をかける手筈。史実では、両軍団とも渡河攻撃に成功しているが、深追いしすぎて対仏同盟軍から反撃を喰らっている。

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こちらは戦場の北端を移動中の、ネイ率いるフランス第3軍団。こちらもスプレー川を渡って、同盟軍の側面を衝けという命令を受け取っているが、史実ではそれに失敗し、敵を取り逃がしている。そのあたり、騎兵が足りなかったとか、ナポレオン/ベルティエからの命令が曖昧だったとか(移動目標の街を間違えた)、諸説あり。またネイのカウンターには司令官能力1(自力で自動的に1個軍団を活性化できる)が記されているが、このシナリオに限っては単なる軍団長として、ダイスを振って4以下が出なければ第3軍団を活性化できないようになっている。

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一方、対仏同盟軍のプロイセン=ロシア部隊は、スプレー川を第一次防御線として、後方に主力を温存している。また陣地マーカー(歩兵戦力2倍)を5個、スプレー川の橋ヘクスを守る歩兵部隊に配置。このあたり、川や湿地が幾重にも重なっているので、一応は守りやすいかもしれない。

さてソロプレイ開始。最初の2ターン(1813年5月20日12:00、13:00)で、フランス第11軍団(マクドナルド指揮)は、立て籠もっていたロシア第2軍団の兵を押しのけつつ、バウツェン市街に突入した。この南では、フランス第12軍団(ウディノ指揮)も、渡河攻撃に成功し、同盟軍の側面に向かおうとしていた。

戦線中央では、フランス第6軍団(マルモン指揮)の強力スタック2個、第20師団(17戦力)、第21師団(20戦力)によって渡河攻撃に成功。北に位置するフランス第4軍団(ベルトラン指揮)は、まだ戦力が集まっておらず、攻撃が遅れている。さらに最北部のフランス第3軍団は、軍団長ネイ自ら陣頭指揮に立って渡河攻撃を行ったが、あいにくこれは撃退されている。

これに対して同盟軍は、前線のユニットたちを見殺しにしつつ、第2防御線を構築すべく、各部隊を糾合しつつあった。

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第3(14:00)ターン、フランス第11軍団は、立て籠もるロシア第2軍団をバウツェン市街から叩き出し、これを制圧。翌第4(15:00)ターンには、晴れてナポレオン御大もバウツェンに入城。南部のフランス第12軍団も残敵を一掃した。しかし第4ターンには、戦線正面のマルモン、ベルトラン両将が活性化に失敗。最北部のネイは活性化に成功したものの、またも渡河攻撃にしくじって後退した。フランス軍は、各所でEX(相互損失)も被っていたが、第4ターンには天候チェックに伴う回復と再編成手順が入ったため、いったん除去されたユニットをステップロス面で盤上へ復帰させた。

対する同盟軍も、ブリッヒャー率いるプロイセン第1軍団が、スプレー川を渡ってきたフランス第1騎兵軍団を押し返している。

続く第5(16:00)ターン、三度ネイが渡河攻撃をかけたものの、またまた敗退。戦闘比は悪くないのだがダイス目がイマイチ。そしてベルトランも活性化したものの、フランス第4軍団はいまだに渡河攻撃スタックを組めずにいる。

その拙攻を見て、どうせまだ渡って来ないとだろうとばかりに、ブリッヒャーが4個スタックを動員してフランス第1騎兵軍団を包囲し、これを全滅させた。軍団長ラトゥールも捕縛されてしまい、フランス軍としては最初の大打撃となった。

第6(17:00)ターン、ようやくネイが四度目の正直としてスプレー川の渡河攻撃に成功。しかしブリッヒャーの予測通り、ベルトランはまたも活性化できず、なんとか自力活性化に成功したユニットをかき集めて攻撃したものの、あえなく敗退。

第7(18:00)ターン、第8(19:00)、第9(20:00)ターンまで日中ターンが続き、ベルトランの第4軍団がようやくスプレー川の渡河に成功。それを塞ごうとするブリッヒャーのプロイセン第1軍団との間で押し合いへしあいの戦いとなった。最北部のネイも、ようやく順調に南下を開始している。これでフランス軍は、南北両翼から包囲できるような形に持ってきたが、やはり北部のネイ、ベルトランの両将が活性化してくれるのかが問題。第8ターンからは、北部にローリストン率いるフランス第5軍団も到着しているものの、先頭の2個師団はすでにステップロスしているという頼りなさ。ああ、こんな時に別働隊を任せられるキルヒアイスがいてくれたら……じゃねえ、故ランヌダヴーがいてくれたら……

対する同盟軍も、明朝には2個軍団が来援する予定だが、果たしてこの包囲態勢に対処できるのか……というところで、史実と同じく本日は会戦初日まで進めて、ここから先はリアルに明日プレイしてみよう。

※会戦初日の損失:フランス軍19戦力喪失:同盟軍24戦力喪失

【The Library of Napoleonic Battles】「Napoleon's End」

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プレオーダーしていたTLNB(The Library of Napoleonic Battles)シリーズの新作にして第15作「Napoleon's End (ナポレオンの終焉)」が到着。本作は第4作「La Patrie en Danger」と第9作「Napoleon's Retreats」に続く1814年国内戦役三部作の〆となる。

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時期的には、「6日間の栄光(6 Days of Glory)」と呼ばれる1814年2月10日~15日(「La Patrie en Danger」で扱っている)の戦闘で、ナポレオンがシュレージェン方面軍を破った直後の2月17日~18日から、3月20日~21日、3月25日における、パリ東南部での戦闘を扱っている。連合軍のパリ入城が3月31日、ナポレオンの退位が4月11日なので、まさに国内戦役の最終盤。

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時系列的に一番早い1814年2月17日~18日の、モルマン(Mormant)、モントロー(Montreau)の戦いは、フルマップ2枚を連結する。モルマンでは兵力的に劣るフランス軍だったが対仏同盟軍を撃退し、モントローでも勝利している。

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続く3月20日~21日にかけてのアルスィ=シュル=オーブ(Arcis-sur-Aube)の戦いの初日は、対仏同盟軍7万以上、フランス軍18000程度という劣勢から始まり、翌日にはフランス軍も増援を得て強化されたものの、あえなく後退。こちらはフルマップ1枚に収まっている。

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さらに最終盤の3月25日、フェール=シャンプノワーズ(Fere Champenoise)では、ナポレオンに合流しようとしていたマルモン、モルティエの両将軍が同盟軍に攻撃され、と同時に近くのバンヌ(Bannes)ではフランス軍の輜重隊も襲撃を受け、戦死・捕虜併せて1万近い損失を被ったという、フランス軍としてはトドメの一撃的な戦い。先日購入した「ナポレオンの時代の騎兵」でもこの戦いに触れていた。

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ちなみにこのフェール=シャンプノワーズの地図盤だけ、フルマップよりもう一回り長いサイズになっている。その西側で「La Patrie en Danger」のシャンポーベル(Champaubert)の地図盤と連結できるが、さらにモンミライユ(Monmirail)の地図盤も繋がるんだから、マップ3枚横長に連結するわけで、そんなもん我が家で広げられるはずもない。

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また国内戦役グランド・キャンペーンとして、時系列的に「La Patrie en Danger」「Napoleon's Retreats」「Napoleon's End」の各会戦を戦っていき、その損耗などを引き継いでいく……というシナリオも収録されている。もちろん時間もかかるだろうが、両軍ともに戦力がすり減っていく中で戦い続けるのは精神的にもキツそうなキャンペーンだなと。

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こちらがフランス軍ユニット。個々のユニット兵力も少なく、士気(イニシアチブ値)的にも低いユニットが見受けられ、大陸軍の末期戦という印象。ナポレオン御大の指揮能力は相変わらず高いが……

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こちらが対仏同盟軍。さすがにロシア軍、オーストリア軍ユニットは頼もしいが、兵力は多いものの軍司令官能力の無いババリア軍(ダイス判定で成功しないと動けない)もあったり。

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基本ルールは引き続きver7.36……そうそう、このBlogでは書いていなかったけれど、実は昨年末にこのver7.36を日本語に翻訳したのだ。公開されている公式和訳がv6.7と、だいぶ古いバージョンだったので。一応、ver7.36では砲兵の扱いがだいぶ異なり、戦闘フェイズ中に防御側の反応射撃フェイズが挿入され、砲撃結果表も変更されている。なので近いうちに、最新ルールで何かTLNBをプレイしたいとも思っている。国内戦役は揃ったけれど、また別のタイトルで何か……

Now Available for Pre-Order – Operational Studies Group

ちなみにTLNBシリーズの次作は、1813年の解放(諸国民)戦争から、ドレスデン会戦などを収録した「Napoleon's Counterattack」だそうで。来年2月発売予定。

 

「North Africa'41」Rules Confirmation

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昨年購入した「North Africa'41」もそろそろ触れておこうと、シナリオ1「ロンメル登場」を並べてルール確認をしてみた。本来はお正月休みにやっつけるはずだったが、年末から体調不良だったので延々先延ばしとなり、ようやく着手と。

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今回はソロプレイと言うよりルール確認なので、プレイブックに載っていた序盤(第2ターン、第2インパルスの連合軍ターンまで)のプレイ例通りにユニットを動かしてみた。

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こういった公式プレイ例を読んでおくと、微妙なテクニックも学べるのでありがたい。たとえば、混乱した連合軍スタックのうち、一部のユニットを混乱させたまま(戦術移動しかできないため、2ヘクスまでしか移動できない)足止め部隊として残置し、救出したいユニットをあえて自発的に潰走状態(全移動力を使える)に陥らせ、拡張移動(+3移動力)も使って一気に後方へ避退するという手が使われていて、ああ、そうかあと思ったり。言われて他のシモニッチ作品(194Xシリーズ)のルールを読み返してみると「France'40」や「Salerno'43」でも自発的潰走が採用されていた。一応、ベースとなるルールは似ていても、ちまちまと改変されているので細かく確認していかないとなあ。

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WWII北アフリカ戦と言えば補給がキモになるし、本拠地から前線までの長大な距離を、どうやって部隊や補給物資を移送するか、というのも考えさせられるポイント。本作でも、基本的な道路移動、拡張移動はもちろん、枢軸軍によるイタリア本土からの海上輸送、また港湾間の移送、鉄道移動、トラック移動(地図盤と盤外ボックスをワープさせる特別移送ルールあり)と、さまざまな移送手段が用意されているので、それも頭に入れておかないと、と感じた。

まあ、実際に動かしてみた印象としては、シモニッチ氏の194Xシリーズの中では、戦闘以外の、補給などの側面の割合が多く、ちょっと面倒に感じた。正直言うと、いちいちトラックマーカーで補給マーカーを運搬して、それを戦闘規模に応じて消費するというOCS(Operational Combat Series)的な仕組みはあまり好きではないけれど、そこを省略しすぎると北アフリカっぽくないので困りもの。いや、ただ単に年を取ってきたせいか、だんだんウォーゲームのプレイ管理も面倒になってきたもので(^_^;)

もちろん本作の前身作である「The Legend Begins」よりは全然プレイアブルになっているので、今やるならこっちだろうなあ。そして「The Legend Begins」プレイしたの、もう20年近くも前か……この頃の自分はまだ30代中盤だもんなあ……ゲーム体力もあったからなあ……(遠い目)

「Operation Typhoon」Panzer Gruppe Guderian Scenario Solo-Play AAR (SPI/HJ version + SPI/IED version)

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地元の友人と「オペレーション・タイフーン」を対戦してみようかという話が出たので、まずは練習にと、シナリオ1「グーデリアン装甲集団:最後の一撃」(南部シナリオ)をソロプレイしてみた。今回は地図盤だけホビージャパン版を用い、ユニットと図表類は国際通信社/IED版を使うというマリアージュを試してみた(魔合体とも言う)。ユニットの情報などはIED版の方が正確だし、大きめで見やすいが、地図盤はやはり通常サイズの方が使いやすいので。このゲームは、TSWWやOCSのようにびっしり隙間無くユニットを並べる類いのゲームでもないし、ユニットがヘクスからややはみ出す程度でもイケるかなと。まあ、人間の視界から考えても、目が行き届いて管理できるワークスペースとしてはやはりフルマップ程度が穏当なのだろう。

また今回は、独ソ両軍の戦力チットの平均値と分布図も作ってみた。もちろんこれ、ゲーム中にチットが引かれていくたびに確率や分布が変わってしまうのだけれど、一応、この戦闘等級と士気ならこの程度とか、最大値と最小値を頭に入れておくだけでも目安になるかなと。AARを書くにしても『ここでA2チット最大の16戦力が登場してしまい……』とか『A3チットを期待して引いたら最低の1戦力が出てしまい……』とか書きたいじゃない。

さて第1(1941年11月15日)ターンの天候は固定されていて、曇天、地表は凍結、積雪は無し。攻めるドイツ軍第2装甲集団(グーデリアン上級大将指揮)は、3個軍団(第43軍団、第50軍団、第24装甲軍団)を支援下に置いたものの、ルール上、最初の3ターンは全ユニット補給切れであり、戦力半減、機械化部隊は移動力半減となっている。とは言え攻勢は始まったし、とりあえず第3、第4装甲師団ソ連軍戦線に斬り込んだ。ここでいきなり要衝トゥーラ(ヘクス1820)を攻めるという手もあるらしいが、今回は初ソロプレイなのでその策は見送った。たしかに、後からソ連軍に強力な部隊を送り込まれる前にトゥーラを攻めるのもアリと言えばアリなので、いずれ試してみたい。

第2(11月16日)ターン、天候は降雪、地表は通常。まだ積雪ではない。ドイツ軍は引き続き、第3、第4装甲師団を用いてソ連軍前線を突破。ドイツ軍の側面はがら空きになっているが、ソ連軍としてもそこにつけ込むだけの余剰戦力が無い。

第3(11月17日)ターン、天候は晴天。ドイツ第3装甲師団スタックは、単独ながらも要衝トゥーラの裏に回り込んだが、ここを守るソ連第413歩兵師団の戦力チットを引いてみたら、A2最強の16戦力と出た(平均は9.26)。ドイツ軍は利用できる航空戦力2シフトを注ぎ込んだが、守るソ連軍も地上支援を投入し、結局、第413歩兵師団が1ヘクス後退するのみで終わった。この頑強な師団にトゥーラを守られると、ドイツ軍としては厳しくなるかも。またドイツ第112歩兵師団も、ドンスコイ(0831)を守るソ連第299歩兵師団に跳ね返され、後退している。

第4(11月18日)ターン。ドイツ軍はようやく初期の補給切れ縛りルールから脱し、天候も晴れ、本格的な攻撃開始。トゥーラ北西ではドイツ第31歩兵師団が攻勢をかけ、トゥーラ東南では第3装甲師団が再びソ連第413歩兵師団を押し込んでいる。北上したドイツ第4装甲師団は、勝利条件都市のひとつであるウェニェフ(2132)を占領した。しかし第24装甲軍団は攻勢軸を2つにしたが、司令部からの補給範囲はその2方向を賄えず、もうすでに「二兎を追う者は一兎をも得ず」状態に陥りつつある。

そして東には、ソ連軍増援の第239歩兵師団が現れ、これがまたA2ランクなのに12戦力と強力で、ここまでノーダメージで来たドイツ装甲師団群も初めてステップロスを被った。またトゥーラ北西では、最強のA3ランク、ソ連第7親衛歩兵師団(A3としては平均的な15戦力だった)がドイツ第31歩兵師団に逆襲を仕掛け、こちらもステップロス+後退させている。

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第5(11月19日)ターン。支援判定によって、ドイツ軍は第24装甲軍団と第53軍団のみを支援下とした(北部の第43軍団は諦めた)。その第24装甲軍団は、いったん北上を停止し、要衝トゥーラを目指した。これを守るソ連第154歩兵師団は、A2ランク(平均9.26戦力)なのに最低の戦力2を引いてしまったが、ドイツ第17装甲師団の出目も悪くステップロスして後退。一方、粘り強く遅滞行動を続けていたソ連第413歩兵師団(16戦力)も、三度ドイツ第3装甲師団に後退させられ、敵ZOCに下がるしかなく、基幹部隊(1戦力)へ減衰している。

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第6(11月20日)ターン。ドイツ第3、第17装甲師団は、邪魔するソ連軍基幹部隊ユニット(1戦力)を蹴散らし、要衝トゥーラの裏門に迫った。しかしソ連軍も北部から戦力を引き抜き、反撃にあたらせた。幸い、ソ連第198機械化師団がA2ランク(平均9.26戦力)ながら14戦力チットを引き当て、第7親衛歩兵師団ともども、ドイツ軍3個スタックを押し返した。

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第7(11月21日)ターン。ドイツ軍の2個装甲師団は、再びトゥーラの裏門を攻めたが、4個スタックが跳ね返され、2個連隊が除去されるというていたらく。そしていつの間にか東には、増援のソ連軍により戦線が構築されており、反撃によってドイツ軍が後退させられている。

なるほど、ソ連軍の増援はこれぐらいの規模で来るのかとか、ドイツ軍は攻める方向を絞らないとダメだなと気づいたあたりで今回の練習ソロプレイは終了。あまり全部見えてしまうところまでソロってしまうと、対戦した時につまらないので。

マリアージュ(魔合体)プレイとしても、まあ大丈夫だけれど、トゥーラ近郊で大きめのIED版ユニットがひしめき合ってくると、HJ版の地図盤ヘクスにおさまりきらない。やはり対戦する時は、IED版の地図盤を使ってみよう。ヘクスナンバーもIED版の方が見やすいしね(老眼同士の対戦だし)

【参考文献】「17世紀ポーランド戦史 ルヴフ・ジュラヴノ戦役史」「イタリア戦争の戦争術:第四部:騎兵」

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旗代屋さんからのまとめ買いシリーズ・その③。

「十七世紀ポーランド戦史 ルヴフ・ジュラヴノ戦役史」は、当時のポーランドリトアニア共和国の国王ヤン三世ソヴェスキによる、オスマン帝国との戦いをまとめた一冊。これに先立つ、いわゆる大洪水時代からこの時代にかけてをテーマにしたボード・ウォーゲームもなかなかお目にかからないので、自分も全然わかっていない(基本、ウォーゲームから理解する派なので)。ミニチュア・ウォーゲームだと、ポーランドのフサリア(羽根付き騎兵)はカッコ良いので、アーミーを作ってみたいと思って、オスプレイの資料だけ揃えて結局、着手せずに終わっている。

そして「イタリア戦争の戦争術:第四部:騎兵」は、当時の騎兵兵種の紹介と、ラヴェンナ会戦の分析。ラヴェンナ会戦のボード・ウォーゲームとしては、すでにアドテクノス「ラヴェンナの戦い」や、GMT「Arquebus」でもプレイしているが、これ読むとまた「Arquebus」をプレイしてみたくなったり。アドテクの方は、もう手放してしまったし、あれ凄く面倒なシステムだったので……(^_^;)

【参考文献】「戦闘の研究」「Pike & Shotの時代:歩兵の基礎」

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旗代屋さんからのまとめ買いシリーズ・その②。

まず、普仏戦争時代のフランス軍人アルダン・ドゥ・ピックによる著作「戦闘の研究」の邦訳。今回入手した中では最大のボリュームで320ページオーバーという大作。古代のポエニ戦争から、近代のナポレオン戦争などをお題にして、兵士の戦場心理について分析している。当時の隊形や武器装備から、兵士たちがどのような状況下に置かれ、実戦で何を感じ、何を恐れていたのか、それを指揮官たちはどのように統御し、指揮しようとしていたか、どう教育すべきかといったテーマが連なっている。また付録として、歩兵射撃の差異……号令射撃や各個射撃、散兵射撃とその有効性についても触れられていてとても興味深かった。あいにく、そこまで細かく再現できているウォーゲームも少ないが、バタイユ・シリーズや詳細なナポレオン戦争戦術級ゲームならその片鱗は味わえるかなと。

そして「Pike and Shotの時代:歩兵の基礎」も購入。こちらの前半は、当時のマスケット銃兵とパイク(長槍)兵の教本の図録……どのようにマスケット銃を構えて撃つのか、どのようにパイクを構えたり突くのか、という細かい手順が載っている。まあ、ウォーゲーマー的には、そこまで知らなくても良いような気もするが、本書後半の「Push of Pikeの実相」を読むと、当時のドイツ傭兵(ランツクネヒト)やスイス兵などのパイクの使い方の差異(パイクを握る箇所が違うとか)にも触れているし、そもそもどうやってあの長大なパイクを突くのか、実働戦闘時間はどの程度だったのか等を読むと、ウォーゲームをする際にもイメージが膨らむなあと。

【参考文献】「騎兵史:銃器の導入からフリードリヒ大王の時代へ」「フリードリヒ大王の時代の騎兵」「ナポレオンの時代の騎兵」

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前々から読みたいと思いつつ先延ばしにしていた旗代屋さんの中世~近世軍事史を、ようやくBOOTHでまとめ買い。

まずご紹介する3冊は、1877年に(第二版は1903年に)出版された「騎兵史」なる本の邦訳。最初の「第三部:銃器の導入からフリードリヒ大王の時代へ」は、ルネッサンス期から三十年戦争清教徒革命、北方戦争あたりの騎兵について触れている。レイター(短銃騎兵)だのドラグーン(竜騎兵)だのといった騎兵兵種の違いから、それぞれの時代の主要な会戦と、そこでの騎兵の働きと運用について述べられている。もちろん当時の会戦を扱ったウォーゲームのイメージを補完するにはもってこい。

続く「騎兵史:第四部(上):フリードリヒ大王の時代の騎兵」は、タイトル通り、オーストリア継承戦争七年戦争あたりのプロイセンオーストリア、ロシア軍の騎兵についての一冊。前書きとして「戦闘技術の歴史3:近世編」では、当時のプロイセン騎兵が軽視されていることを指摘しているが、そういう批評は門外漢としてはありがたい。なかなか分からないからねえ。

そして「騎兵史:第四部(下):ナポレオンの時代の騎兵」も、ナポレオン戦争を中心とした、その前後の時期の騎兵について触れている。なかなか余所では詳しく触れられていない、フェール=シャンプノワーズ戦や、サマランカ戦について書かれているのも興味深い。付録としてナポレオン戦争での伝説の検証……ボロディノ戦での騎兵突撃や、ワーテルロー戦で戦死したポンソンビー将軍の逸話もあり。