Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】「日米両海軍の提督に学ぶ」

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先日、茨城の古書店に寄った際、値段が付いていなかった「日米両海軍の提督に学ぶ」(1988年刊行)という本を見つけ、ご店主に訊ねたところ『2千円で良いですよ』と言われて購入。元々は非売品だし、帰宅してからネットで情報を漁ったところ、それなりの値段で古書取引されていたので、 ちょっと良い買い物だったかもなあと。

著者の中村悌次氏は、元海上幕僚長海軍兵学校67期主席として、重巡洋艦「高雄」、戦艦「長門」にも勤務。駆逐艦「夕立」の水雷長として、スラバヤ沖海戦、第三次ソロモン海戦にも参加という経歴。(2010年に90歳でご逝去されたとのこと)

本書は、主に海上自衛隊幹部向けに、アメリカ海軍からはキング、ニミッツ、スプルアンス、ミッチャー提督、日本海軍からは山本、古賀、豊田聯合艦隊司令長官に加え、小沢提督を採り上げ、そのキャラクターや、組織内での対人関係をメインテーマに書かれている。まあ、アメリカ海軍軍人の評はともかく、旧海軍軍人による旧海軍軍人評となると身びいきがあるようにも感じるが、さまざまな海軍軍人の回想録や談話から各提督のエピソードを集め、統率の際に生じたであろう、組織内の人間関係による摩擦・軋轢の可能性なども多々書かれており、興味深く読んでしまった。

そう言えば、「米軍提督と太平洋戦争」でも、本書が参考文献として挙げられているのに今気がついた。こちらも併せて再読してみようかな。

GMT「Stalingrad'42」Fall Brau AAR

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今日は、1月に続いてYossyさんと「Stalingrad'42」を再戦。今回もシナリオ1「Fall Brau」を、陣営を入れ替えて対戦した。 

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第1ターン。自分が担当するドイツ軍は、順調な滑り出し。陣地線に立て籠もったソ連軍歩兵を6個師団ほど包囲し、孤立・自滅させつつ前進。 

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第4ターン。ようやく最初の勝利ポイントStary Oskolを占領し、Valuykiにも迫る。ソ連軍は、一気に後退し、戦線を縮小しつつ、個々のスタックの厚みを増していく。 

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第7ターン。ドイツ軍は、Valuykiも占領し、さらに後方のVoronezh、Svoboda、Voroshilovgradも狙う。しかしSvobodaとVoroshilovgradは占領したものの、勝利ポイントは4点止まり。シナリオ勝利に必要な8点にはほど遠い。だったら盤端から機械化部隊を突破させるかと思ったが、この後で登場してきたソ連軍増援部隊に難なく戦線を埋められてしまった。 

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最終第8ターン。Voronezhへの攻撃も上手く通ったかに思えたが、守備するNKVD師団が「断固たる防御」に成功してこれを死守(プロパガンダ映画化決定)。ドイツ軍は、勝利ポイント2点を逃した。

一方、戦線中央を突き崩せば、その後方のMillerovoを突破戦闘で狙えるのでは?という期待から最後の攻撃がかけられた。 

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しかしドイツ軍は、前線を突破したものの、Millerovoを攻撃するには前進ヘクス数が1足りず、勝利ポイント4点止まりの敗北。いやVoronezhとMellerovoを取ったとて、勝利ポイントは7点止まりなのだから、結局は勝てなかったと。今回もRostov方面には、あまり兵力を割かなかったが、やはりそれが敗因なのか。まあ、安心安定の面白さは再確認できた。 

【Advanced Squad Leader】「Ozerekya Breakout」

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Lone Canuck Publishingから、もうひとつASL(Advanced Squad Leader)のヒストリカル・モジュールを購入。こちらは、2011年発売の「Ozerekya Breakout」。お題は、1943年2月4日、黒海沿岸のオセレイカに上陸したソ連海軍歩兵部隊と、守備隊のルーマニア軍(後にドイツ軍も応援に)との戦闘。そう、昨年Compass Gamesから発売された「CSS:The Little Land:The Battle of Novorossiysk」と同じ戦闘である。

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マップは1枚。キャンペーンゲーム1本とシナリオ4本入り。ソ連海軍歩兵は、この地に第一波だけが上陸し、第二波以降は上陸せず帰ってしまうという、前代未聞の状況に置かれながら、枢軸軍部隊と交戦し、結局壊滅。ASLシナリオとしても、ソ連海軍歩兵とルーマニア軍という組み合わせも珍しいし、「CSS:The Little Land」ともリンクする内容だし、ついつい買ってしまった。まあ、実プレイはしないだろうが、参考資料ということで…… 

【Advanced Squad Leader】「Bloody Buron : The First Step to Caen」

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新作 「The Bear's Revenge:The Battle of Königsberg 」を買うついでに、2013年発売のASL(Advanced Squad Leader)ヒストリカル・モジュール「Bloody Buron:The First Step to Caen」も購入。

こちらのお題は、1944年7月8日、ノルマンディのカーン市を奪うべく発動された、連合軍のチャーンウッド作戦の一環として、その前面にあるブロン(ビュロン)村に立て籠もったドイツ第12SS装甲師団第25装甲擲弾兵連隊第3大隊に対し、カナダ軍ハイランド軽歩兵連隊が攻めかかるというもの。このブロン(ビュロン)村は、連合軍のノルマンディ上陸以後から争奪戦が繰り広げられていたが、本作で扱うのは、その最終戦。カナダ軍は、シャーマン・クラブ対地雷戦車や、AVRE工兵戦車なども投入し、この村を解放した。

http://www.lonecanuckpublishing.ca/BB.htm

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マップは1枚。すでに砲爆撃で穴だらけになったフランスの田園地帯という感じ。ただしボカージュは無く、むしろ開けた部分が多い。それだけ射線(LOS)も通りやすいと。 

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「GOSS:Atlantic Wall」でBuron村を見てみると、この通り。そういや「GOSS:Atlantic Wall」のルール翻訳も止まっているが、そろそろ「GOSS:Lucky Forward」も発売されるので、その最新ルール待ち。

ちなみに同名タイトルの戦記が2冊ヒットしたので、カナダでは有名な戦闘なのかもしれない。まあ、第12SS装甲師団を撃退して、カーンへの門をこじ開けたという意味では華々しいのか。
ドイツ軍側を指揮していたクルト・マイヤーの自伝「擲弾兵」でも、このブロン(ビュロン)の戦闘で、麾下の兵たちが火炎放射戦車に焼かれる様が記されていたり、師団参謀フーベアト・マイヤーの「SS第12戦車師団史(上)」では、カナダ軍側の損害の多さも紹介されている(p548)。そういった第12SS装甲師団の断末魔的状況を見たいとか、連合軍工兵戦車がプレイしたいなら、持っていても良いかなと。

【Advanced Squad Leader】「The Bear's Revenge : The Battle of Königsberg 」

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カナダのサード・パーティ、Lone Canuck Publishingの新作ASL(Advanced Squad Leader)ヒストリカル・モジュール 「The Bear's Revenge:The Battle of Königsberg 」が到着。お題は、1945年4月、東プロイセンの古都ケーニヒスベルク(現カリーニングラード)での末期市街戦。ドイツ軍は、この都市を守るため、四重にも及ぶ防衛線を築き、兵士10万名をもって死守する構えだったが、対するソ連軍は、入念な攻略準備の後、圧倒的な砲爆撃と兵力によって、たった4日間でこれを陥落したという。ASLの市街戦としては、すでに公式モジュールで、スターリングラードブダペストが発売されているが、そういった長丁場の市街戦ではないあたりが興味深い。

ちなみに本作をプレイするには「Beyond Valor」「Red Barricades(Red Factories)」「Valor of the Guards」「Festung Budapest」が必要と、なかなか敷居が高い(一応、全部手元にあるけど)。

http://www.lonecanuckpublishing.ca/KBR.htm 

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マップは2枚(LCPモジュールでは初)。ケーニヒスベルクの中心部、四重の防御線の最も内側が描かれている。この都市は、すでに前年1944年の段階で連合軍の爆撃を受け、かなりの損害を被っていたとのこと。この地図盤でも、大半の建物が瓦礫と化している。 

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LCP製品としては珍しくカウンターシート(1.5枚)も付いている。こちらはドイツ軍。SS憲兵(4-4-7)、国民突撃隊(3-3-6)、ヒトラーユーゲント(4-3-7)、ナチ党指導者など、末期戦らしいカウンターが揃っている。また独ソ両軍に砲兵観測チーム(2-2-8)も登場。 

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こちらがソ連軍。この時期、すでにソ連軍は大量の鹵獲兵器を使用しているため、歩兵カウンターの左上にはパンツァーファウストが描かれている。しかもパンツァーファウストの使用回数は、シナリオに登場する分隊数の2倍(10個分隊がいるなら、そのゲーム中に20回使用可能)と、ドイツ軍より潤沢だったりする(通常、ドイツ軍は分隊数の1.5倍)。ソ連軍が、大量のパンツァーファウストを使用していたという話は聞いたことがあるが、ブダペスト戦を扱った「Festung Budapest」でもそういった処理はされておらず、ASLでその史実が適用されたのは初めて見た。 

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キャンペーンゲームの他、シナリオは6本収録。瓦礫の山と化したケーニヒスベルク市街地で、待ち受けるはIV号突撃砲や75mm対戦車砲搭載のハーフトラックに支援され、ブンカーに籠もる国民突撃隊。それに対してソ連軍は、砲爆撃はもちろん、ISU-152やT34/85火炎放射戦車のスチームローラーで潰しにかかるという、まさにWWII末期戦なシナリオばかり。

と言っても、実はケーニヒスベルクの市街戦については、あまり詳しくない。一応、独ソ戦車戦シリーズの「死闘ケーニヒスベルク」も読んだが、市の防衛線と、それを攻略する準備過程は書かれているものの、4日間の市街戦そのものについては、あまり詳しく記されていない。アントニー・ビーヴァーの「ベルリン陥落」でも、2ページほど触れられている程度(p292~293)。ヴォルフガング・パウルの「最終戦」では、このケーニヒスベルク戦に一章を割いているが、あれは戦史というより読み物だしなあ……

【Advanced Squad Leader】DaE2「The Bend in the Road」AAR

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昨日は、Karter氏と久しぶりにASL(Advanced Squad Leader)を対戦。と言っても、2人でプレイするのは2014年末以来、約5年ぶりだったので、お互いルールを忘れており、いきなり本式ASLは厳しく、ASLスターターキットのヒストリカル・モジュール「Decision at Elst」のシナリオ2「The Bend in the Road」を選んでみた。お題は、1944年9月、マーケットガーデン作戦でアルンヘムに降下したイギリス第1空挺師団の救出に向かったイギリス第43歩兵師団が、その手前のエルスト村でドイツ第10SS装甲師団クナウスト戦闘団と戦うというもの。ちなみに登場するSS部隊は、やはり黒地に白でないと雰囲気が出ないので、Heat of Battle社のSSカウンターセットを使用している。

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自分は、先攻イギリス軍を担当。4-5-7分隊✕13、シャーマンV✕3輌、ファイアフライ✕1輌をもって、エルスト村に入り、シナリオ範囲奥のQ15ヘクスから6ヘクス以内に16火力のLOSを通していれば勝利。この地域には、細かい水路を擁した干拓地ヘクスが多々あり、戦車の機動にはあまり向いていない。とりあえず中央の道路へシャーマンV1輌+ファイアフライ1輌を進め、両翼にもシャーマンVを1輌ずつ配して前進。歩兵部隊も、急速歩移動で村内に入り、ドイツ軍が立て籠もる石造建築物と相対した。

Karter氏率いる後攻ドイツ軍は、6-5-8親衛隊分隊✕5.5で薄い防衛線を敷き、中央から、唯一の戦車、V号パンターGを進入させた。パンターGは、早速シャーマンVを正面から撃破。後続のファイアフライも、その残骸に隠れつつパンターVGに撃ち返し、早くも至近距離で戦車戦が始まった。 

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しかし結局ファイアフライも、パンターGに撃破されてしまった。一方、イギリス軍歩兵部隊は、なぜか回復DRで2を連発し、8-1指揮官✕1、8-0指揮官✕3が誕生することに。その指揮官を用いた射撃グループ攻勢と、戦車との共同攻撃で、SSの重機関銃スタックをいったん後退させたものの、すぐに回復して元いた建物に取って返し、迫り来るイギリス兵を次から次へと追い返した。イギリス軍は、対戦車火器PIATを抱えた兵を、果樹園伝いに浸透させ、パンターGの側面に送り込もうとしたが、やはり親衛隊歩兵の射撃に遭って、あえなく後退。両翼のシャーマンVも、干拓地に阻まれつつ、敵歩兵に榴弾を撃ち込むが決定打は出ない。対するドイツ軍歩兵も、パンツァーファウストを撃てそうなチャンスは何度かあったが、イギリス軍歩兵に阻まれ、シャーマンに接近できずにいた。また匍匐後退する武装親衛隊に対し、追い打ちのように射撃を行ったイギリス軍に対し『なんという非人道的行為!』『いや、そっちも(本式ASLでは)捕虜は取らないルールでしょ』というやり取りも……

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ようやく5ターン目。PIATを持ったイギリス兵が、パンターGを側面から撃破したものの、ここで時間切れとなりゲームを終えた。目標のQ15ヘクスには、12火力までLOSを通したが、そこまでと。まあ、久しぶりの対戦だったので、かなりルールを忘れていたが、ASL的な諸兵科連合効果(コンバインド・アームズ)が楽しめたし、なかなか手頃なシナリオだなと。

スターターASLの場合、本式ASLでは必須の「隠蔽」ルールが無いため、お互いの状況を見ながら、ああだこうだ輪講プレイできるのが楽しい。もちろん、ルールが頭に入っているガチASLer同士なら、情報を隠匿してプレイする方が面白いだろうが、ルールを思い出す練習程度なら、やはりスターターだなと。 まずは「隠匿」無しのスターターキットで、ASLの基本メカニズムに慣れ、もう少し手応えが欲しくなったら本式ASLへ、そこまで行くつもりが無ければスターター止まりで良いと思う。Karter氏とも、しばらくはASLスターター対戦を続けようかという話に(とか言ってまた5年後になったり)。

ちなみに、このエルスト戦は「GTS:Devil's Cauldron」でも扱われているので、スケールを変えて、そちらも味わってみるのも面白い。 

【Advanced Squad Leader】「Deluxe ASL」

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プレオーダーしていたASL(Advanced Squad Leader)の新作、というか復刻版「Deluxe ASL」が到着。

デラックスASL(DASL)とは、ヘクス径55mmという巨大ヘクス地図盤でASLをプレイし、1/285スケールのミニチュアでも遊べるように設計されたもの。1985年のASL誕生とほぼ同時に第1弾DASLモジュール「Streets of Fire」が発売され、続いて1987年に第2弾DASLモジュール「Hedgerow Hell」が発売されたものの、あまり人気が無かったのか、それ以降、DASLモジュールが発売されることは無かった。かく言う自分も、今までずっと購入しておらず『まあDASLはいいや……』とスルーしていた。

しかし今回発売された「Deluxe ASL」は、旧「Streets of Fire」「Hedgerow Hell」の地図盤、オーバーレイ、シナリオに加え、後にASL Annual や ASL Journal等で発表された追加シナリオもまとめて収録されている。あいにく旧作に収録されていたAFV(車輌)データカードは割愛されているが、これひとつあればDASL関係はまとめて揃うので、ついつい購入してしまった。

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こちらが旧「Streets of Fire」から復刻された、新DASL地図盤a、b、c、d。スターリングラード的な大型建造物や市街戦向けの戦場。旧版の地図盤はハードボードだったが、この復刻版では現行のASL標準地図盤と同じく、薄手のものになっている。 

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こちらが「Hedgerow Hell」から復刻された、新DASL地図盤e、f、g、h。ボカージュを含む、西部戦線フランスの田園という感じ。

まあ、これだけヘクスが大きい方が、老眼に苦しむASLer諸氏には良いのかもしれない。またASLの場合、さまざまな状況や状態を表すマーカーがごちゃごちゃと入り乱れる場合もあり、そういった混乱も、これだけスペースがあれば、多少は整理できるかも。

また発売当時は、あまり出来の良くないメタルミニチュア程度しか存在しなかったが、21世紀の今では「食玩」という安価かつ出来の良いWWII戦車ミニチュアも手に入るので、それを使ってプレイするのも良さそうだ。自分も、この「Deluxe ASL」購入を機会に、いくつか手に入れようかなと思ったり…… 

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こちらはオーバーレイ。もちろん、こちらもデカい。 

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シナリオは「Streets of Fire」収録の10本、「Hedgerow Hell」収録の8本に加え、雑誌収録の20本を加えて合計38本収録。舞台も、フランス、クレタ島マレー半島ビルマスターリングラード、クルスク、シシリー島、ノルマンディ(ヴィレル・ボーカジュ)、モンテ・カッシーノ、アルデンヌ、ブダペスト、マニラ、ベルリンと、第二次世界大戦の著名な戦場がひととおり揃っている感じ。ただし本作には、カウンター類がまったく入っていないので、各国軍の基本モジュール(つまり駒)を持っていないと話にならない。逆に言えば、基本モジュールを持っているなら、買っても損は無いと。

また「Winter Offensive Bonus Pack #9」では、さらにDASL地図盤i、j、k、lとDASLシナリオ5本(中国、アーヘン、朝鮮戦争)が追加されているため、本作と併せれば地図盤12枚、シナリオ33本と、なかなかのボリュームになっている。

難点を言うなら、どのシナリオも、ユニット数がそこそこ多く、戦場密度の高いシナリオばかりだなあと。地図盤1枚だけを使って、ASLの基礎メカニズムを練習するようなシナリオがあっても良さそうだが、あいにく見当たらない。また、もし戦車戦をやるとしたら、至近距離での撃ち合いになるので、そのあたりもどうなんだか。まあ、それが気になるなら、本式ASL/ASL-SKをやりなさいということか。あと、AFVカードは新しく出さないのだろうか。もちろん、出せばキリが無いので、今のところは非公式のAFVカードを使うしか。