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【参考文献】「日米両海軍の提督に学ぶ」

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先日、茨城の古書店に寄った際、値段が付いていなかった「日米両海軍の提督に学ぶ」(1988年刊行)という本を見つけ、ご店主に訊ねたところ『2千円で良いですよ』と言われて購入。元々は非売品だし、帰宅してからネットで情報を漁ったところ、それなりの値段で古書取引されていたので、 ちょっと良い買い物だったかもなあと。

著者の中村悌次氏は、元海上幕僚長海軍兵学校67期主席として、重巡洋艦「高雄」、戦艦「長門」にも勤務。駆逐艦「夕立」の水雷長として、スラバヤ沖海戦、第三次ソロモン海戦にも参加という経歴。(2010年に90歳でご逝去されたとのこと)

本書は、主に海上自衛隊幹部向けに、アメリカ海軍からはキング、ニミッツ、スプルアンス、ミッチャー提督、日本海軍からは山本、古賀、豊田聯合艦隊司令長官に加え、小沢提督を採り上げ、そのキャラクターや、組織内での対人関係をメインテーマに書かれている。まあ、アメリカ海軍軍人の評はともかく、旧海軍軍人による旧海軍軍人評となると身びいきがあるようにも感じるが、さまざまな海軍軍人の回想録や談話から各提督のエピソードを集め、統率の際に生じたであろう、組織内の人間関係による摩擦・軋轢の可能性なども多々書かれており、興味深く読んでしまった。

そう言えば、「米軍提督と太平洋戦争」でも、本書が参考文献として挙げられているのに今気がついた。こちらも併せて再読してみようかな。