Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

【Advanced Squad Leader】「The Bear's Revenge : The Battle of Königsberg 」

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カナダのサード・パーティ、Lone Canuck Publishingの新作ASL(Advanced Squad Leader)ヒストリカル・モジュール 「The Bear's Revenge:The Battle of Königsberg 」が到着。お題は、1945年4月、東プロイセンの古都ケーニヒスベルク(現カリーニングラード)での末期市街戦。ドイツ軍は、この都市を守るため、四重にも及ぶ防衛線を築き、兵士10万名をもって死守する構えだったが、対するソ連軍は、入念な攻略準備の後、圧倒的な砲爆撃と兵力によって、たった4日間でこれを陥落したという。ASLの市街戦としては、すでに公式モジュールで、スターリングラードブダペストが発売されているが、そういった長丁場の市街戦ではないあたりが興味深い。

ちなみに本作をプレイするには「Beyond Valor」「Red Barricades(Red Factories)」「Valor of the Guards」「Festung Budapest」が必要と、なかなか敷居が高い(一応、全部手元にあるけど)。

http://www.lonecanuckpublishing.ca/KBR.htm 

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マップは2枚(LCPモジュールでは初)。ケーニヒスベルクの中心部、四重の防御線の最も内側が描かれている。この都市は、すでに前年1944年の段階で連合軍の爆撃を受け、かなりの損害を被っていたとのこと。この地図盤でも、大半の建物が瓦礫と化している。 

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LCP製品としては珍しくカウンターシート(1.5枚)も付いている。こちらはドイツ軍。SS憲兵(4-4-7)、国民突撃隊(3-3-6)、ヒトラーユーゲント(4-3-7)、ナチ党指導者など、末期戦らしいカウンターが揃っている。また独ソ両軍に砲兵観測チーム(2-2-8)も登場。 

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こちらがソ連軍。この時期、すでにソ連軍は大量の鹵獲兵器を使用しているため、歩兵カウンターの左上にはパンツァーファウストが描かれている。しかもパンツァーファウストの使用回数は、シナリオに登場する分隊数の2倍(10個分隊がいるなら、そのゲーム中に20回使用可能)と、ドイツ軍より潤沢だったりする(通常、ドイツ軍は分隊数の1.5倍)。ソ連軍が、大量のパンツァーファウストを使用していたという話は聞いたことがあるが、ブダペスト戦を扱った「Festung Budapest」でもそういった処理はされておらず、ASLでその史実が適用されたのは初めて見た。 

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キャンペーンゲームの他、シナリオは6本収録。瓦礫の山と化したケーニヒスベルク市街地で、待ち受けるはIV号突撃砲や75mm対戦車砲搭載のハーフトラックに支援され、ブンカーに籠もる国民突撃隊。それに対してソ連軍は、砲爆撃はもちろん、ISU-152やT34/85火炎放射戦車のスチームローラーで潰しにかかるという、まさにWWII末期戦なシナリオばかり。

と言っても、実はケーニヒスベルクの市街戦については、あまり詳しくない。一応、独ソ戦車戦シリーズの「死闘ケーニヒスベルク」も読んだが、市の防衛線と、それを攻略する準備過程は書かれているものの、4日間の市街戦そのものについては、あまり詳しく記されていない。アントニー・ビーヴァーの「ベルリン陥落」でも、2ページほど触れられている程度(p292~293)。ヴォルフガング・パウルの「最終戦」では、このケーニヒスベルク戦に一章を割いているが、あれは戦史というより読み物だしなあ……