
Decision Gamesの第二次世界大戦専門ウォーゲーム誌「World at War」97号を購入。付録ゲームは「Campaigns in Europe」シリーズ第1弾「Drive on Leningrad」。今号から4号連続(恐らく100号記念)のこのシリーズは、かつてSPIから(そしてホビージャパンからも)発売された「第二次欧州大戦 War in Europe」の地図盤を使って、新システムで当時の戦役をゲーム化するという試み。

第1弾の「Drive on Leningrad」は、「第二次欧州大戦」で言うところの地図盤Gを使って、1941年6月のバルバロッサ作戦開始時から、1942年4月までを扱う。さすがに地図盤のグラフィックは、Joseph Youst氏に描き直され、より詳細に都市の位置も記されている。もちろん「第二次欧州大戦」とほぼ同じスケールなので、1ヘクス=32.5km、1ターン=1週間(好天)/2週間(泥濘・降雪)、1ユニット=基本的に師団(ソ連は軍団)となっている。
しかし本作のシナリオでは、ドイツ北方軍集団によるソ連侵攻だけを扱うため、この地図盤の北半分程度しか使わない。だったら南半分はムダじゃないかと言いたくなるが、シリーズ構想としてはそちらも使う予定なのでそれについては後述。

戦役の焦点、レニングラード市。旧「第二次欧州大戦」の地図盤Gと比べると、陸地の輪郭はほぼ同じだけれど、クロンシュタット港や、河川、森の位置など微妙に違っている。

地図盤の南半分=中央軍集団戦区には、ミンスク、スモレンスク、モスクワが描かれているが、本作のシナリオではまったく使わない。

旧「第二次欧州大戦」の地図盤Gと並べてみると、見た目こそ今風なれど、意外と忠実にその地図範囲を再現している。

カウンターシートは1枚のみで、ドイツ、ソ連、フィンランド軍のユニットが収まっている。旧「第二次欧州大戦」は部隊番号無しのジェネリックな戦闘ユニットだったが、こちらは部隊番号入りなので雰囲気も出るかなと。中には、敵ZOCを無視して浸透できるブランデンブルク特殊部隊もあり。
ユニット能力値は、単純に「戦闘力-移動力」で、精鋭ユニット(戦闘力が白丸、退却無視)、機械化ユニット(移動力が白四角、追加作戦可、機動戦CRT使用可)という区別もあり。ユニット裏面はステップロス面になり戦力が落ちるが、再編点(RP)によって回復、再建も可能。
軍集団/軍司令部ユニットには支援範囲(赤丸)が記され、再編点を消費することによって範囲内のユニットを補充したり、除去されたユニットを再建したり、地上戦で有利な戦力比シフトを与えたり、陣地を構築できる。つまり砲兵・工兵などの軍直轄支援部隊は、すべて再編点としてポイント化されている。まあ、このレベルで砲兵や工兵までユニット化してしまうと地図盤上がごちゃごちゃしてしまうし、スッキリしていて良いんじゃないかと。そのあたりまで再現してほしいなら、OCS(Operational Combat Series)か、TSWW(The Second World War)/エウロパシリーズに行けと。ちなみに司令部ユニットは、表裏で移動モード(移動できるが支援範囲が短い)、支援モード(支援範囲は長いが移動できない)になっている。

両軍の管理シート。再編点の他、鉄道能力、除去されたユニット、航空ユニットの任務配分を行う。航空ユニットは、航空優勢、地上支援(戦力比シフト)、航空阻止(地上移動や連絡線の阻害)等に割り振られる。

戦闘結果表は、強襲、機動戦の2種類あり、機動戦の場合には、敵を除去して2ヘクス前進しさらに攻撃、というオーバーラン結果もある。
システムは旧「第二次欧州大戦」とはだいぶ違うものの、基本的には各ターン毎に「移動フェイズ⇨戦闘フェイズ」か「戦闘フェイズ⇨移動フェイズ」の順番で行い、許可されていた場合のみ、追加で「機械化フェイズ(移動か戦闘かどちらか)」を行える。
まあ、スケール的には、まさにOCSとTSWW/エウロパの中間で、ルールはもっと簡単、という意味では遊びやすいサイズなのかなと。ただし将来的には、もっと大規模なシナリオも提供されるらしい。

本誌にも広告が出ているように、次号98号が青作戦(東部戦線南部)、99号がイタリア戦線、100号が1944年のフランス戦線となっている。Consimworldの書き込みを見ると、WaW#100号が発売された後、追加カウンターシートと、17の追加シナリオを含むエキスパンションキットが発売されるとのこと。追加シナリオの一覧は下記の通り。
24.0 AGS: Jun 1941 to Nov 1941
25.0 AGS EXTENDED SCENARIO: Jun 1941 to Apr 1942.
26.0 AGS OPTIONAL RULES
27.0 AGC: Jun 1941 to Jan 1942
28.0 AGC EXTENDED SCENARIO: Feb 1941 to Apr 1942.
29.0 AGC OPTIONAL RULES
30.0 URANUS TO KHARKOV: Nov 1942 to Mar 1943
31.0 FALL BLAU TO KHARKOV: Jul 1942 to Mar 1943
32.0 BARBAROSSA: Jun 1941 to Apr 1942 (two--map scenario)
33.0 MARKET-GARDEN TO THE BULGE: Sept 1944 to Feb 1945
34.0 WACHT TO THE RUHR: Dec 1944 to Apr 1945
35.0 D-DAY TO GERMANY: Jun 1944 to Apr 1945
36.0 ITALIAN CAMPAIGN AVALANCHE: Sept 43 to Jun 1944
37.0 ITALIAN CAMPAIGNS ANZIO: Jan 44 to Jun 44
38.0 ITALIAN CAMPAIGNS DIADEM: May 44 to Sept 44
39.0 ITALIAN CAMPAIGNS GOTHIC LINE: Aug 44 to Oct 44
40.0 ITALIAN CAMPAIGN 1943 TO 1945: Jul 43 to Apr 45
41.0 WESTERN FRONT: Jun 44 to Apr 45 (two-map scenario)
42.0 FRANCE 1940: May 40 to Jun 40
またこの後、1943年~1945年の東部戦線シナリオを含む第2のエキスパンションキットも出す予定だそうだけど、どうなることやら。さらに将来的には「第二次欧州大戦 war in Europe」の新バージョンも計画しているそうで、言うなればこの「Campaigns in Europe」はその叩き台というか、テストモデルなのかもしれない。実際、どこまで実現するかは未知数だが、とりあえずプレイしてみようかなと。