Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

【Operation Combat Series】「The Third Winter」

f:id:crystal0207:20210701115530j:image

MMPに直接プレオーダーしていた、OCS(Operational Combat Series)第19弾「The Third Winter」が到着。その名の通り「三度目の冬」……つまり枢軸軍がソ連に侵攻して「一度目の冬(1941-42年モスクワ攻略失敗)」「二度目の冬(1942-43年スターリングラード降伏)」に続く、1943年秋から1944年冬にかけてのウクライナ後退戦/解放戦を扱っている。

同じテーマでは、OCS第4作として「Hube's Pocket」が1995年に発売されているが、本作は、その期間・地域を時空間的に拡張しているため、ある意味「Hube's Pocket」の拡大リメイク版とも言える。個人的にも、初めて買ったOCSは「Hube's Pocket」と「Burma」だったので感慨深い。「Hube's Pocket」は、アホのように潤沢な補給物資を手にしたソ連軍が、豪快にドイツ軍を殴りまくる快作だったので、個人的には大好き。他のOCS作品で、ちまちま補給1Tやら2Tを工面するのがバカらしくなるほどの暴れっぷりだったので、それが本作でどうなったかも興味がある。 

f:id:crystal0207:20210701115541j:image

まず地図盤はフルマップ4枚。東端にハリコフ、中央北部にキエフ、南端にオデッサ、西端がルヴォフという範囲。「Hube's Pocket」の地図盤(1.5枚)を重ねてみると、南側に大きく延伸されていることが分かる。さすがに26年ぶりのリメイクとあって、細かい部分でも、道路、鉄道、都市の広がり方など「Hube's Pocket」とはだいぶ変わっている。また「Hube's Pocket」では、地図盤南端からドイツ軍ユニットを退出させて、それに見合った分のソ連軍ユニットを地図盤外へ誘引するルールがあったが、ここまで延伸されているなら、それを実際の作戦機動として行うことも可能だと思う。 

f:id:crystal0207:20210701115551j:image

さらに本作には「Scorpion in the Bottle」という、チェルカッシィ、カネフ、コルスン地区だけのミニシナリオ専用地図盤も付いている。まずはここからか。

f:id:crystal0207:20210701115602j:image

カウンターシートは10枚、カウンター総数2800。そのうち汎用マーカーが3シート。実質ユニットは、2000個弱か。こちらがドイツ軍装甲師団の皆さん。まだ「Hube's Pocket」のユニットと細かく比較はしていないが、師団を構成するユニットやその数値などもかなり見直されている。また「Hube's Pocket」発売後の、1999年末に出されたThe Gamers 社のクリスマスカウンターシートで、ドイツ軍装甲/装甲擲弾兵師団に対戦車大隊ユニットが追加されたが、本作では最初から各師団にそれが常備されている。また旧作とは違って、ティーガー重戦車大隊が中隊ユニットに分割されている。変わり種、第18砲兵師団も健在。 

f:id:crystal0207:20210701115611j:image

f:id:crystal0207:20210701115620j:image

こちらがソ連軍歩兵師団の皆さん。近年の標準的なOCSの色使いなのだけれど、「Hube's Pocket」のソ連軍親衛ユニットは、ダーククリムゾンみたいな赤色で、歩兵師団ももっと濃い茶色で、やたらと強そうに見えたのも好きだったけど、まあ仕方ない。しかし10-5-6親衛戦車旅団などという、頼もしいユニットも旧作には無かったかな。こちらもそのうち、カウンター切りつつ、旧作と比べてみたい。 

f:id:crystal0207:20210701115630j:image

f:id:crystal0207:20210701115638j:image

f:id:crystal0207:20210701115646j:image

こちらは、各種シート類。ターン記録表や地形効果表、両軍の管理トラックはもちろん、複数ユニット師団用のディスプレイ、分割ユニット用のディスプレイの他、ソ連軍のRVGK(最高司令部予備)シートもあり。両軍のプレイブックレットには、増援ユニットがカウンターイラスト付きで掲載されている。このあたりの補助部分は、それこそ26年前の「Hube's Pocket」と比べると雲泥の差。シリーズ前作「Hungarian Rhapsody」でも、親切な補助シートが沢山入っていたが、OCSのベテランプレイヤーたちが制作陣に入り、自分たちが欲しいモノ(必要だと考えているモノ)を揃えてくれた感がある。

収録シナリオは8本。ミニシナリオ「Scorpion in the Bottle」の他は、地図盤1枚シナリオが4本、地図盤2枚シナリオが1本、地図盤4枚キャンペーンが2本という構成。全体としてはビッグゲームの割に、シナリオなら何とかプレイできそうな……いや、OCSでは地図盤2枚でも結構なユニット密度になるし、なんといってもここは東部戦線。そこは楽観視できないが、まあ、なんとかなるかなと。

基本ルールは、シリーズ前作「Hungarian Rhapsody」と同じくv4.3。2018年のクレジットが入っているから、同じモノだよな。「The Third Winter」専用の特別ルールは、正味14ページほど。ざっと挙げると、ドニエプル渡河用のルール、対空射撃修正を持った高射砲ユニット、列車砲ユニット、そしてまた出た「戦車殺し」ルーデル(でもHungarian Rhapsodyとは違って、撃墜されないとは書いてない)、ソ連軍の正面軍(境界線、攻勢状態、再編成状態)等々があるが、OCS作品としてはそれほど多いワケではない。

とりあえず、せっかく「Scorpion in the Bottle」という手頃なシナリオが用意されているのだから、まずはそこから触れようと思う。